ゼロの視点
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2007年10月23日(火) 鮭3匹

 新幹線に乗る品川駅に行くまでの、朝の通勤ラッシュ・・・・・・・・。

 毎日、クルマ通勤のPD(45)と、現役の頃はクルマ通勤、今や幸せな定年退職者として、通勤というものからも解放されて久しいMG(77)。某駅で待ち合わせをした私たちは、いざ改札に入り、ホームへ降りようとするのだが、その時に到着した電車から、たくさんの人が降りてきて、改札付近は大変な混雑。

 まさに人の波に、私の後方で、フランス人3名があっという間に飲み込まれていく気配がしたので、振り向くと、そりゃあパ二クった顔して、人の波に逆らうようにして、私のほうへ来ようとしている彼らを発見。鮭の遡上か?。品川に到着する以前の問題で、電車にのる前でこの調子・・・・。

 特に、動きやすいようにリュックを背負えと何度も言ったのにも関わらず、リュックなんぞ格好悪いと私の忠告を無視した、なんちゃってダンディーなMGは、もうここで散々痛い目にあっている。この人ごみの中で、巨大なスーツケースを右手、小さいスーツケースを左手にそれぞれ持ち、それらをスムーズに押して歩くなんてことは、絶対無理。おまけに、エレベーターがあるところまで行き着けないので、手っ取り早くわしら3人は階段を下りることができても、MGは無理。

 足手まといっ!!!!!。

 もう、本当にこれ一言に尽きるっ!!!!!!。

 PDと夫が交互に、MGの大きいスーツケースを運ぶことで、なんとかその場を凌いだものの、本当に先が思いやられる。さて、こうしてすでにヨロヨロになって乗り込んだ電車も、通勤ラッシュゆえ、座れるはずもなく・・・・。とはいえ、すぐに降りそうで、それでいて座席に座っているメンツをすばやく私がチェックして、その前にMGなどを立たせてる。

 すると数駅もすると、その目処をつけた人間が降りていったので、MGはめでたく座れた。それを目の当たりにして、PDが、《ゼロは霊能者か ?!?!?》等と、フランス語で言ってくるので、思わず爆笑。いやいや、そんなことはないんだよ、オッサンら・・・・。誰でも、わかるんだよこんなこと・・・、と言っても、彼らはどうもピンとこない模様・・・。ま、いっか?。

 それにしても、優先座席には若いモノが平然と座っているのが、日本のスゴイところ。この店では、優先席があろうとなかろうと、ちょっとでも年配そうな人をみたら、サッと席を譲るのが普通になのだが、どうも日本はそうでないらしい。ミッシェルなどは、ダンディーとはいえ、シルバーグレイの髪といえばかっこいいが、要するに髪の毛真っ白なのだから、席を譲られて当然ないでたちなわけだ。が、みんな無視。これは、スゴイっ!!!!。

 しばらくして、新宿駅で山手線に乗り換えとなる。が、これまたすごいラッシュにて、完全に鮭3匹は、思うように遡上もできず、みるからに消耗しているように見える。それでも、夫とPDはなんとかなったが、完全にMGの様子がヤバイ・・・・・。とはいえ、そんなMGをかわるがわる自発的に気にかけ、MGのプライドを傷つけることなく、常にフォローに入る、夫とPDのチームプレイは、なかなか見事だったりするから面白い。これが、男同士の美しい師弟愛なのか?!?!?!?。

 山手線のホームにおりると発車間近な電車を発見、それをみて自動スイッチが入ったかのように、私はスウーッとその中に乗り込もうとしていると、背後から夫のどなり声が・・・・。《ゼロっ!!!!、みんなはゼロみたいに電車にのれないんだぞっ !!!!!》とのこと。

 おおおおおっと、こりゃまた、失敬。朝に山手線などを見ると、昔の記憶が蘇ってきて、アグレッシブにも中に乗り込んでいこうとする細胞が騒ぎ出す結果、こうやって自分が鮭3匹引き連れていることも瞬時に忘れてしまうらしい・・・・。そんな自分にちょっとだけビックリ。

 外国人には絶対乗り込むことなんて不可能と見える車両にも、実はコツさえあれば乗り込むことなんていくらでもできるのさ〜♪、等と説明してみたが、とにかく、あそこまで人がはみ出そうなまでの車両に、あえて乗りたくないっ!!!、と私は、鮭3匹にハッキリ釘をさされてしまった・・・(汗)。

 その後、なんとか山手線に4人揃って乗ることが出来、ようやく品川駅に到着。新幹線のホームまで来ると、さっきまでのストレスいっぱいのラッシュの東京とは違って、ゆったりとした空間が・・・。ようやく、のんびり旅ができそうな気分になってきて、MGも少しホッとしたのか、彼の笑顔も復活した♪。

 あとは、乗り換えの名古屋まで、新幹線の中でMGと私はひたすら爆睡。PDと夫は、車窓からの富士山のシャッターチャンスを逃さぬために、ほとんどの時間を通路で過ごしていた・・・(汗)。

 名古屋からはローカル線で、一路、伊勢市駅まで。車内で、名古屋駅であらかじめ購入しておいた駅弁にて各自で昼食。ここでお茶じゃなくて、ビール等、日本人の友人同士での旅だったら飲んだりするのだろうけれど、いかんせんこのメンツじゃなかなか気が抜けないので、冷たい緑茶。ううーん、でも、これがまた好きなんだよなぁ・・・・。

 伊勢市駅に到着すると、その見事なサビレっぷりに、ある意味感動。地方都市によくある現象とはいえ、これはなかなかスゴイ。ドーナツ化現象で、駅前の通りはシャッター通り化している。おまけに、あらゆる電信柱には、巷で色々とお騒がせな《赤福》の広告っ!。

 ホテルは駅から歩いてすぐなはずなのに、駅に到着した途端に、MGが《タクシーを拾おうっ !!!》と騒ぎ出す。あんまりうるさいので、タクシーの運転手に行き先を述べると、運転手に鼻で笑われてしまったが、あらかじめこのやり取りをMGに見せておいたので、彼もこれ以上《タクシー、タクシー》と騒ぐことができずに、私を先頭にして、皆でホテルに向かって歩く。

 そして、あっという間にホテル到着。これじゃ、運転手が笑うはずだよ、というほど駅からすぐ(笑)。荷物を置いて、少し休んだ後、日没が怖い私たちはすぐに伊勢神宮の観光へGO。

 ここでまたまたMGが《タクシー、タクシー》と騒ぎ出したので、先ほどと同じく、MGにタクシーの運転手とのやりとりを見せながら交渉。が、運転手自ら、《ここから外宮まではほんのちょっとなので、歩いていったほうがいいよ》との、お言葉。ゆえに、この時点でかなり疲れきっていたと思われるMGは、またまた頑張って歩かねばならなかった・・・・。

 そして、なんとか私たちは、その日のうちに伊勢神宮の外宮と内宮の両方を参拝することができた。めでたし、めでたし。ちなみに、内宮を参拝し終わった時点で、MGが倒れかけていたのは言うまでもない・・・・・・。


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