2月7日の土曜日、スリランカの国会が解散されました。昨年11月に大統領が政府の3大臣を解任して以来、与党の首相サイドと妥協点を探すための交渉が行なわれてきたのですが、遂に物別れに終わり、国会解散となったものです。国会議員選挙は4月2日に行われます。スリランカ全土は、二ヶ月間の熱い選挙戦に入りました。
しかし、問題は20年以上続いてしまった「内線」をいかに収束させるかということ。大統領の属するPA政党は、この1月にマルキスト集団のJVP政党と共闘体制を確立しました。それでも議席数は93。首相派の与党UNP党は114議席を確保しています。定員は225。
大統領およびJVP考え方は、LTTE(反政府組織)との交渉で妥協するなというもの。基本的にシンハラ人ナショナリズムを振りかざす人たちなのです。そして、どちらかというとコロンボの都市富裕層ではなく、地方農村を地盤にしています。
もし、大統領派が政権を取ると、和平交渉は難しい局面を迎えるでしょう。LTTE側は昨年後半、ヨーロッパの制度などを研究して、満を持して「暫定統治案」を出してきたのです。現政権はこの「暫定統治案」受け入れに前向きだったのですが、大統領は反対を表明したのでした。
LTTE再度は、こうしたスリランカ政府内の混乱に対して、昨年2月に締結した停戦協定は今後も堅持することを表明しています。しかし、この混迷が更に続くけば「独立」を目指す方向に転換することもあり得るとの見解を表明しました。4月2日の選挙で、スリランカの人々が良識ある選択をするよう望みます。
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