ゼロの視点
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本日から8月18日までバカンス。とりあえず手元にあるのは、コルシカ島はCalviまでの片道航空券のみ。8月18日にどうやってパリに戻ってくるのかは、まだ全く決めていない。
我が家恒例の、出発前のドタバタ。今回の飛行機はオルリー空港からなので、そこにとりあえず到着するまでが勝負。なせ、毎回慌てて、まるで夜逃げでもするように出発するのだろうか・・・・?!?!?!。わからん。
今回は本当にたくさんの雑事が重なり、夫婦2人でまた30枚くらいの皿を同時に回しているような生活だったので、無事に午前10時までに空港に到着できた時には、マジでホッとした。
おまけに、エー〇フランスのカウンターのねーちゃんに、ふたりでおべっかを言ったら、予定より一便早い飛行機を用意してくれ、一刻でも早くパリを離れたかった夫は大喜び。
待つこともなく、チェックインしてさっさと搭乗ゲートに進める爽快さ。同じ便に修道僧を発見。夫と2人で“あれは本物か?”に始まり、“修道僧もバカンスか?”“修道僧はどうやって海水浴するのか?”としばし議論。ま、暇つぶしなんだが・・・。
飛行機の席につくなり、早起きして作っておいた照り焼きバーガーをほおばる。空腹そうな人の前で、うまいものを食べる優越感。あとは、1時間45分シートに座っているだけで、わしらはコルシカーーーーっ。
Calviの小さな空港に降り立つと、そこは真夏。太陽と海を欲して、発狂寸前だった夫は、満面の笑み。 昨年の夏は、バカンスにも出かけずパリに居残っていた私たち。私は例の猛暑の中、ひたすら仕事をし、夫の相手もせず、一日中パソコンの前で過ごした。暑さと仕事のストレスでイライラする私と、当時会社で痛めつけられていた夫のストレスが狭い家の中で炸裂した日々。
“昨年のような夏は、もう二度と味わいたくないっ!!”という夫の恨みつらみが、私たちをコルシカに連れてきたといっても過言ではない。
ところで、Calviの空港から市街地までの交通手段はタクシーのみ。“キミ達観光客には選択肢なんてないんだぜ”という感じで、横柄なツラで並んでいるタクシーの運転手達。うーーん、ぼったクリな匂い。
私たちの前に並んでいた家族は、信じられないほどのトランクを抱えていた。引越しか?、というほど。そして、その荷物をすべて運びきれないと、一人の女性タクシードライバーが客に断りを入れて、少し大きめのタクシーの運転手にこの一家をまわす。
するとどうだろう、何が不満なのかわからないが、この大きめなタクシーの運転手がいきなり怒鳴り始めた。あまりにも唐突だったので、不覚にも私は噴出して笑い出してしまうところだった。
この運転手は、ひたすら大きな声で叫んでいる。さすがコルシカ人?!?!?!、等と夫とひそひそと話しながら、野次馬根性丸出しでその様を眺める。
とはいっても、ここでオヤジの怒りを鑑賞していても時間の無駄なので、先の女性ドライバーのタクシーに乗り込む。そして、色々と彼女にさりげなくインタビュー。
島国根性とはよくいったものだが、フランス大陸に住む人から見ると、コルシカ島の人々が、よそ者を激しく排除する傾向があることは、なにかにつけて話題になる。
で、この女性ドライバーも大陸出身者。コルシカに移住して10年とのことだった。すかさず、よそ者として生き難いことはあるか?、と質問すると、彼女のクチが実に滑らかにまわり出す。ほほうっ、やっぱり、か?。
さっき、突然怒り狂い出したタクシードライバーは、コルシカ人。おまけに、タクシー連盟のボス的存在らしく、コルシカ人だけで結束しており、大陸出身者とは普段はクチもきかないとのこと。
とはいえ、彼に逆らうとあとでどんな目に遭うかもわからないので、あくまで“さわらぬ神に祟りなし”的に振舞っているのが現状らしい。
確かに、一部のコルシカ人らの色々な意味での結束力→他者排斥というのは、時に常軌を逸しているような点もしばしばあるわけであり、彼女の言葉もある意味本当なのだろう。
でもね、女性ドライバーさんよ、大陸出身だろうがコルシカ人だろうが、たった数キロの距離で14ユーロってのは、高すぎねーか?!?!?!。
昨年の異常な猛暑の影響で、涼しいところでバカンスを今年は過ごしたいという人が増えたという理由と、テロの危険、そして、観光客をバカにしたかのように高いコルシカの物価などが重なり、今年のコルシカは30%強の観光客減。
こんなにどんどん値段を吊り上げていくと、どんどん観光収入が減るぞっ、と言ってやりたいところだが、そこまでコルシカ人を強気にさせるほど、やっぱりコルシカは美しい島だった・・・・、くやしいっ(笑)。
ホテルに到着して、さっそく水着に着替えてビーチへ。ブルターニュの冷たい海に慣れすぎてしまっている私たちにとって、Calviの海水の暖かさは、驚異的。突然飛び込んでも、心臓麻痺を起こしそうな心配はない。
透き通る海水。 頭上に広がる青い空。
パリから飛行機でたったの1時間45分。
ああ、くせになりそうだぜ、コルシカよ・・・・・。
しかし、日に焼けた人が溢れかえるビーチで、ひとり妙に白い夫の姿が実に笑えた。彼がどんなに遠くまで泳いでいっても、その背中の白さで、双眼鏡なしで夫を発見できるのはありがたい(笑)。
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