ゼロの視点
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2004年12月09日(木) 失われた時を求めて・7

 母との旅行を終えて、我が実家に戻ってくると、電話が鳴った。受話器を取ると、それは、昔一緒に暮らしていた相手O氏だった。

 別れてからも、友人として交流しているので、電話がかかってくること自体は全然不思議じゃないのだが、なんと、これからコンサートがあるから、来るか?、という誘いだった。

 ま、別に用事のない私は、とりあえず母の分だけ料理をして、そのまま新宿厚生年金へ向かった。以前、O氏とわしは新宿で暮らしていたので、非常になじみあるところ。

 ちょっと出かけるまでに時間がかかってしまったので、私が実際にそこへ到着した時は、ちょうどコンサートが終わってしまったところだったが、暇つぶしに、某アーティストのデマチなんてものをしてみた。

 思い起こせば、このアーティストのコンサートをO氏と一緒にきたのが、1996年。その時も暇つぶしにデマチをして、とりあえず持っていた雑誌『噂の真相』の表紙にサインをしてもらったものだった。他のファンらは、このアーティストのCDなどにサインしてもらっていたのだが、なにぶん、リスペクトも何もない、私は、“サインしてもらってナンボ”なので、手持ちの雑誌を差し出した、というわけだ。

 この世界的に有名なこのアーティストは、差し出された噂の真相に、ちょっと戸惑った様子を示したが、さすがに、皆の手前、断ることもなく、ちゃんとサインをしてくれたものだった。

 で、今回は、噂の真相も廃刊になってしまった現在、私の手元には雑誌も何もなかったので、自分のスケジュール帖を出して、本日12月9日のところに、サインしてもらった(笑)。

 O氏のほうは、コンサート会場で購入したと思われるTシャツにサインしてもらっていたようだった。

 コンサートの後は、またまたなじみの居酒屋へ。O氏が奢ってくれるというので、遠慮なく、ワインのみまくる私。実にセコイ。

 O氏もかなり仕事で忙しいらしく、それなりの社会的責任もあり、ずいぶん丸くなったなぁ・・・、とニタニタしてしまう。

 ま、いずれにしても、飲みながら、互いに心の中で、“ああ、こいつと一緒にならなくてよかった”と思っていたに違いない(笑)。

 お互い全然違うので、こうやって友人としてなら、逆に面白いが、一緒に暮らすということ自体が、やはり困難でしかなかったんだろうなぁ、としか思えない。ま、若気の至りといったところか。

 と同時に、なんで、わしはフランスであの夫と暮らしてるんだと問われれば、答えられなかったりするから、また妙に笑えるのだが・・・。


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