ゼロの視点
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2004年06月16日(水) ぼけと外国語

 夕方、叔母Fと電話。彼女は母の6歳したの妹。今まで忙しくて連絡がなかなか取れなかったので、今までの母についての経緯を叔母Fに話す。

 で、先日医者から聞いてきた、アルツハイマー遺伝説を話す。

“どんな生活を送っていようが、なる人はなるんだって”

“精神的ショックは、あくまでも二次的なもので、それによってアルツになることはないんだって”

“だから、おばさんもやばいかもしれないよ”

 と、ちょっと脅かし気味に話してみると、案の定、否定モードに入ってきたので、“怖いんでしょ”と叔母Fに聞いてみると、しばし黙ってから、“あたしはへー気よーーっ”といつもの強気の叔母に戻った(笑)。で、おまけに“わたしじゃなくて、U(彼女の長女)が、すぐアルツになちゃうわよ”と意味不明の爆弾発言。ということで、このお方は強気で、まだまだ平気。

 さて、いとこH嬢(もう一人の叔母Nの長女)の反応は、今後のことも考えて老後のために、保険の内容を検討するかもしれないらしい。

 そして、夜はH嬢の妹のM嬢と電話。やはり、アルツ遺伝説は、少なからず衝撃だったらしい。

 母の次にヤバイのは誰か?、というとM嬢も自分の母、つまりは叔母Nだという。確かに叔母Nと母には少なからず共通点がある。が、叔母Nには、天敵・独身小姑様がいるので、まだまだ平気だよと伝える。

 いろいろとボケ関連の記事などを読んでいると、天敵だった姑が死んで、ホッとした瞬間にボケてしまったという例に数え切れないほど出くわした。“こいつには負けられん”と思う気持ちが、アタマをフル回転させるのだろうか?。ま、確かに思い当たるフシは自分にもあるわけで・・・(泣笑)。

 ところで、M嬢から面白い話をきいた。F叔母の前に住んでいた高齢のおじいちゃんがボケはじめて、なぜか日本語を話すことをやめ、スペイン語になってしまったそうだ。そして、そのまま徘徊するので、スペイン語を話すおじいちゃんとして有名になって、発見しやすかった、とか。

 私が常日ごろ聞いている話とは逆だったので、驚いた。というのは、いくらバイリンガル並に外国語が話せても、最終的に残るのは母国語という説。実際、アタマ打ったり、ボケたりして、自分の住んでいる国の言葉が話せなくなり、母国語だけになってしまい、家族とも誰ともコミュニケーションが取れなくなってしまう、というケースなら知っていたのだが・・・。

 で、考えた・・・・・。

 私は将来、フランスで日本語だけ喋って徘徊するのか?。それとも、日本でフランス語を話して徘徊するのだろうか・・・、と。

 
 ああ、長生きするのも大変だ。


 先日は、クルマを運転していて、交差点で対向車に譲られた時、大きな声でお礼を言おうと思い、咄嗟に口から出てきた言葉が“メルシー”だった時の、小さな衝撃。

 また、この間は、ふと名案が浮かんだので母に話しかけたら、母がポカンとしている。どうやら私の言っていることがわからないようだ。ああ、ここまで母がボケてしまったと嘆くやいなや、自分が母にフランス語で話しかけていたことに気付いた。

 母曰く、フランス語は全然わからないそうだ。ただの連なった音のようにしか聞こえないらしい。ふーーん、そうか。

 なんだか、私も徐々に壊れてきたようだ・・・・、ううっ。


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