ゼロの視点
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2004年08月07日(土) 太陽がいっぱい

 値段も、サービスも、雰囲気も、何もかもが私たちのお気に入り、というホテルを見つけたというのに、そこを立ち去らなくてはならないという矛盾に苦しみながら、チェックアウト・・・・。

 Ajaccioに到着して、私はE&Mカップルとの待ち合わせ場所になっているカフェへ直行。夫はその間にレンタカーを返しに行く。

 昼過ぎに、ようやくE&Mカップルとその2人の娘達、J(12歳)とM(9歳)がカフェに現れる。さあ、いよいよこれから、第一部のクルマの旅が終わり、第2部の船の旅が始まるのだ。

 遊覧船だの、フェリーだの経験はあるが、10日間もひたすら船を中心にしての旅というのは、私にとってはよくわからない。ただ、流されてみましょう・・・・、という感じ、だ。

 Eから、さんざん荷物は極力少なくしてやってきてくれ・・・、といわれていたのに対し、絶対に少ない荷物で旅行のできない夫。そんな夫の荷物をみて、Eは一瞬絶句していたが、ここまできて荷物を捨てるわけにも行かず、そのままゴムボードに積まれることになった。

 本来なら、ゴムボートに全員が乗り込んで、ヨットにたどり着けるはずだったのに、わしらの荷物のおかげで、Eはヨットと港の間をゴムボードで3往復するはめになってしまった・・・・(汗)。

 
 ヨットに乗り込んでからは、Eからの“ヨット生活”での注意事項や、基本事項などの説明を受ける。たくさんのロープなどの扱い方などは、一度聞いただけじゃ覚えられん(汗)。

 Eが“どんなロープでも決して船の下、つまりは海の中にダラダラとたらしたままにならないように注意すること”と言われる。そうじゃないと、公開中に船の下で紐が絡まる可能性があるからだ。

 この説明を聞いたとき、ふと映画『太陽がいっぱい』を思い出した。まさしくこの映画では、捨てたはずの死体を結んだロープが、船底のスクリューに絡まっていたために、アラン・ドロンの完全犯罪がオジャンになるというもの。

 また、航海中はヨットの後ろにゴムボードをつけたまま進むことが多いのだが、そういえば、この映画ではアラン・ドロンが、モーリス・ロネのいじめで木製ボート(この当時はゴムボードではなかった)に放置プレイを食らうシーンなども、思い出す。

 ここに放置されて、おまけにうとうとと眠っちゃったら、さすがに日焼けしすぎて火傷になるよなあ・・・・・。

 ふーん、なーるほど・・・、等と、ひとりで映画で白昼夢。また、同じように船の中での傑作映画で、ロマン・ポランスキー監督の『水の中のナイフ』等も思い出す。

 こんな感じで、実際にヨットにのって航海がはじまると、ただスクリーンで見ただけの様々なヨット・シーンなどが、ある意味リアルに理解できて楽しいものだ。

 E&Mカップルは知り合ってすでに15年以上。2人の娘もいて、一見幸せそうなカップルでもあるのだが、実は昨年までの数年間、完全に別居していた。結婚していたわけではないので、離婚とはいえないが、ま、ほぼ離婚状態。

 が、昨年の末あたりから急速に2人の仲が修復されていって、今は生まれ変わったかのように2人でラブラブになっている。

 ゆえに、きっと家族4人だけでクルージングを楽しむことも可能だっただろうに、そこにわしら夫婦を招くという冒険に出たE。

 映画『水の中のナイフ』では、一組の倦怠期を迎えた夫婦のところに、1人の青年が混ざって、そこから色々な心理ゲームが繰り広げられるのに対し、今回は、わしら夫婦、そして彼らの子供達という6人でのクルージング。

 下界から遮断されたヨットの中で、いったいどんなことが起こるのか?!?!?!。

 ま、きっとたいしたことも起こらんのだろうが(笑)。


 
 夜は、おとといクルマで訪れたles Calanques de Pianaの脇にヨットを泊めて就寝。断崖の上から見た海と、海からみあげる断崖。なかなか面白いものだ。


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