ゼロの視点
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2007年10月25日(木) にゃんこ先生

 本日は観光バスで楽々観光♪。天気はあまりよくないものの、昼に新宮駅前から出る定期観光バスによる3時間おまかせコースに申し込みをしてあるので、鮭3匹のこともあまり気にせずゆっくり私も観光できるはずっ♪♪♪。で、コースは、以下の通り。

新宮駅〜熊野速玉大社〜熊野古道大門坂〜那智の滝〜熊野那智大社〜青岸渡寺〜紀伊勝浦駅

 バスに乗り込もうとすると、運転手が《あれえ、日本語わかるかなぁ・・・》と私達を見ながら、不安そうな独り言をもらしたのを聞き逃さなかった私。《あ・・・、そっか・・・、私も日本語わからない人だと思われてんのね、運転手さんに・・・・》と、ちょっとガックリしながら、《大丈夫ですよ、運転手さん、私、日本人ですからっ♪》と、胸を張って伝えると、運転手の顔もみるみるうちに明るくなっていく。

 バスに乗ってあっという間に、熊野速玉大社に到着。到着と共に、運転手が《○時までにバスに戻ってください》というのを耳にして、しまった・・・・・、と思った私。すっかり忘れていたのだ、こういうモノを・・・・・(涙)。

 日本人仕様の観光バスなので、観光時間も短いのが常。でも、規律正しい日本人は、ちゃんと言われたとおりの時間にさっさと観光を終えて戻ってくる。それも5分前に戻ってきたりする人種・・・、それが日本人・・・・・。

 が、私が引き連れてるのは、非日本人3名で、その中でも徹底的に時間にルーズなのが我が夫なのだから、マジでヤバイ。楽々観光が、地獄の観光になる悪寒・・・・・(号泣)。でも、気がつくのが遅すぎた・・・・、ゼロ、大失敗、うえーーん。

 MGとPDはそれでも、かなり時間感覚が日本人に近いから安心できるのだが、案の定うちのオッサンは、全然バスに戻る時間を気にせず、のびのびと御朱印頼んだり、写真とったり、その辺の日本人と片言の日本語で交流したり、本当に好き勝手にやっている・・・・・。

 で、結局、このオッサンにいちいち集合時間のことを伝えながら監視する役目で、私はほとんど観光できない・・・・・・。《早くしろ》《気をつけろ》など、常に言ってないといけないツアーになってしまうとは・・・・。それでも、あくまでマイペースで集合時間をまったく気にしないおっさんに、那智の滝の前で、とうとう私がキレた !。

 で、那智の滝の前で夫婦喧嘩に突入。でも、喧嘩を続行する時間もないので、私は夫に《これからは、バスに乗り遅れようとなにをしようと、わしは知らん!。自分で注意して、何時に戻るのか、そういった情報をゲットしろ!!!!。》と申し伝えた後、観光中は一切口を利かない、面倒みない、夫を視界にもいれない、と、私は誓ったのだった。そのくらい、腸が煮えくり返っていた私だった。

 そして、観光のハイライト、熊野那智大社までの参道を延々と登り、隣の青岸渡寺から、再び那智の滝を私が眺めていた時のことだった。私が仏人3名の引率責任者だと推察したらしい、おみやげ売り場のおばさんが、親切にも、那智の滝が一番きれいに見える場所を教えてくれたので、さっそく、皆に伝えようと思った私。

 ちょうど私のすぐ傍にいたMGには、すぐにその場所を案内。続いて、PDに伝えようとその姿を探してみると、まだ、彼が青岸渡寺の中にいることがわかった。で、夫も隣にいる様子。が、夫には直接伝えたくないし、おまけに、また階段を登って青岸渡寺内にいくのも面倒くさかった私は、寺の下から大声で、

《PDっ!、あとでこっちに降りてきたら、あっち側に滝の絶景ポイントがあるらしいから、行って見てね〜♪》と叫んでみると、寺の中からPDが《わかったよ〜♪》と答えてきた。で、その隣で、妙に焦った顔した夫が見え隠れしたが、軽く無視。

 伝えることは伝えたし、さーてと・・・、ちょっとホッとして絶景ポイントに私自身が向かおうとした時、背後でスゴイ音がした・・・・・・・・。

正確にいえば、誰かが寺の階段から落ちた音・・・・・・。

で、もっと正確にいえば、絶対にそれは、夫・・・・・・・・の、はず・・・・・。


 恐る恐る、振り返ると、皆、今起こったことにビックリして静止状態。すべてを目撃したPDも静止状態だったが、ハッとして夫に駆け寄って《大丈夫?》と、怪我がないかどうかなど夫をいたわり始めた。介抱されている夫自身は、じいっと私を見ている。だから、私もじいっと彼を見る。でも、その視線は決していたわりのものではなく、呆れ返った視線といったほうが正しい。

 夫にゆっくりと近寄っていきながら、ただ夫を見つめ続けると、夫が《寺の下で、自分の妻が騒いでいるから急いで降りようと思ったんだっ !!!!》と、わけのわからんことをほざいてくる。なので、即座に《早く来いとも、なんとも、わたしゃ言ってない!。おまけに、階段から落ちろなんて、頼んだ覚えもないっ !!!!》と、夫に言い放つ。

 幸いにも、会話はフランス語、公衆の面前で夫がこれ以上に恥をかくことはないのだから、せめて言いたいことは言わせてもらおうっ、と思った次第。が、それにしても、だ、かなりの音だったので、目撃者PDに事のいきさつを尋ねてみた・・・・・。

 なぜか、私がPDにかけた言葉に異常に反応して、勝手に焦った夫が、要は階段から足を踏み外したものの、首からは一眼レフデジカメをさげていたため、柔道の転がる技のようにカメラを守りながら、くるくると回りながら夫は階段を落ちていき、最後は、パッと着地成功したという・・・・・(汗)。

 実は、ここ数年、ずうっと夫のことを、とある理由で《にゃんこ先生》と呼んでいる私。そんな私につられて、夫のことをにゃんこ先生と呼ぶ人は年々増えてきているのだが、とうとう、このにゃんこ先生は、青岸渡寺にてあの必殺技『キャット空中3回転』をやってしまった模様・・・・・・・・・・・。

 そっか・・・・・、本当に、あなた、にゃんこ先生だったのね・・・・、と、妙に納得したと同時に、どこまでも想像を越えたことをやらかす夫、で、そんな夫を選んだ自分は一体なんなのか?、と、那智の滝をみながら黄昏れたゼロでした。


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