ゼロの視点
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2007年08月11日(土) 極端な生活

 某メトロ駅のまん前に、我が家のアパルトマンへの入り口がある。アパルトマン自体は、入り口から少し歩くので、実際には大通りに面しているわけでもなく、意外に静かだったりする。メトロはすぐ、バスもたくさん通っており、フラッと歩いても、どこにもいけたりするゆえに、我が家にはクルマがない。たまにクルマが必要な時は、タクシー、乃至はレンタカーでまかなっている。また、たまに夫の会社のクルマなどを使うこともあるが、いずれにせよ、クルマでパリ市内だけを移動するのは、便利な以上に難儀なことがもれなくついてくるのが常。

 というのも、せっかく目的地に到着しても、駐車できる場所を探すのが難しいからだ。延々と探し、同じ場所をグルグルとまわりながら駐車できそうなスペースを探し続け、それでも、まったくみつからず、どんどん目的地から離れ、やっと見つけた場所は、とんでもない場所で、結局、そこへクルマをとめてから、メトロで目的地へ向かう・・・、なんてことも、十分にありえる。

 そして、我が家の周りも、駐車事情はかなり厳しい。夕食に招いた友人らが、予定時刻の30分以上たっても現れない場合は、たいてい駐車場所を求めて彷徨っている場合が多い。おまけに、パリ市の方針として、街から極力クルマを締め出し、自転車などに代用させていこうとする方針ゆえ、どこもかしこも、マイカー族にとって、これから益々生き辛い状況が続くものと思われる。

 一方、日本の実家は、いわゆる首都圏の閑静なとある住宅街。昭和40年代に開発された住宅街で、数ある最寄り駅からもほどよく遠く(怒)、バスなどもあるけれど、これがなかなか不便で、気がつくと、住民のほとんどがマイカーなしでの生活なんて?!?!?!?、という感じになっている。フランスでも郊外および地方では、クルマなしの生活など想像つかないのと、ほぼ一緒。1軒の家に、クルマが2台3台あることもザラ(おそらく駐車場代などは、きっと大変なのだろうが・・・)。

 近年は、従来以上にホームセンター、大型スーパー、大型衣料店にはじまり、色々な店が競合し、1ヵ月だけの里帰りでは、すべて店を制覇できないほど、栄えている。で、営業時間もフランスとは違って長い(時には24時間営業)ゆえに、夜フラフラ出歩くのが好きな私は、ついついクルマのエンジンかけて、これらの店へ意味もなく立ち寄ってしまい、気がつくと無駄な消費をしていたりする・・・・・・(汗)。また映画も、シネコンが充実していて、レディースデイだの、レイトショーをうまく利用すれば、たくさんの作品を廉価で楽しむことが可能。

 5月の里帰り中に、友人と久しぶりに、突発的に真夜中のドライブを決行した。学生時代の時のように、あて先も決めずに、延々とガソリンを無駄に消費しながら、走り続けていると利根川沿いまできていてしまってビックリ。せっかくだからと、利根川も越え、G馬県まで入り、また延々と暗闇の中を走っていた。そして、再び利根川を越えS玉県に戻ってくると、そこには24時間の西○があった。西○が24時間営業になっていることをはじめて知って、激しく驚いた私は、吸い込まれるようにそこの駐車場にGO、気がついたらカートと持って友人と食料品を物色していた。

 翌日が母の日ということもあって、西○の入り口には様々なカーネーションの花々が、《さぞ、購入しないといけないかのように》陳列されていた。で、ついこのマーケティング効果に、ついつい乗ってしまい、2500円のカーネーションを購入。しかし・・・・・、家を出た時には、まさか自分が、午前3時に、母の日のカーネーションを購入しているとは、夢にも思ってもいなかったのだが・・・・。こんな都心から離れたところで、午前3時だろうがなんだろうが、何でも買い揃えることが可能な日本っ、というのに、あらためて感心してしまった。


で、感心すると同時に、恐怖すらした・・・・・、そう、散財する恐怖・・・・・・っ!!!!!。


 さて、早めのバカンスと称して、6月に2週間ばかりLa Bauleの別荘で過ごしてきた私たち。今回は、パリからレンタカーで下っていったのだが、ほぼ毎日、別荘から、あちこちの大型スーパーだの、大型店舗が競合する地域に繰り出しては、大量の買い物ばかりしていた。あまりにも、こういった状況になれてない二人で、完全に舞い上がったのかはわからないが、食料品ばかりではなく、本、DVDなども充実しており、危険このうえない・・・。そして、後になってやってきた、銀行の引き落とし明細をみていて、驚愕っ。よく、ここまでアホみたいに散財できたな・・・、と唖然としてしまった。

 大量に買い物しても、クルマに積むだけで家に商品を持って得ることが可能な生活に対して、パリでのクルマ無しの生活では、持ち帰れる品数に限度がある。金に限度がある以上に、こちらのほうにすでに限度がある・・・、というわけだ。もちろん、配達してもらえればいいのだろうが、それにしても、郊外型大型スーパーでしか得られない高揚感が発生しないゆえに、そこまで大量に買い物をしたいと思わない。

 というわけで、知らない間に出費を抑えることができているというわけだ・・・。パリの物価はあがるばかりとはいえ、郊外で暮らし始めたら、また違った意味で出費し(クルマの維持費、庭仕事用品の購入等)ことを考えれば、ある意味トントンなのか?、と思えてならない昨今。

 また、パリでの生活だと、とにかく歩く。なので、ダラダラしているようでも、自分の身体を使う率が高いので、最低限の運動量はまかなわれている。が、実家のような生活だと、とにかく歩かないでクルマに頼るので(本当に近所の用事も、なぜかクルマを使っていたりする)、脂肪がつきやすい。おまけに、食料品を大量に購入するのだとしたら、さらにヤバイというわけだ。

 というころで、パリでは都心アパルトマン型、そして実家では郊外一戸建て型の生活という、奇しくも両極端な生活をしている私。今のところ、結局は、どちらの生活にも甲乙つけられず・・・・・・。ここまで便利になってしまうと、実家での生活は、問題点があったとしても、それはそれでなかなか楽しいわけで・・・・。

 それでは、もしこれが、東京都内ど真ん中マンション型とフランス郊外一戸建て型、という条件だったらどうだろう?、と、想像してみたが、マンション型のほうはOKだとしても、フランス郊外の場合は、日本のように整っているわけでもないので、きっと私の性格には、キツイかな・・・・、と、思った、へたれなゼロでした。


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