ゼロの視点
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到着後の一件で、非常にアタマに血がのぼってしまった私は、自宅に戻ったというのに、全然眠れなかった。6月24日からまともに寝てないというのに・・・・。
早朝、夫はノルマンディに出かけていった。以前からこれに誘われていたが、あらかじめ断っておいてよかった・・・、と、つくづく思った。とりあえず、本日は、ひとりでゆっくり精神的にも、肉体的にも休めるはずなのだが・・・・。
友人Sに電話すると、本日パリ5区の教会にてコンサートをやるという。だが、まだ本当にそれが実現できるかどうかわからないとも言う。さすがフランス人。当日の昼になっても、予定がたたないのがフランス。ああ、フランスに戻ってきたんだ、私・・・・、と、妙に笑えた。
そして、午後になって、再びSより電話。どうやらコンサートが確定したらしい。ついては、Sの友人プロ・ピアニストがリストやスクリャービンを弾いて、それに合わせてコラボレーションとして、Sが画家で即興的にその場で作品を仕上げるというプログラムだった。
そりゃ面白いっ!!、ということで、すぐ行くことにした。
でかける寸前に、昨日の夫婦喧嘩の証人にもなっているT氏から、“陣中見舞い”の電話がかかってきたので、もしよかったら一緒にコンサートに行くか?、と尋ねると、行きたいということで、最寄駅で待ち合わせ。
会場である教会に着くと、さすがに突然の企画だったため、あまり観客はいなかった。入場料は当初5ユーロと聞かされていたのに、実際には10ユーロだったので、またまたゴネたくなったが、ま、いいやとちょっと大人(もしくは日本人モード)の私。
ピアノの脇に、神妙な顔で座っているSを発見。なんか笑ってしまう。
それにしても、Sの友人というピアニストの女性は、ものすごくエネルギッシュな演奏を披露。圧巻。外見は、ちょっと太めなジャニス・ジョップリンといった感じ。音を聴けば確かにクラシック音楽だが、まるでロックコンサートかなにかのようだった。
そして、S以外では、サックス奏者が参加。スクリャービンの非常に難解な曲をピアノとのアンサンブルで披露。ダイナミックなピアノと、繊細で官能的なサックスは、まさしくエロティズムそのもの。実に楽しい。
人の少ないコンサートの特典で、演奏後は、関係者や演奏家などと歓談。サックス奏者とは、かなり意気投合して議論にもハナが咲いた。こういうことをやっていると、悩みもなにもすべて吹き飛ぶからいいっ。
ついでに、私と同行した友人T氏の営業もしてみた。実はT氏は写真家。できればパリで仕事をしたいと思っている。なので、こういったアーティストなどとどんどん交流・参加して、仕事になっていけばいいなぁと思ったゆえ。
なにせ、パリは口コミの世界。コミュニケーションしたもの勝ちというところが未だにある。待っていても、何も始まらない。逆に働きかけて、無理矢理にでも参加したら、門戸が開かれることはたくさんある。自分をプロモートする意識があるか否かで、人生が180度変わってしまうのだ。
ま、私ももっと自分をプロモートせなあかんのだが・・・・。
コンサートの後は、SとT氏の3人でリュクサンブール公園近くのカフェでダラダラ。Sとは非常に趣味・趣向が似ているので、話していて非常に楽しい。ゆえに、あっという間に時間が経ち、3人でシャトレまで歩いて、それぞれ終電にて家路につく。
家に着くと、夫はすでに寝ていた。
ということで、本日は喧嘩は回避できました、とさ。
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