KENの日記
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2003年06月17日(火) 紛争解決

今日は2時間以上を一件の苦情処理に費やしました。ある契約者が我社ともめていて埒があかず、最終的に苦情が私のところに持ちこまれたのです。


会社側曰く「この契約者は電話申し込み書に違うサインを書いている。サインを変えるなんて信用できない。金を払うからといって、電話の通話停止解除は困難」というのです。


一方契約者は「自分は自分のサインを度々変えている。前のサインは、事故に遭ってから違うサインに変えた。いまのパスポートのサインはこれまた新しいサインで通っている」というのです。縁起を担いでいるらしいのです。


実は当事者どうし(片方は我が社員)がどうも商売上の利害関係があるらしく、こじれにこじれてしまっていました。


「サイン」が大切なのはわかるのですが、タミール・シンハラ・英語を必要に応じて使いこなしている社会だし、実際の識字率(書く方)は言われているほど高くないと思われるので、お役所的に物事を進めるのもどうかと思いました。実際、最初のサインはタミール語で、二番目のサインはシンハラ語のようなのです。


結局、契約者に古い「サイン」を再記入してもらって、私も同一人物のサインだと保証することによって、両者になんとか納得してもらいました。


こうした些細な紛争解決にも大きなエネルギー、真摯な対応、そして勘所をついた妥協案の提示が必要です。そして、なにより過去の確執の善悪を判断するのではなく、両者の利益のために現在の紛争を解決することを目的に据えることが大切です。ですが、つい過去の恨みから感情的になりがちです。

20年以上こじれたスリランカの民族紛争の解決は非常に難しいく、優れた知恵が必要だと思います。




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