Kyoto Sanga Sketch Book
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2008年01月04日(金) 秋田豊引退セレモニーより

(前のスケッチに続けて連続投稿)

場内に広がる静かな声。
ゴール裏からその姿は遠いけど、声だけは響いていく。
勝ち試合の高揚感を残しながら、
西京極のサポーターと選手の胸にしみていく。

「まず、無名の自分を拾ってくれた鹿島。       
特にジーコにプロとは何かを学びました。
”プロとは何か人より秀でてはならない”。
足が速い、技術がある。そういった物がない自分は、
闘志と努力では誰にも負けまいと思ったのです。」

この日のマッチデープログラムの裏表紙は、
タイトルを手に掲げる鹿島の秋田、
ボールを追う代表の秋田、吼える名古屋の秋田、
そして、仲間の肩を抱く京都の秋田。
数枚の写真に閉じ込められた一人の選手の歴史。
彼のすべて。
(できたら、ゴンを吹き飛ばす写真も加えて欲しかったけど、ね)

「…鹿島で選手生活を全うするのが夢でした。
しかし名古屋、そして京都に来たことは後悔していません。
どこにもチームを愛する街の人々、選手、
スタッフがいることを知りました。
今日これだけの試合をしてくれたチームに感謝します。」
これからも秋田豊を応援してください。」

静かな声に誰もが耳をすましている。
選手たち、森岡も斉藤も大剛も泣いていた。

「J1に行くぞ!」

その声に答えるサポーターたち。
悲しくて、でも前向きになれる。不思議な感じ。

「引退して欲しくないけど、アキさんが決めたことだから…
でもまたどこかで会って…(涙)」
その後の、寒空の下の斉藤のグダグダなスピーチですら、
なぜか心を打って仕方なく。

この場に居合わせて、なんか幸せだった。

紅葉の京都嵐山。
例年より赤色はくすんでいたけど、
落ちていた一枚の紅葉をパンフレットに挟んだ。


残りリーグは1試合。
そして多分入替え戦2試合。
劇的な彼の「現役最後の瞬間」まであと2週間。

一人の選手の歴史をもうすぐ記憶に閉じ込める。
彼の最後のチームになれて幸せだったかも。
(ちょっとセレモニーは寒かったけどね)


※スピーチの言葉は筆者のメモを基にしています。間違いがあるかもしれません。


miyako |MAILHomePage

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