ゼロの視点
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2007年08月09日(木) 模様替えPart2

 我が家のパソコンのある部屋、つまりは、今、これを書いている部屋は、長年とんでもないところだった。

 どう、とんでもなかったか?、と、いえば、足の踏み場がないほど納戸化していたから。それもただの納戸ではなく、本当にどうやったらパソコンがある窓際までいけるのか?、というほど、モノが溢れていた。そのモノもただ、溢れているのではなく、天井の高さまで溢れていたので、パソコンまで近づくわずかなルートとその景観は、《切り通し》のようだった。

 いつからこうなってしまったのか・・・・?。何度思い出そうとしても、わからない・・・・。ま、そのくらい、長いこと私たちの書斎は、絶望的な状態だった。もちろん、この溢れたモノの95%は、夫のモノ(わたしに言わせればゴミ)なのは、自明なこと。

 夫のことを《尻拭いしない妻》として、有名な私は、夫がゴミを運んでこようが、何をしようが《彼の自由と責任》して、徹底的に関与してこなかった。が・・・・、そんな《彼の自由と責任》が、私の想像を遥かに超越するほどのシロモノだったゆえに、我が家に切り通しができてしまい、その結果、私の《自由》までが侵害されるという事態を招いた。

 さて、人を我が家に招いた場合、まだ、とても親しくなっていない相手の場合には、この書斎のドアは固く閉じられるのが常だった。が、それでも、誰かがドアを簡単に開けちゃったら危険と、取り越し苦労したうちのオッサン、もとい、夫は、ドアに鍵をつけようと思いついた。

 そして、夫専属の何でも屋のように、いつも我が家の日曜大工をやってくれるPLに鍵をつけるにはどうしたら?、と相談したところ、とりあえず鍵の設置ができるドアノブに変える必要があるから、今度彼が我が家に来る時までに、ドアノブを外して、用意しておいてくれ・・・、ということになった。

 
で、さっそく、ドアノブをはずした夫。

で、さっそく、ドアノブをなくした夫。

やっぱり・・・・・、ね・・。


 ということで、鍵をつけて安心じゃなくて、ドアノブすらなくなってしまったドアは、ちょっとしたすきま風で簡単に、開いたり閉まったりするようになってしまった。なので、人を招いた時に、もっとドキドキする状況を、自ら作ってしまった哀れな夫・・・・・・・・・・・。

 玄関のすぐ隣にあるドア。招いた人が帰り支度をしながら、それにお供するように、ドアの前で会話が続くのだが、真面目な話を真面目な人としている最中に、ふわーっ、と、ドアが動き出し、禁断の書斎が見え隠れする・・・・。なかなかスリリングな一瞬だ。あとは、招待客に《見えなかったフリ》をしてもらうくらいしか、対応策はない。

 さて、4月中旬のこと。翌日に日本里帰りを控えていた私。その日の朝、突然夫がキレはじめた。どうも、夫の大切な書類がみつからないとのこと。で、《そんなのいつものことじゃねえか・・》と、馬耳東風でいたところ、今度は私に八つ当たりして、絡んでくる。それでも、適当に受け流していたのだが、最後の捨て台詞として《ゼロは、何にもやらないっ!!!!!。だから、こんなに家が汚くなっちゃったんだ〜っ !!!!!》と、わめきながら出勤していった・・・・・・・・・・・。

 そのとき、私の中で、何かぷッっと切れたと同時に、必殺仕掛け人の音楽が、頭の中で流れ出した。《キサマ・・・・・、上等じゃねえかっ !》

 本来なら帰国準備を優先したかったにもかかわらず、必殺仕掛け人になってしまった私は、何かに取り付かれたように、書斎の一大清掃にとりかかった。それは、ものすごい集中力だった。


みるみるうちに低くなっていく、切り通し。

みるみるうちにふえていく、ゴミ袋の数。

 
 9時半からはじめて、19時まで、ほぼノンストップで片付けた結果、書斎の床がすべて見える状況になったっ♪。意外に、この書斎は、広いのだ・・・、と、数年ぶりに気づいたほど。ただ、まだ、すべてが終わったわけじゃない。《捨てる》という言葉を耳にすると、反射的にその行為を阻止しようとする夫が帰宅する前に、証拠を隠滅しないといけない。

 なので、お次は、せっせとアパルトマン内にあるゴミ置き場と家を、巨大ゴミ袋を両手に何度も往復する。夫が家に近づいている波動を微妙に感じ取って、証拠隠滅するのに焦った私は、ゴミ袋かかえて、すっころんだりもしてしまった・・・、くそっ。そして、なんとか完全犯罪に成功した瞬間に、夫が帰ってきた。ギリギリセーフ。

 家に入った瞬間に固まる夫・・・・・・・・・・・・。言葉もでない様子。自分でこういうことをやり遂げることは不可能ゆえ、想像を超えた事態を目の前にして、身動きがとれていない。ま、とりあえず呼吸はしているようだが(笑)。で、開口一番、


夫《ゼロさぁ・・・・、何を捨てたの?。》

私《何も捨ててないよ、ただ、片付けただけ。》

夫《本当?。》

私《あったりまえじゃん》


 と、しらじらしい会話をしてみた。夫としても、私の言葉をまるっきり信じるわけにはいかなかっただろうが、それ以上に、実際に目の前にある、広いスペースが確保された書斎の効果が、それ以上彼に疑うことをストップさせた模様。が、私が日本に到着した途端、電話してきた夫は、また、


夫《本当に何も捨ててないの?。》

私《わかったよ、本当のことを言うよ、実際には雑誌を10冊だけ捨てたんだよ・・・》

夫《あ、10冊も捨てちゃったの?》

私《10冊ぐらいなら、いいじゃん、別に》


 と、再びしらじらしい会話。しかし、夫は、やはりちょっと抜けているのか?、と思ってしまったゼロでした・・・・。


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