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『藩校早春賦』 宮本昌孝 集英社文庫 - 2003年06月25日(水)

とっても爽やかで明るい作品だ。
作者名からして固いイメージがあったがとんでもなかった(笑)
清々しい青春小説の佳作と言えそうです。

舞台は東海地方の某藩、藩校の建設から始まって厳しい階級社会の中でもまれて成長して行く3人の姿がとっても印象的である。
3人(新吾・太郎佐衛門・仙之助)をいろんなエピソードを交えて描いている。
3人とも階級や性格が違っていてそれが作品の中で上手く生かされている点は見逃せない。
御家騒動や、恋心を抱くシーン、あるいは剣客シーンなど読みどころ一杯過ぎて困ってしまいます(笑)

まっすぐに生きている3人はもちろんのこと、脇を固める登場人物もバラエティに富んでいて素晴らしく特に真吾の隣に住む志保との恋模様が続編(『夏雲あがれ』)以降どう展開されるかとっても楽しみとなりました。
“正義と純真さの素晴らしさを教えてくれる1冊”と言えそうです。

評価8点。


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