ゼロの視点
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2004年06月09日(水) 後見人

 朝、遅くまで寝ていると、玄関のチャイムがなる。母はそれに対応して、“はーーい”と答え、玄関の戸を開ける。愛犬マルチンのいない今、訪問者は簡単に門を開け、母が開けた玄関の戸のところへ進んでくる。

 私は、母と訪問者の会話を襖越しに盗み聞き。訪問者はセールスマンだった。母はそれを購入する気はないが、セールスマンはなんとか母を説得しようとする。そんな会話が5分くらい続いたので、襖の向こうから、私が適当な嘘を言って、ケンモホロロにセールスマンを追い返して、一件落着。


 実家は、昭和40年代中期に建設された住宅街にある。当時、30代、40代でやっとマイホームをゲットして入居してきた人達は、子育ても終え、気が付いたら、たくさんの高齢者が残っているという状況。もちろん二世帯住宅などにして、子供世代と一緒に暮らしている人達もたくさんいるが、それでも、昼間は子供世代は家にいない。

 ゆえに、高齢者を狙った詐欺の温床になっているのだ。床下換気扇、屋根の工事、そして点検詐欺など、数えだしたらきりがない。母は、昨年家を少し直したのだが、その直した業者が、繰り返し繰り返し定期的にやってきては、“点検させてください”と言ってやってくる。

 確かに、母は長年修繕していない家に対して、私からすると信じられないほどの恐怖感を持っていたので、昨年の修繕には私もOKを出した。が、もう点検などにひっかかって一銭も出す気はない。

 さて、こういった業者相手に、一度でも玄関に入れたら向こうが勝ったも同然。だからこそ、絶対に戸を開けるなということで、里帰りしてから毎日のように母と喧嘩している日々を送っている。

 そして、本日も母は戸を開けてしまった。もう、私は怒り爆発。というか、これを私がフランスに戻ったとやられたことを考えると、いてもたってもいられない。

 さあ、どうするか・・・・?。

 高齢者相手の詐欺についてのサイトを読みまくってみた。そして、ひとつの手段が見えてきたので、さっそく相談機関に電話しまくる私。その手段とは、成年後見人制度だ。

 が、制度にはいつも利点だけがあるとは限らない。確かに後見人制度は、こういった詐欺を回避するにはかなり有効だ。が、同時に母は社会的な能力を失ってしまう。以前は後見人を立てると、禁治産者扱いになっていたほどだ。禁治産者といえば、選挙権もない。

 私もそこまでは求めていない。で、もっと調べていくと、後見人制度が完全され、後見人までいかない、補佐、および補助という存在が誕生していたことを知る。

 これについて詳しく知りたい私はまたまた各種相談機関に電話攻撃。が、相談は午後2時間だけどか、面会相談になると一ヶ月に一度だけなど、なかなかうまくいかない。調べた挙句、最寄の家庭裁判所支部に出かけると手っ取り早いことを知り、母と一緒にクルマを飛ばして行ってみた。

 所定の用紙に用件を書き(日本の役所っぽいっ!!)、相談室へ回された。そして相談室へ入ると、非常に人がよさそうなおじさんがそこに座っていた。おそらく、退職した法律家が嘱託で相談室勤務していると推測される。

 私は非常にこと細かく質問するタイプなのだが、法律家というのはそれに輪をかけてきちんと説明してくれるので、気分がいい。が、気分がいい話ばかりではなかった。というのも、後見人申請には、あらゆる資産の洗いざらい記入することからはじまるのだ。

 げげげ・・・・・・・・・。

 確かに、今回の里帰りの目的の一つには、財産管理を徹底させようというものがあったが、まさか一銭でもぴたりと間違いのないように書き込まねばならないとは・・・・。ああ、面倒くさい。家の評価額はもとより、もう、ほんとうにすべてを書き込むのだ。

 なので、これも帰国日までにはとうても出来そうもない・・・・。また、なんとか作成して、後見人申請をしても、結果が出るまで4ヶ月ぐらいかかるという・・・・(滝汗)。申請をしてから、調査人に呼び出され、財産共々鑑定される。これには、おおよそ10万円ほどかかるらしい。ま、金はいいとしても、その呼び出しされる目処というのが知りたい私。じゃないと、いつフランスと日本を往復していいのか目処がたたない。

 が、これもケースバイケースとのことで、はっきりとした時期がわからないとのこと・・・・。参ったな。

 ただ、海外在住でも、補佐として後見人的なことができればOKだと聞いてひと安心。また、私の場合ひとりっこなので、補佐選出に際して家族間で争いがないのが救い。これがまた審査をひとつ早く進めることができる理由となろう。また、例のあたらしいT医師に頼んで、診断書をうまく作成してもらえれば、もっと審査は早くなる確率はある。

 とはいえ、前述のように今回の里帰りではすべてをするのは無理ゆえ、とりあえず実家の表札のところに、“補佐人あり”とデカデカとはったりでもいいから書いておこうと思った。
 


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