2003年12月07日(日) |
日曜討論(イラク派遣) |
NHKの海外放送で朝6時(日本時間9時)から日曜討論を放映しています。眠い目をこすりつつ見ることがあるのですが、今日はイラクへの自衛隊派遣問題がテーマでした。石破防衛庁長官が政府を代表していました。この人はまだ30代のはず。非常に説得力ある話振りです。これから長く自民党で政治をやっていくのでしょう。将来を担うホープのひとりです。
自衛隊派遣問題は11月末に二人の外務省職員が亡くなったことで大きくクローズアップされています。「そんな危険なところに自衛隊を出すのか」「なぜ出すのか」ということが議論でした。
石破長官は「自衛隊の防衛能力と救助能力を備えていて自己完結的に救援ができる」ことを強調していました。明快です。救援に行って怪我をしたり、他国に守られながら援助していても話になりません。ただ気になったのは、救援の内容は、学校建設・医療施設整備、給水などをあげていた事です。
亡くなられた「奥大使」の嘗ての談話でイラクの学校は日本の数十年前の状況と言っていました。飲み水も不足しているのでしょう。だけど待てよ?です。日本と比較するからそう思えるのですが、コロンボの水だってそのままでは飲めないのです。こちらの人は毎朝「やかん」で沸騰させて一日の飲み水を確保します。毎回SOSのリハーサルで使う「女子高校」付属の小学校はオンボロです。屋根がボロボロで雨漏りだらけ。机・椅子は本当に日本の数十年前の状況です。
アフリカではもっと酷い状況にあるのではないでしょうか。12月1日は世界エイズデイでしたが、アフリカの医療問題は非常に深刻です。教育問題・社会資本整備でも課題は沢山あるはずです。
なぜ今イラクなのか。「参勤交代」的根拠ならはっきりそういうべきです。そうして国民の意見をはっきり聞くべきです。平和憲法を守るとかそういう議論ではなくて、イラクに自衛隊を出すことが「国際社会で立派だと認められる行為」なのかどうかです。
幸運にもスリランカに2年間暮らすことができて、いろいろ収穫はありましたが、自分がもっとも勉強になったことのひとつは、先進国の人々と発展途上国の人々の付き合い方・関わり方です。にわか慈善家は通用しません。先進国の感覚で貧しい・かわいそうだといっても状況が全く違うのです。逆に先進国の人々の「施し」は人々の勤労意欲を削ぐことさえあります。
一方で全て人々は「誇り」と「自慢」「矜持」を持っています。どんなに貧しくとも立派な考え方、すばらしい人間関係(例えば家庭)を持っている人達がいますし、一生懸命働き、勉強しているしている人たちがいます。。それを尊重しない限り、そして同じ目線で物事を考えないと、人と人の対等な関係は構築できません。
自衛隊を出すなら出すでいいですから、他の国の模範になるような活動をしてほしいものです。そのために名前も特別に「自衛隊」なのでしょうから。お付き合いで「参勤交代」するのは全く無駄というものです。援助大国日本の外務省はこういうことはとっくの昔に考えているはずですよね。 (論旨がはっきりしません。これはあくまでも日記です)
|