ゼロの視点
DiaryINDEXpastwill


2004年08月01日(日) イエス・キリスト

 本日は移動日、CalviからCorteへ。

 でも、移動日だからといって、朝早くから行動しないのが常。やっぱり気づいたらテラスで時間ギリギリまで朝食。他の宿泊客らは、パンの追加やコーヒーや紅茶、ジャムやバターのお代わりはしてなかったようだが、わしらはどんどんする。“もしかしたら、勘定追加されるか?”と冷や冷やしながら、でもやめない(笑)。

 無謀にお代わりしたたくさんのジャムは、私たちのバックの中へ即座に消える。恐らくこうやって旅行している間に、たくさんのジャムコレクションとなることだろう。そして、1週間後のクルージングの際の朝食用として、これらが生かされることになるはず。

 ホテルをチェックアウトする時に、幸いなことに朝食お代わり代はついてなかったが、またまた“不可思議な追加物”を発見。頼んでもないのに、ウイスキー代がついてたのだ。なので、またやんわりと苦情を言って、取り消してもらった。

 近所のスーパーでまた食糧を買い込んで、いよいよ出発。ひたすら細い山道経由でのCorteまでの旅が始まった。

 景観の美しさは、言葉での形容は不可能。それほどまでに素晴らしかった。おしゃべりな夫も、ひたすら無言で感動(笑)。

 しかし、景観に見惚れていると、イタリア人にも優るとも劣らない“驚異的”な運転技術なコルシカ人が、平気でセンターラインを超えて猛スピードで突っ込んでくる。コーナリングの巧みさとか、そういったレベルじゃない無簿運転そのもの。道幅から考えて、極力事故を避けるには、自分で自分を守るしかないわけであり・・・・。

 こんな私は、昔はスピード狂。特にコーナーリングについてはかなり経験を積んでいる。が、フランスではあえて免許は取得してない。パリの生活ではクルマは必要ないし、もし免許があったら、なんだかんだと色々と使われるかもしれないから。とはいえ、縦列駐車などでかなり難しい場所に止める時などは、私が無免許ながら夫の運転を代行したりすることもある。

 ゆえに、今回の旅行も夫が運転手。が、山道になればなるほど、夫の運転に口出ししたくなってくる自分がいたりして、それに葛藤する。

 ブレーキとアクセルのタイミングをちょっとずらせば、もっと早く、それも安全にコーナーを抜けられるのに・・・・、とか、小姑のように囁いてしまいそうな自分。で、もし事故った時のことも考えても、自分側が絶対にセンターラインを超えてない限り、かなり有利になるから、これも考慮して、すばやく山道を夫に走ってもらいたいのだが、ま、しょうがない(汗)。

 夫の運転がどうのこうの、というより、私があまりにもマニアックなだけなのだから・・・・。

 

 さて、腹も相当減ってきた午後3時頃、Belgodèreという小さな町にクルマを停めてみた。一応、無駄遣いしないために食糧を購入しておいたはずなのに、教会脇にある軽食屋の、気持ちよさそうなテラス席を見た途端、店に入っていた(汗)。うーーん、相変わらず意志が弱いぞ、わしらっ。

 ボリューム満天サラダを頬張りながら、原住民と思われるボーイと色々と話す。

 パリを出るときから、決めていたのだが、とにかくコルシカ人はパリジャンに対していい印象をもってないらしいとのこと。なので、コルシカ人に出会って、どこに住んでいるのか?、と言われたら、夫はブルターニュ人、私は日本人であり、日銭を稼ぐためにパリに住んでいるが、パリなんてのはとうてい人の住むところじゃないっ、と言うように心がけるてみようと、いうこと。

 ま、ある意味お遊びで、ある意味真面目なわしらの決定事項だったのだが、これを、ここのボーイとの会話でさっそく使ってみる。おまけに、日本人的誉め殺し作戦で、夫がブルターニュは雨ばかりだが、コルシカはなんて素晴らしいところだっ、云々などを連発する。

 するとボーイもどんどんと観光名所ポイントなどを、教えてくれる。なかなか使えるな、この作戦(笑)。みなさんもお試しアレ。



 エネルギーを補給した後は、Belgodèreの町をフラフラと歩いてみる。ひたすら足元の悪い道を登っていくと、見晴らしのよい高台に出た。そして、そこには、真っ白なイエス・キリストの彫像が、この地方一帯を360度見渡すように立っていた。

 ここで私たちは、しばし大爆笑。

 というのも、今朝、夫が奇妙な夢を見たからだ。

 夢の中で、夫はビーチにいた。そこに1人の若者がやってきた。彼は自分が誰だと名乗らなかったが、夫は彼がイエス・キリストだとすぐにわかった。

 夫は冗談半分で、イエス・キリストに“一緒に太極拳でもやらないか?”と誘うと、イエス・キリストは即座にやる気まんまんで“やりたいっ”と答える。夫は心の中で、“イエーっ、この世の中で太極拳をやる人間は五万といるが、イエス・キリストと一緒にやったことのある人間は俺だけだっ”と喜びまくった。

 で、そんな中、私が“太極拳やる前に、まず一服したい”と夫に申し出る。夫は、“また、とりあえず一服かよっ”と内心非常にイライラする。するとどうだろう、イエス・キリストが“わたしも、とりあえずゼロと一緒に一服したい”と申し出てきたという。

 夫は“イエス・キリストまで、とりあえず一服かよーーーっ!!”と怒ったところで、彼の夢は終わったそうだ。



 こんな夢をみたあと、まさか突然イエス・キリストの奇妙な彫像をこんなところで発見するとは思ってなかった私たち。もう、笑うしかなかった。で、夫には、この彫像の隣で太極拳をしてもらい、私は、タバコを吸ってみた。

 しかし、本当にここからの見晴らしは素晴らしかった。


 日没間際に、ようやくCorteへ到着。Calviのホテルとは打って変わって、ここでは値段も半額以下のところをあらかじめ予約しておいたのだが、これが大正解。すごく過ごしやすいところだった。

 めでたし、めでたし。


Zero |BBSHomePage

My追加