ゼロの視点
DiaryINDEXpastwill


2004年09月18日(土) 金縛り

 昨日の晩から、La Bauleの別荘にきている。

 レンヌ経由で、姑の家に立ち寄り、そこでランチをしてから、姑のクルマを奪って、昨日の夕暮れ時にLa Bauleに到着。今回は、T氏も同行、我が姑殿と初対面。

 噂には常々聞いていた我が姑どのの“神々しいお姿”を目の当たりにしたT氏は、“これが81歳とは思えない・・・”と、うわごとのように呟いていた。ま、想像を絶するほど、エネルギッシュな(いい意味でも悪い意味でも)彼女に、T氏は本当に驚いていたようである。

 姑宅に、今は亡き舅の写真があった。その姿は、わしの夫と瓜二つ。これにも激しく驚いていたT氏。

 遠くからみると、夫は自分の父親とソックリだが、よーーーく見ると、目が母、つまりは姑似なんだよ、おまけに、性格もーーーーっ、等と、T氏に説明。



 そんなことがあったからかどうかはしらないが、本日の朝、T氏がとあることを朝食中にわしらに尋ねてきた。

T氏「〇〇(夫の名)と、お父さんの声って似てたの?」

夫「うん、すごく似ていたよ。たまに、昔のヴィデオなどを見ていると、自分でもビックリするし、今でも、自分の声を留守電で聞くと、“あれ、とーちゃんか?!?!?!”って思うこともよくあるよ。」

ということだった。

 でも、なんでこのようなことをT氏はわしらに尋ねてくるのだろうか?!?!?!。ひとしきり、声のことについて3人で談笑したあとに、しばしの沈黙。

そして、突然、T氏が低い声で話し始めた。

T氏「昨日の夜12時過ぎ、〇〇は廊下を歩いていた?。」

夫「歩いてないよ。」

T氏「・・・・・、昨日、実は金縛りにあってんねん・・・」

私「金縛りーーーーっ?!?!?!、この家で?!?!?!」

T氏「うん、そうなん。で、嫌やなーーー、っと思ってたら、耳元で〇〇の声が長いこと、それも大きく聞こえてんねん。」

私「・・・・、(鳥肌立ちながら)、それで、それで?!?!」

T氏「普段金縛りにあうと、怖いって思うねんけど、とはいえ声があまりにも〇〇にソックリだったから、声が聞こえ出した瞬間から怖くはなくなった・・」

私「・・・・」

T氏「で、そのうち、その声と話し出して、気がついたら、フランス語でアンシャンテ(はじめまして)、なんて自分で喋ってんねん・・・。でも、相手がどんどんフランス語で話し掛けてくるから、最後には、日本語で“いつもお世話になってます”とか、お礼まで言っててん・・・。で、そのあとしばらくしたら、階段を誰かが下りていく音が、確かにしてんねん・・・」

 ということだった・・・・・・・。



 私は、ここで堪えきれなくなって、噴き出すように大爆笑。これは怖い話なのか?!?!?!。金縛りにあってまでも、丁寧に挨拶をするT氏。さて、その相手とは?。

 T氏曰く、それは今思えば夫の父だったのでは?、ということだ。

 ちなみに、T氏が寝ていた部屋は、日本でいう2階。夫の両親が利用していた部屋は1階ゆえ、舅がT氏の寝起きを襲って、挨拶したあとに、自分の部屋に戻っていったと考えることもできるわけだ。

 確かに、T氏は日本語でいう“霊感の強いタイプ”であり、墓場などにいくと、何かにとりつかれて、後になって体調が悪くなる、ということが度々あるらしい。

 が、今回は、これが本当に亡き舅との出会いだったかどうかは別としても、金縛りにあったことを除けば、T氏にとって全然怖いことでもなく、あとになって気分が悪くなる云々、という症状もないそうである。

 で、この話を全部訳して夫に伝えると、夫も大爆笑。夫は、“大丈夫だよ、たとえ幽霊が出たとしても、うちの一家の人間だから、みんなお人よしなんだし、さ・・・”、ということだった。

 それに加えて、夫は“ママンはまだ生きているけれど、彼女が幽霊になったら、耳元でまた愚痴だのいうだろうから、それがある意味で怖いだろうけど、ね”ということだった。

 うーーん、確かに、これはちょっと手強そうだな・・・、と思ったゼロでした。


Zero |BBSHomePage

My追加