ゼロの視点
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2007年10月26日(金) 味、いろいろ

 紀伊勝浦といえば、海の幸、とくに《まぐろ》の町として有名・・・・。ならば、それらを堪能しなくては・・・、ということで、いざ出陣。昨晩の夜は、あらかじめ下調べしておいた店へGO。が、残念なことに、椅子席はカウンターのみ。が、カウンターではどうも夕食を皆で楽しむ・・・、という雰囲気になれぬと、フランス人側からの拒絶にあい、結局は、カウンター向かいの畳席となった。

 ま、フランス人らは、雰囲気を優先したばかりに、結局は自分で自分の首を絞めた結果にない、そりゃあ、小さな空間と小さなテーブルの下に、なんとかして足を伸ばして座り、なおかつ長時間安定していられそうなスタイルをみつけるのに、四苦八苦していた。

 そんなあまりにも滑稽な彼らの姿をただ見過ごしているわけにはいかないので、さっそくビデオ撮影。これまたフランス人連中から激しいブーイングが飛んでくるが、そんなことかまってられるか!!!、とばかりに、延々と撮影みる。その店で、それまで静かに食事していた人には、さぞかし“うるせー連中がやってきた”と思わせてしまったことだろう・・・、申し訳ない。

 ようやく、皆が落ち着いたポジションをみつけたのか、次のステップへ勧めそうな気配になってきたので、一応適当にオッサンらの確認をとりながら、ほぼ私の一存で注文を開始。まぐろづくしにはじまり、旬の魚の刺身づくし、数種類の魚の煮付け料理など、値段も見ずにどんどん注文。

 太っ腹だなぁ・・私・・・、と自分で自分につっこみながら(のちの勘定がちと怖いのだが・・・)、でも、メニューを見ていると頼まないではいられない。こんなもの、フランスじゃ食べられないのだからっ!。

 魚によっては、わさび醤油、生姜醤油と色々とソースが違うので、そのたびに小皿に人数分用意された醤油がテーブルに並ぶのだが、何度いっても、オッサンらは醤油の違いが判らない模様。これぞ生姜醤油だ・・・、という刺身に、わさび醤油だったり、もう滅茶苦茶なので、そういうのは視界に入れないようにした。とにかく、自分が美味しいと感じられればいいのだから、と・・・・(汗)。

 私も、モリモリと刺身を食べたが、オッサン連中も私以上にモリモリ刺身を食べている。あれっ、刺身って、モリモリ食べるものだったっけ?、と、一瞬そんな疑問がよぎったが、スルー。あっという間に注文したものを4人で食べつくしてしまった。

 そして、食べつくしてしまったフランスおやじ3人に、とあることを発表。彼らがモリモリたべた刺身の中には、《クジラの刺身》があったことを伝えてみる。うええええっ、っと驚いている彼らに追い討ちをかけるように、《おめでとうございま〜すっ。これで、あなた達も日本人っ♪。これからは日本人が野蛮とか、イチガイには避難できなくなりました〜♪♪♪》と、祝ってみた。

 こんな私の手口にはそれでも慣れている夫とは違い、MGとPDは“してやられた・・・”という顔をしたものの、それでも、意外にクジラが美味しかったので、苦笑いしていた。が、彼らはやっぱりマグロのほうが美味しいとのことだった。ま、ひとそれぞれだからねぇ、わはは。

 さて、本日からは、そんな禁断の味の世界とはうってかわって、肉と魚を一切使わず、植物を主とした、仏教の修行食の精進料理三昧。紀伊勝浦から紀伊田辺まで特急で移動したあと、バスにて一路、高野山奥の院まで。

 紀伊田辺駅のバスターミナルでバスを待っている途中で、突如豪雨に見舞われ、バスに乗るだけで全身びしょ濡れ。バスに乗った後も、まるで川の中をバスが走ってるのか?、というぐらい強烈な雨のなか、ほぼ貸切状態で私達しか乗客のいないバスが高野山めざして進んでいく。

 護摩壇山で違うバスに乗り換えて、いよいよ高野山奥の院に向かう。雨足もだいぶ落ち着いてきたようで、雨上がりで靄がかかった山々の景観が、あまりにも幽玄で、しばし見入る。

 日も完全に暮れ真っ暗になった頃、宿泊予定のJ宿坊に到着。ずいぶん前からそこに到着して、すっかり入浴まで済ませた従姉H嬢とその婚約者F氏が、寺の人に代わって宿坊を案内してくれる。J宿坊の人らは、どうもわしら一行に、いい部屋を用意してくれたみたいで、予想をはるかに上回るゴージャスな場所に、旅の疲れも吹っ飛んだ。

 そして精進料理が用意された部屋へ、皆で浴衣で参上。畳の上に、キレイに用意されたお膳をみて、わーーっ、美味しそうと素直に喜ぶのが、私と従姉達カップルの日本人3人組。一方、フランス人3人組みのほうは、《また、畳のうえに座っての食事か・・・・》と、戦々恐々なのが笑える。

 お膳は、テーブルよりさらに低い。ということは、さらに畳に近いというわけで・・・・・。一瞬、日本人のように一枚の座布団の上に正座をしてみたMGとPDだったが、あっという間にその体制に耐えられなくなり、座布団を5枚くらい重ね、それに跨るようにして座る・・・、という暴挙にでた。

 もちろん、何度も色々な方法で座りなおしていた彼らだったので、浴衣の前はどんどん肌蹴てきているので、ニョキっと、彼らの“なまっ白い大腿部”が付け根スレスレくらいまでお目見え・・・・。

 そんな彼らの向かいには、私達日本人3人組。ストリップしてんのぉ?、というくらい太もも出している彼らと違って、キチッとした姿勢でサクっと、一枚の座布団の上に穏やかに正座している日本男児F氏。その姿が、妙に美しくさへ見えるのは、フランス親父3人衆効果なんだろうか?。

 そして、H嬢がメイン、私がその補佐といった感じで、お櫃からご飯をよそったり、お茶をそれぞれに入れたり、お酒のお酌をしたりと、一時ばかりの出血大サービス。そんな姿をみて、ボキャブラリーの少ないフランス人衆は“芸者だ、芸者っ !!!!”と言って喜んでいたが、どうみてもわしらの姿は仲居でしかなく・・・・(汗)。

 日本に来る以前から、仏人3人組みには、精進料理だけだとお腹いっぱいにならないだろうけれど、そのつもりでいるように申し伝えてあったのだが、昨今の宿坊料理は味だけでなく、ボリュームもかなりあって、皆、満足した様子で、めでたし、めでたし。高野山名物、護摩豆腐もうまかったぁ♪。


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