KENの日記
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2003年12月13日(土) クリスマスコンサート終了

12日(金)、13日(土)の2日間にわたるクリスマスコンサートが終了しました。両日ともほぼ満員のお客様に来ていただいて盛況でした。この一週間日記を更新しませんでした。練習やら仕事やらで落ち着いて書くことができませんでした。


まず仕事については、私のスリランカにおける任期は2003年の12月末までなのです。自動延長条項がありませんので、このままいくと来年早々に日本に帰国することになります。


中途半端な表現なのですが、それがこの国の難しいところなのです。SLT(テレコム)は政府が過半数の株式を保有する企業なので、この会社の経営をどうするのかは政府が決めることなのですが、その政府がぐらついているからです。


11月の日記にも書きましたが、現在のスリランカの政権は2年前の総選挙の結果で反大統領派政党が握っています。この政権が和平を進めてきたのですが、大統領がこの11月に公然と反抗に出たのです。大統領には「国会の解散権」があるので、大統領派政党が選挙に勝てると考えればすぐにでも国会は解散されてしまいます。先週から大統領と首相の話し合いが続いていて、来週15日に方向性が明らかになるようです。


また我社の会長に「逮捕状」が出されたことも混乱の一因。この逮捕状は今週「月曜日(ポヤで休日)」に撤回されたのでした。これは会長サイドが人権問題を盾に抵抗したのが功を奏したようです。しかし、この「休日の決定」をめぐって再び議論が噴出して、来年1月8日に審理が開始されるようです。因みに「会長」は政府が任命しています。


実際には、SLTをどういう会社にしたいのかは「政府」が決めることなのですが、「政府」の中には色々な考え方があってまとまりません。私の親会社である日本のNTTComもボランティアで人間を送っているのではないので、それなりの対価が必要になるからです。


ということで、今回のクリスマスコンサートは私にとって、スリランカ生活の最後の大きなイベントであったのです。(本当は後二つ考えているのですが)。そういう意味でも非常に感動的なコンサートでした。


金曜日のコンサートは、少し「硬い」ものでした。ベートーベンの合唱幻想曲(ミニ第9)は非常にすばらしいできでした。ラーマヤさんのピアノの音は本当にすばらしいものでした。弱音の美しさは「人間性」を感じさせます。今回が後ろに合唱団が控えているので、ピアノの「蓋」を外して演奏されました。ピアノの直ぐ近くのチェロの席はピアノを聴く「特等席」なのです。


ラーマヤさんは演奏会終了後、控え室で私のところにやって来て「お礼」を言ってくれました。というのはピアノの移動の際にいつも私が「力」で参加していたからです。(音楽での貢献度は低いです)


ロッシーニの最初の部分は「上出来」であったでようです。チュロ五重奏を五人で演奏するのですから責任重大。チェロの他の4人は全て女性なのですが、出てくる音は私のチェロが一番小さい。でも年齢で勝っているし、本番には強い方なので、頑張ってしまいました。できとしては2日目の方が良かったかもしれません。


それと金曜日は楽譜を間違えてしまって一曲参加できませんでした。モーツアルトの「ハレルヤ」(K165)です。私はてっきりヘンデルだと勘違いしていたのでした。ヘンデルのメサイヤは土曜日に演奏されたのです。あわてて楽屋に取りに戻っていたら、演奏が始まってしまいました。この曲は土曜にも演奏されたので、土曜にしっかり伴奏しました。今回のソプラノはイギリスで勉強中の「キシャーニ」さんという方なのです。すばらしい声の持ち主です。


土曜日の演奏会は「和やか」なものでした。後半には「クリスマスソング」を会場のお客様と歌うという企画もあって大変好評でした。土曜日には、友人のIMAIさん、DR、スーパさん(説明は省きます)を招待しました。それも最前列の舞台に向かって右側。つまり、チェロの席の真正面。SOSのチェロは1stバイオリンに対向して舞台最前列に並ぶのです。これは大変緊張しました。しかし、皆さんからお世辞でも「良かった」といってもらえて大変ありがたかったです。


金曜日はメードのシータ、宿舎の二人の清掃担当の人達を招待しました。彼らはこういうコンサートが始めてであったのでとても感動していました。関係者の感謝をすることができて一石二鳥(?)のコンサートでした。




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