流れる水の中に...雨音

 

 

昔の彼氏。 - 2006年02月17日(金)



夜 電話をかけて来たのは もう随分昔の彼氏だった。

昔と変わらない声が受話器の向こうから聞こえて来たから 私もまるで あの時の私のままであるかのような錯覚を覚えた。
「わかる?」と聞いて来たけれど 不思議と声を忘れていない。
必要なことは忘れて行くのに 不必要なことだけは 何故か忘れていなかったりするものだ。

彼は日比谷で公認会計士をしている。
一言でいうと まったくの「ボンボン」で そして私はそんな彼の「ボンボン」的性格がとても好きだった。
結果的に 彼を選ばなかったのは その大好きな「ボンボン」的性格ゆえだったけれど 彼の性質を否定するつもりは全くない。

「君はいま なにをしているの?」と、30を越えた女に尋ねる質問ではない。答えはおおよそ決まっているからだ。

「主婦よ。子供もいるしね。」

そう。。と暫くの沈黙ののち 彼はそう答えた。


結局 彼の用件は 来週、会計監査の為に大阪を訪れるらしい。
食事のお誘いだ。

とても懐かしいから 子連れなら 食事くらい構わないのだけれど それはきっと 彼の望んでいることでもないだろうし 私の望む方向性にも修正できそうにない。


いくつになったの?と尋ねると 「わかるだろう?」と。
どうだろう。 
最近 私は自分の年齢すら 忘れてしまうのだもの。


だけど もう 過ぎ去ってしまったことだけは事実なのだから。





...




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