Look back again... #Last
(前回までのあらすじ) 3月末、他県に転勤することになった 家庭教師の先生の送別会を行うことになった。 先生と奥さん&息子さん、私と両親、父の友人が揃った。 そこには私の元カレ:Yさんもいた。 お開きになってから彼とご飯を食べにいった。 別れ際、淋しそうな私に、彼が突然…。
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「!!!???」
彼の顔が私の顔から離れて向こうを向いても、 私はしばらくそのまま動けずにいた。 21年とちょっと生きてきて、 驚いて動けなくなったのは初めてだった。
「…はい、もう帰るよっ。」 ←はい、ってなに??? 「・・・ちょっと待って???」 ←困惑
いつまでもこっちを向かない彼。 ↑たぶん照れていたんでしょう。 やっと思い出したかのように言葉を発した私。 ←まるで赤ちゃん
「どういうつもり???」 「・・・・・。」 「どーゆーつもり???」 「・・・・・。」 ←黙秘 「・・・分かった。親に言う。」 ←姑息 「!?」
最後のセリフを捨て台詞にして 車のドアを開けて出ていこうとした私の腕を、 彼は自分の方に引き寄せた。 そして口止めでもするかのように さっきとは比べ物にならないぐらい深いキスをくれた。
一応私には彼氏がいた。 きっと抵抗するべきだったに違いない。 でも抵抗出来なかった。 でも、頭の中はいっぱいだった。
体中のすべての神経が口唇に集中してて、 他の部分は麻痺してるように動かなかった。
口唇が離れても、目も合わせられなかった。 まだお互いの顔が目の前にある状態で、 体は初春の寒さを忘れそうな程密着してて、 ずっと二人とも下ばかり向いていた。
彼は何も言わなかった。 ←言えなかった? 何も言わないで抱き締めてくれた。
私はやっとの思いで口を開いて、 「ありがとぅ。」 とだけ小さな声で言った。
その時にはもう目も見れるようになってた。 二人にとって初めてのキスじゃないし、 昔の感覚が戻ってきていたのかもしれない。 普通に目を合わせてテレ笑いをして、 私は少し乱れた髪を直してドアを開けた。
車を降りて運転席側にまわると、 彼が黒いフィルムをはった窓を開けてくれた。 頬に彼の手が触れて、もう一度顔を近付けた。
風で私の髪が顔にかかって、 「邪魔だね。」 ←笑 って言ったら、 彼は髪をどかしてもう一度軽くキスをくれた。
もう、恥ずかしくて笑うしかなかった私。 彼もココロの中ではすごく照れていたに違いない。
彼は最後に、 「気をつけて運転するんだよ。」 とだけ言って帰っていった。
これがすべて。 私が経験して、喜んで、悩んで、苦しんで、 この日記を書こうと思ったきっかけ。
この後、付き合っていた彼氏とは別れる決心をした。 Yさんとのキスを受け入れてしまった自分には、 もう彼氏と付き合う資格はないと思ったから。 彼氏も分かってくれた。
この後、Yさんに会ったのは5か月後。 7月になって、私が日本に帰った時だった。 あの時の話はしなかった。 今までと何も変わらない関係が続いている。
でも、確実に私の中の何かが変わった。 ↑クリック!!
彼の目に写る私が、少しでもバカじゃありませんように。
2002年11月18日(月)
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