ゼロの視点
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2004年06月11日(金) 国民性

 先日、高齢者を狙った詐欺について書いた。で、最近よく思うのだが、この手の詐欺は、果たしてフランスでは横行するのだろうか?、ということ。

 日本人は、世界の観光地でも有数のカモとして有名。あらゆる観光地で、日本人価格というのが高めに設定されているのが常。とにかく、未だにポンポンと金を落とす民族として、時には憧れを、そして時には失笑を買っている存在なことは否めない。

 さて、そんな民族だからかどうかは知らないが、確かに高齢になればなるほど、財布の紐が緩みやすいのだろうか、先にいう詐欺が横行する。そして他人に対して、ケチだと思われたくない、ないしは申し訳ないと思ったりする性格も災いしてか、きっぱり断るのなら、ま、適当に契約しちゃって金払ってその場を丸く治めちゃおう・・・・、というシステム。

 とにかく、消費してナンボの世界なのだ・・・と痛感することしきり。何かを買わないといけないような社会。お金が手元になくとも、簡単に金を借りられるシステム、サラ金なんてのも山のようにあるわけであり。

 これが、フランスになると逆なのが面白い。フランス人は基本的にとことんケチ。信じられないほどケチ。新製品などなかなか買わない。古いものを直し直し、時にはだましだまし使う。

 恐らく、日本で適度に稼ぎ、消費することになれた人間が一度フランス人社会にどっぷりはまって生活することになったら、そのケチさに、腰を抜かすこともあろう。

 すべてのフランス人高齢者を知っているわけではないし、例外もあろうことだが、とはいえ、もともとケチなフランス人は、年をとればとるほど、もっとケチになっていくように思われて仕方がない。出来ることなら、一銭も出したくない、ただならいいが・・・、というわけだ。

 だから、こんな高齢者相手に、訪問販売のセールスマンが汗水たらして営業しても、ほとんど何も売ることができないであろう。それ以前に、暇つぶしに高齢者のお喋りに散々付き合わされた挙句、無残にも放り出されるのがオチだ。

 個人的な例でいえば、我が姑殿がセールスマンに言いくるめられて契約書にサインしている姿などは、全く想像できない。逆に、セールスマンが言いくるめられて、商品を無料でむしりとられている可能性すらある。

 また、家の改築などのボッタクリ訪問業者なども、あまりフランスにはいないのではないか?、と思うことしきり。というのも、もともとブリコラージュと称して、自分で家の修繕、時には建築までもを当たり前にやるフランス人どもゆえ、オーダーメイドで業者に金払ってまで頼むとは、考えられないからだ。

 それでも、色々な詐欺というのは、各国で、その国民ならではの戦法があるから、フランス人だけがカモにならないというわけではないので、あしからず。あくまでも、ここで語っているのは、訪問販売のカモ率を想像しただけであるので。

 私はこれでも、フランス人社会にどっぷり浸かってたかが6年、されど6年。もともとケチな性格もあってか、割とすんなりフランス・ケチケチ生活には馴染んでいる。おまけに、すっかりケチ度に拍車がかかったようにも思うゆえ、久々に日本に戻ってきて、訪問販売のセールスマンにおされ気味になっている我が母の姿をみると、イライラ度合いがレッドゾーンを越える。

 “キサマはアホか?。そんな金があるなら、わたしにちょーだい”と心の中でつぶやく。

 で、またまた個人的な興味もかねて、地元の消費生活センターへ母と一緒に出向いてみた。相談員は懇切丁寧に色々と話してくれ、最後には楽しい世間話になってしまった。そして、そこで作成している“悪徳商法に注意”というパンフレットをもらったので、あらためてそれを読んでみると、かなり笑えるし、巧妙ゆえ、ゾッとする。

 バカバカしい戦法であっても、被害者が絶えないという現実。その中に我が母もいるかもしれないというまた別の現実。ああ、たまらん。


 が・・・・・、どうなのだろう・・・・、私の場合は・・・。私が高齢者になったら、どっちの国民性が出てきてしまうのだろうか?、と考えると妙に頭が冴えてしまって眠れなくなってしまった(汗)。


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