Kyoto Sanga Sketch Book
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2008年01月06日(日) 【J1J2入れ替え戦第1戦】

(TV観戦)

28分。大剛がまたサイドを破った。
広島DFに跳ね返されるボール。
しかし今日中盤を自由に支配している斉藤から、中谷へ。
広島選手の対応は一歩づつ遅れている。

田原の頭から右サイドの大剛へ。
大剛は広島の二人の選手を翻弄しクロスを上げた。
広島GKのパンチング。
田原が瞬時にポジションを下げた。彼の頭がボールを打つ。

慌ててボールを追ってゴールの中にスライディングする森崎和。
しかし、田原のシュートはゴールに突き刺さった。


選手たちが駆け寄る。
ベンチの選手たちもエンジを組んで喜び合う。
テレビに映るサポーター席の狂乱ぶり。
そしてクールに親指を立てる大剛。

この日の京都、特に大剛と田原は普通じゃなかった。



<京都スタメン>

  中山 田原 パウ
中谷  斉藤 石井  渡邉
  手島 森岡 角田
     平井

<広島スタメン>

  ウェズレイ 寿人
服部 森崎浩 柏木 駒野
     戸田
槇野 ストヤノフ 森崎和
     下田
 




この冬一番の冷え込みという京都の大気。
相変わらずの非公開練習で奇策を練る京都は、この日は今期初の3バック。
広島はこの入れ替え戦に備えて最終節は主力を休ませていた。
京都とは対照的に”特別なことはしない”といつものリーグ戦の布陣で臨んだ。

実際、最初の20分はひたすらJ1の広島に攻められていた。
(立ち上がりの寿人のシュートがもし入っていたら…。)

しかし、それ以降はほぼ京都のワンサイドゲーム。

広島の速度に慣れだした京都が、
ボールを持った広島選手の行く先に体を入れ、掻き出した。
今期初の343のシステムは
広島の選手たちにガチンコに対峙していた。

奪いさえすれば、もう京都のものだった。
広島は中盤で奪いに来ない。あとは大剛に預ければいい。

大剛のあまりの活躍に、後半になって広島監督は
日本代表の駒野のサイドを変えて大剛に対峙させた。
しかし、大剛はそれでもサイドをぶち抜いた。
彼のこの日の突破とクロスの正確さは異常だった。


中山博貴は今日は3トップの一角という名の前線でのフリーマン。
それは美濃部前監督の要求と同じはずだったが、この日の出来は違った。
キャンプ〜開幕の時は敵の後を追いかけるばかりで、
何も有効な動きをしていなかった彼も、今日は自在にボールを操った。
連動していない広島の守備の間を迷いもなく走っていた。

森岡。今年移籍してきたばかりの時はピッチ上で存在感は全くなかった。
なのに、最近の森岡ときたら。来たボールは全て跳ね返す。
角田とともに統率するDFラインに乱れはなく。
絶不調だった手島もプロとしては不慣れなSBで素早い対応を続けていた。

おかしい。
うちの選手がこんなにサッカーが得意なはずはない。
(←もうちょっと選手を信頼いてやれや…アタシ。)



そして、次は前半38分。また大剛から。
ゆったりとした、しかし正確なクロス。
再度、紫の巨体田原が誰よりも高く、強く、空を駆けた。
二人の広島選手の決死のブロックの間に飛び込んだ。

野獣のように伸びた髪が顔を覆ってなびいた。
選手とサポーターの視線の先、真っ直ぐゴールの右隅へ。
ボールは再びゴールへ突き刺さった。



テレビのスクリーンの中、サポーターの歓声が被さった。
今日二度目の田原のゴール。

J1がそこにある。これはいける!

その後、中山、角田のシュートがバーに嫌われた。あと2,3点は取っても罰は当たらない試合だった。
広島は高さのある盛田をDFに入れた。広島の逆襲。
終了間際に失点。
それでも内容としては今期のベストゲームだった。



京都2−1

第2戦は3日後。昇格は難しくないものに思えた。
(後で自分の認識が甘かったのを知るのだけど)



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