ゼロの視点
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2004年10月06日(水) ガーフィールド

 先日、夜中に咳が止まらなくなって、起きてしまった。で、しょうがないので、フラフラとパソコンの前に座り、暇を持て余すように、日本にいる親友M嬢に電話。

 M嬢はちょうど長男を幼稚園に送り出した後で、次男が遊びつかれて寝入ったところだった。ゆえに、長電話。

 M嬢は、3人姉妹の末っ子。で、彼女の夫は、日本犬のような長男。イライラしたりすると、逆毛を立てて逆ギレしたりするタイプでもある。で、そう簡単に尻尾もふらない、日本犬の雄。

 あーーら、かわいいっ、なんていい気になって、声もださないで構えている日本犬に手を出し、あとちょっとで触れることも可能かな?、なんて時に、“ガルルルルっ!!!”と威嚇するタイプともいえる。

 で、M嬢が若いときには、彼女の家に柴犬の雄がいたのだが、それがどことなく、彼女の夫に似ていたりするので、よく2人でこの話題にて盛り上がる。

 それに対して、昨年の9月にとうとう天国へ旅立ってしまった私の愛犬・マルチンは、どうみても洋犬の混ざった雑種の雌ゆえ、その行動は、M嬢の愛犬とは、笑えるほど違っていた。

 そんなM嬢も日本犬のような夫との間に、新たな雄二匹を設け、女1人で男3人を指揮しているわけ、だ。

 女性が強い家庭に育ち、気がついたら彼女の周りにはオトコだらけ、というわけゆえ、彼女なりの男女比較論が、非常に私を勇気づけてくれることが多々ある。

 私が里帰りする旅に、M嬢の息子達と遊ぶのだが、やっぱり私の知っているいわゆる雌達との挙動・言動は、本当に違うから面白い。

 それプラス、彼らと遊んでいると、なぜか不思議なことに我が夫のことも理解しやすくなってくるから、笑える。

 M嬢曰く、“今さらだけど、日本犬のオス犬を飼っていたことが役に立った”というのにも、頷ける。

 理由もなく、発作的に行動するような時、そして、その行動ゆえにどうしようもない結果になって、母親が“どうしてこんなことするのっと!!!!”と後になって叱っても、なんにもならないような感覚を、M嬢は日常茶飯事のように感じているとのこと。

 で、息子達の弁明は、“だってやっちゃったんだもん・・・”というだけ。最初の頃、M嬢は腰砕けの毎日だったそうだ。が、私も息子を産んだ覚えはないが、私よりも年上の夫が、“だってやっちゃったんだもん”という言い訳をするので、M嬢のいう“腰砕け感覚”というのが痛いほどわかる。

 で、当然、M嬢も私も同じように、“だってやっちゃったんだもん”という言葉にカチンときて、“だから、そうならないように注意してたでしょっ!!”等とお決まりの文句を付け足すと、もう大変。M嬢のオトコどもは荒れる荒れる。で、我が家も同じで、一家の主として君臨したくてしょうがない、夫が荒れる荒れる・・・・、というわけ、だ。

 よく犬の育て方の本に、“いたずらをした瞬間に叱れ”というのがあるが、それはM嬢のオトコたちと、我が夫に関して言えば、本当だったりする。

 逆に言えば、いたずら=わしらにとって不快なこと、をして、しばらくたってから彼らに注意しても、逆ギレされて、こっちがグチグチ言っている嫌な女扱いされるのがオチ、というわけだ・・・・。

 我が夫は、非日本人だが、犬のタイプとしても洋犬タイプなのだが、やっぱり本質は雄。ゆえに、平気で赤の他人に腹をだしたり、尻尾を振るだけじゃなく、尻から振ってしまうタイプであっても、逆ギレする時はするのだ。

 こうやって特定の男性を犬に例えていけば、猫との違いをあげないわけにはいかない(笑)。

 猫と一般的に比較すると、犬のほうが大いに単純な気がしてならない私。犬は、嬉しいときには、誰にもわかるように嬉しがるし、寂しい時には、また単純にいじけたりする。

 それに対して、猫にはもうちょっと婉曲的な表現があるように思われる。

 ま、そんなことから、一般的に女性が猫に例えられることが多いのだ・・・、と妙に納得してならない、風邪でひきこもりの私。

 私自身は、猫を飼ったことがないのだが、パリに住んで以来、猫を飼っている人間に知り合うことがあまりにも多く、その度に、それぞれの猫の日常生活を観察させてもらっているのだが、これが実に私にとって魅力的でもあったりする。

 自分以外の存在はどこ吹く風、というような態度を平気でとったり、それでいて、自分の利益もちゃんと計算して、甘えられる人にはちゃっかり甘えたりする猫。が、決して誰にでも懐くわけではないから、面白い。

 まるで、“私は私”と生きている猫たち。



 さて、こんなことを考えていた私だったが、風邪ということもあって、いつも以上にマイペース&怠惰にこの一週間を過ごしていた私。そんな私の姿を見て、夫が私のことを“ガーフィールド”と何度が呼んだ。

 確かに、ずうっと前から、私のことを夫がこうやって呼ぶのは知っていたが、気にもとめてなかったので、つい最近までガーフィールドの存在すら知らなかった私。

 で、とうとう始めて気になって、“ガーフィールド”って何?、と夫に尋ねると、毎日メトロの駅で無料で配られている新聞に掲載されている“ガーフィールド”の漫画を私に夫が見せてきた。

 夫は、いつか私が訪ねてくることを期待して、随分前から、私を彷彿させるような話の時の漫画を、こまめにスクラップしていたこと自体に、まず唖然とし、そのスクラップを読んでいくうちに、ますます唖然・・・・。

 そこには、非常に皮肉屋でふてぶてしいガーフィールドという猫の姿が、描かれていた・・・・・・・・っ。

 ガーフィールドの趣味は、食べることと寝ること・・・。そして、唯一の仕事と推測される“ねずみ取り”も、やったふりして、ごまかしたりしているのが常。

 で、飼い主のことも冷ややかに観察していて、決してガーフィールドは従順とはいえない。

 さんざん、M嬢と一緒に長年、夫連中を犬と比較して、単純だの、アホだのと憂さを晴らした後で、今度は、夫が私を長年ガーフィールドと比較して、スクラップしていたことに、悔しくも一本とられた気がした。くそうっ。

 夫の思う壺で、もっと私がガーフィールドのことを知りたくなってしまったので、一日中、ガーフィールドの公式サイトにアクセスして、過去の作品を読み耽ってしまったゼロでした。

 妙に、裸をみられるより、また、どんなモノを見られるより、こっ恥ずかしい感じになったのは、何故なんだろう・・・・、と、咳をしながら夜が深けていった・・・・・。


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