ゼロの視点
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2007年09月08日(土) 価値

 夫は、ブランドに全く興味がない。ゆえに、その価値=値段についてもまったく無知なのは言うまでもない。エルメスのオーストリッチのバックは、いくらか?、などと夫に尋ねると、なかなかオリジナルな返答をゲットすることが可能(笑)。

私《ヒント、オーストリッチだからねぇ、決して安くないよ、マジでっ !!!!!》
夫《うーーん、安くないのかぁ・・・、うーーん》
私《本当にバカにならない値段だよ》
夫《そんなに高いの?》
私《で、いくらだと思う?》
夫《うーーん、5万円っ !!!!!》
私《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》

 相対的なものなのだから、夫にとっての真実とは、バックなんてものに5万円も費やせば、そりゃ高すぎるという考えなのだろう・・・・・が、それにしても、エルメスのオーストリッチのバックが5万円だったら、日本人がみなパリに殺到するよ、オッサンっ。

 ま、これと同じで、世間一般でいわれている価値などに疎かったりすると、奇妙な機会にめぐり合うことがある。価値=値段、機能、有名度・・・・・等。世間一般という概念こそが、実に曖昧で、存在しているようで、実は存在すらしないモノでもあるのだろうし、それを得ようとすることも自由だが、それに無関心である自由も確かにある。

 昔、新宿で母と食事をしてたら、隣の席に相撲取り2人が、ものすごい量をの料理を注文して、見事な食べっぷりを披露していた。で、きっと相撲ファンだったら、この相撲取りが誰か?、わかったのだろうが、相撲自体に全然興味のなかった母と私は、《きっと、あれはどこかの部屋のフンドシかつぎだよっ !!!!》等と、ヘタしたら本人に聞こえてたんじゃないか?、という声で話していた。

 そして、翌日NHKのニュースをみていたら、その《ふんどしカツギ》が、あの北の湖だったのがわかり、母としばし仰天。フンドシかつぎが、実は横綱だったとはっ!!!!!!。

 フランスのスパイダーマンの異名をとる、Aとは、とある場所でたまたま一緒になった。ウエスタンな格好をした、ひときわ小柄な彼をみて、私と夫は《なんだこいつ?》と、変なモノにでも出会ったかのように、はじめのうちは対応していた。

 で、そのうち、話題が旅行になった時、彼が世界中あっちこっちにいっていて、日本もいったということになって、色々と質問していた。だんたんと、日本だけじゃなく、拘置所のことも知っていることがわかってきて、《こいつ何者?》と、心の中で不審に思う私達。が、好奇心で、ついつい彼に色々と質問していると、どうやら、壁を登っていくのが得意らしいことがわかる。

 で、スパイダーマン相手に、《本当に登れんの?》、《ホラ吹いてんじゃないの?》と、思いっきり疑ってかかった言葉を、シニカルな笑みをうかべて夫婦で矢継ぎ早に質問(笑)。さすがに、《この俺様のことを知らんのか ?!?!?》と、ムキになってきた彼だった。

 その後、自宅に戻るや否や、夫と2人でネットで彼のことを検索すると、なんと本人っ!!。いやあ、それにしても、本人相手にすごい失礼な言葉をたくさん吐いたものだ・・・・・、特に夫、が・・・(爆)。ま、これが功を奏したのかどうかはわからないが、今でも、たま〜に、彼から電話がかかってきたりする。そして、ニュースで彼を見る度に、ニヤニヤせざるをえない日々。

 さて、先週、ふとしたことで、とあるカップルとホテルのラウンジで会うことになった。彼らの素性は良く知らないままのアポで、指定された場所に到着すると、ハンティング帽を後ろ前に被った小柄な30代前半?、と思える♂と、アラブ系のスリムといえばスリムだが、ちょっと拒食系はいってんじゃないの?、とも思える30そこそこの♀がいた。ストリート系のファッションの彼らは、見かけによらず、どうもすごいリッチなのか?、という疑いが、会話を進めれば進めるほど、浮上してくる。 

 彼らと見かけと、金遣いの印象がどうもマッチしないまま、妙な違和感をかかえつつ会話を続ける。そして、彼らは8月に日本にいたという。宿泊先はパーク○○アットで、英語も日本語も話さない彼らは、どこに出かけるにもタクシーを使ったものの、コミュニケーションは大変だったとのこと。

 それでも、色々と《知り合い》がいたので、彼らと一緒に行ったというレストランの名刺を、彼女のほうが私にみせてくれる。どれも、高級店ばかりで、《どんな感じで経費がでてるのか?》等、個人的に好奇心がむくむく沸きあがってきた。

 とりあえず、用事を終え、夫と2人で《あのハンティング帽を後ろ前に被ったOという男は、何者だ?》という話で盛り上がった。きっと、金持ちのぼんぼんじゃないか?等等。そんな謎は、数日後にアッサリと解けた。彼は、某フィルムのプロモーションで8月に日本にいっていた、映画監督ODだった(笑)。

 日本で彼らを案内した《たくさんの知り合い》とは、プロモーション関係者で、記者会見会場となっていた場所は、彼らが宿泊していたパーク○○アットと、調べてみると色々と点が線になってくる。私が好みそうな映画を作る監督ではないので、全然彼の名前などに気を配ってなかったが、確かに、それなりに売れているだろうから、リッチなのも当たり前かぁ・・・、と、妙に納得。

 それにしても、彼の帽子はトレードマークになっているようで、そんな彼を目の前にして、まったく何も気がつかない、のんきなわしら夫婦をみて、彼は何を思ったのだろうか?。

 とにもかくにも、自分が興味あることだけにしか、エネルギーを費やさない私たちゆえ、定期的にこういう状況に遭遇する。と同時に、今の流行とか、そういった情報に溢れた日本社会に行くと、本当に何もかもわからず、かえって楽しめる。皆が《知るべき》と、いう暗黙のマインドコントロールが見え隠れする情報番組など、怪しいものがたくさんあるが、ま、鑑賞するだけしたとしても、それらに振り回されない自由を、あえて楽しむのも悪くない・・・、と思うゼロでした。


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