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『ブルーもしくはブルー』 山本文緒 角川文庫 - 2003年06月24日(火)

山文さん、ひさびさに長編に挑戦しました。
ちょうど、NHKでドラマ化されてるのでいい機会となった。
ドラマはまだ序盤ですが、細部にわたってドラマと設定が違うような感じです。

他の山本作品と一線を画する作品となっている。
意外とサスペンスフルなんで驚かれた方も多いと思います。

よくある“隣の芝生は青く見える”という典型的な話で、物語はどんどん進んでいきます。
誰もがもういちどやり直せたらなあと思う人生。
ドッペルベンガーによってそれを実現するのだが、お互い(蒼子Aと蒼子B)が予想通り夢見て入れ替わったのが現実は厳しいという事を悟って行く過程が見事に描かれてます。
やはりこういう結末になるだろうと思っていてもそうさせないあたりは山文さんの術中に嵌っているような気がした。

女性にとって本当の幸せとは何かを見つめなおす恰好の作品と言えそうです。
いや、現実的には不可能なんでひとときでも甘い夢を見させてくれる物語かもしれませんね。
ほんのひとときだからこそいいかもしれません(笑)

そうそう、私は蒼子Bさんの方がタイプです。地味な方ですよ(笑)
結婚小説として読まれてもいい勉強となるかもしれませんね。

評価7点。


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