ゼロの視点
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2004年06月17日(木) 内定

 本日は、今回の里帰りにおいて最も重要なこと、つまり、介護保険申請手続きで一番の難関と言われている、役所から送られた調査員との対決日だ。

 今思えば、ここまで長かった・・・。5月14日の夕方に日本に到着し、17日から母のかかりつけ病院に付き添いをはじめ、高齢者に強いとうたわれる地元の脳神経内科医院にたどり着くまでに、すでに3週間を使ってしまったいた。

 そして、脳神経内科医の紹介でケアマネージャーを紹介され、彼女と一緒に介護保険申請についての書類を作成、そして提出したのが先週のはじめ。医師の意見書のほうはなんとかうまく行くとして、本日の調査人とのやり取りいかんでは、申請が却下される可能性が濃厚だったゆえ、今週に入ってから実は、かなりのプレッシャーを抱えていた私だった。

 以前にも書いたが、母レベルのぼけとパッと見の印象だと、本当に健康に見えるので、ボケはアピールできない。また、調査員との対話においても、よく色々な経験者などからの体験談を元にすると、調査員の前ではボケた高齢者がシャキっとしてしまい、どんどんとまともに調査員と応答してしまい、その結果申請がアウト、ということが多々アルとのことだった。

 もし申請が却下されたら・・・、と考えると、本当にアタマを抱える毎日だった。これでもか・・・・・?!?!?!、というほどの暗いイメージが沸いてきて、将来を悲観することもあった。よく新聞で将来を悲観して・・・・、などの動機で家族内で殺人が起こったりしているが、なんか少しだけ、これらのことが身近に感じていた今日この頃(汗)。

 魔がさすように、マイナス思考というものは突然やってくるので、これを追っ払うのが本当に大変だ。

 なかなか思うように進まない現実、ひとつ処理すれば、また一週間待たされ・・・、という流れの遅さが、先が見えない不安を倍増させるのだ。

 介護ライター兼、実際に実母との介護生活をしているN氏に、メールを送ってみたら、丁寧に返事をもらえた。そして、そのメールの最後には“踏ん張ってください”との文字・・・・・。

 これは本当に印象的だった。踏ん張ってください、という言葉から発せられるニュアンス。頑張る、というのでもなく、介護者のゆれる心情(マイナス思考)と、あえてそれを抱えながらも、大地に足を踏みとどめるイメージというか・・・。

 実際、この言葉を頂いてからは、揺れだしてくると必ずこの言葉を思い出して自分をコントロールさせてきた。あとは、レイキ的思考とその実践。これは予想以上に効いた。

 まずは自分自身の癒しが必要とばかりによく、セルフヒーリングをやっていた。まさか昨年、取材の延長でお気楽に試したレイキが、こんな状況で威力を発揮することがくるとは・・・・・、その時には考えもしなかったのに、と笑ってしまったほど。

 

 そして、午後2時、予定通りに調査員はやってきた。調査員の名札を見ると、彼女の生年月日。“なるほど昭和44年生まれかっ”と確認。なんかその瞬間、根拠もなく“いけるっ!!”と思った私(笑)。

 明け方に用意しておいた、母のことについてのレポート(レポート用紙にビッシリ書いたもの、6枚)もあることだし、強気で乗り切ろうと決意。

 予想通り母は、まるでボケていないかのように調査員と“キチンと”応答してしまったが、それを100も承知の上で用意したレポートと私の語りで、乗り切る。

 あらかじめレポートは用意しておいたほうがいいとは聞いていたので、私なりのモノを提出したまでだったが、今思うと、調査員の驚いた顔と、“これはまた詳細に・・”という言葉を何度も彼女に言わせてしまったことを考慮すると、あまりここまで執拗に準備する人もいないのかな?、と思ってしまった(笑)。

 小一時間続いた問答のあと、調査員が帰り際に“申請の結果は本日から30日後です”という言葉を聞いて、ガックリしかけているところに、彼女が“でも、安心してください、お母様の件だと、必ず申請は受理されますから、介護2か3はいけるでしょう”とのことだった。

 合格発表じゃないが、その場で飛び上がりそうになってしまった私。人によっては、自分の家族がとうとう介護度をつけて認定がおりると、ますますその現実に落ち込む例があるというが、私は逆。

 母はボケているかもしれないし、また否かもしれない。でも、これで日常生活のサポートを確実にゲットできる、その保障がなによりも素晴らしいことに感じられた。

 とはいえ、まだ内定時点なので、本当に結果が出る時はどうなのかはわからないので、この辺でぬか喜びはやめておく。

 病院、ケアマネージャー、介護保険、そして隣人らのヘルプ、とすべての連携が、ある程度確立させることができた。

 今日のビールは、美味しくなりそうだ・・・・。


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