ゼロの視点
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2004年06月27日(日) 格闘技

 朝、目が覚めると、夫が“クロワッサンでも買ってこようか?”と妙に優しい声で尋ねてくる。

 しかし、一瞬身構える私。というのも、妙に優しい夫の提言をムゲにすればそこで喧嘩、じゃなければ、それに甘んじた後、夫が求めるほど私が優しくないとそこでまた喧嘩と、八方塞りな展開を想像してしまったから。

 とはいえ、ま、今回はお願いしてみようと、OUIと答えてみる。もう、こうなると賭けの世界だ。

 夫は、いそいそと出かける用意をして、いなくなった。そして、戻ってきた彼の手には、花束がっ!!!!!!!!!!!!。


 出たっ、フランスオトコの花束作戦。


 ありがとうっ、と言いながら、未だ女優になりきれない私は、満面の笑みではなく、半面の笑みでなんとか状況を回避。

 とはいえ、夫の顔を見ていると、里帰り中にことごとく私のカンに触るようなことをしたことが完全に払拭できないでいる私ゆえ、何かスッキリしない。なので、夫には、なんで“喜んでくれないの?”という反応を益々引き起こさせる。

 鬱陶しいなあ・・・・、なんてクチにしたら、喧嘩勃発は間違いなし。ここはまた、ひとつ大人になろうと抑えて、表面的には楽しいブランチになるはずだった。

 が、そんな妻の様子を察して、最初は妙に優しい言葉をかけてくる夫だったが、何かが夫を不安にさせるらしく、だんだん夫が私のカンに触るようなことを言ってくる。

 ああ、この挑発に乗ってはいけない、と思いつつ、気がついたら、乗っていた・・・・・。時、すでに遅し。クそっ。


 こんなにまでして避けたかった喧嘩に突入。

 確かに、自他共に認めなければいけない、私の毒舌。毒舌というより、スイッチが入ると本当に論破してしまう性格なのでこれが夫を益々逆上させる。で、それに対抗して、夫がもうわけのわからない罵詈雑言を私に浴びせる。そして、また私がそれに対抗して、いかに夫の発言に根拠がないか?、を全部証明してしまう。時には図解説明もするから、厄介だ(汗)。


 私は、知っている・・・・・。こういう理詰めは男性には耐えられないことを・・・・。やればやるほど、男性は自己嫌悪に襲われ、逃げ道がないゆえますます爆発していくのだ。が、もうボタンは押されてしまった。

 売り言葉に買い言葉、もうグチャグチャ。一ヵ月半分の憂さを互いに晴らしているともいえる。


 そして、とうとう言葉だけに終わらず、取っ組み合いに発展した。これは始めての展開だ。逃げ道のない夫は、文字通り逃げようとする。さんざん、私に質問しておいて、それを私が完全に解答しきると、バツが悪くなったのか出かけようとするのだ。
 
 ズルイぞ、じじいっ。

 本日、喧嘩を吹っかけてきたのはじじいだってこと忘れたかっ?!?!。

 というわけで、今までだったらそこでオシマイにしておいたが、今回は玄関を封鎖してみた。すると夫が私を押しのけようとする。そして、玄関のドアの前で取っ組み合いが始まる。


 柔道をはじめ、太極拳の選手権では台湾で準優勝している夫。相手の力を利用して、吹っ飛ばす術には非常に長けている。また、強烈に足腰が強いゆえ、ちょっとやそっとのことでは、彼のバランスを崩すことはできない。

 が、こんな夫になんだかんだと武道のコツや、訓練を受けてきた私ゆえ、予想以上に実力がついていたりする。

 スポーツなどを観戦していると、男性社会では、議論よりも、先に手足が出る場面に遭遇するが、とうとう我が家もこうなったようだ。もう、無言で2人で取っ組み合い。何度も投げ飛ばされたが、私も夫を抑えかえす。夫は夫で私を組み伏せようとするが、合気道的技術で、それをスルスルと交わす私。とにかく5秒も互いに組み伏せられない攻防戦が続く。


 夫は内心、“おぬし、なかなかできるな・・・”と思ったはずだ(笑)。

 
 奇妙なことに、お互い俄か武道家になったつもりか、殴る蹴るという技は使わない。ここでぶん殴れば勝つなぁ・・・・、と何度かヤバイ考えがアタマを掠めるが、それをやらないから武道家?!?!?!。

 最後にとうとう、夫に身体ごと持ち上げられて、私はソファーに吹っ飛ばされた。で、苦し紛れに、私が夫の肩に噛み付いて、とりあえず休戦。とにかく、夫は逃げることが出来なかった。

 ここまで来ると、双方息切れして議論にならない。そして、ボソボソと夫が本音を話し出し、急速的に仲直りをしてしまった。本当にわけのわからない展開だ・・・・。

 家政婦を雇って、きれいになっている我が家。だが、ランプがつかない。なぜなら、ランプが切れたので、その換えを購入しようと夫の魔法のポケットに入れた瞬間、そこかへ消えてしまったからだ。それ以後、どんな電球を買っていいのか検討がつかず、そのままに放置されていたらしく、死闘の後、仲直りした私たちの食卓には、蝋燭が灯っていた・・・・・。


 戦時中か?。





 夫婦喧嘩は犬も食わない・・・・・。

 まさにその通りだと思ったゼロでした。



追伸・今気がつきましたが、100000ヒットしてました。
これも、皆様のおかげです。
ありがとうございましたっ!!!。


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