ゼロの視点
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2004年05月27日(木) 異文化なふたり

 実は、5月25日の夜から、友人M氏がパリのわしらの自宅に住み始めている。

 M氏は30代後半のプロカメラマン。パリで暮らすという長年の夢を果たすために、長いこと準備を重ね日本を発ち、とうとう25日からパリで暮らし始めた。本来なら、私がパリでM氏を受け入れる予定だったのだが、急遽母の件で日本に私が戻ったので、夫が彼を迎え入れた。

 これが、本当にドタバタコメディのようである。おそらくM氏は1週間ほどわしらの家で暮らした後、姑のワンルームに移り、そこで仮住まいしながら自分の部屋を探す予定になっているのだが・・・・。

 M氏の彼女Y嬢は、私の元同僚。知らないうちに、いつしかY嬢の彼であるM氏とも友達になっていき、気がついたらわしらの結婚式に、わざわざ彼がやってきてくれ、素晴らしい写真を撮ってくれるまでになっていた。この時、彼女Y嬢のほうは、仕事でパリに来ることは出来なかったのだが・・。

 さて、いざという時に本当に頼りにならないことを自他共に認める我が夫と、Y嬢曰く、“我が夫と同じように頼りにならない”らしいM氏は、わしらの存在抜きに、ただ今パリで共同生活中。

 隠しカメラでもあったら覗いて見たいぐらいだ(笑)。


 さんざん夫には、M氏の到着時間およびその方法などを言っておいたが、やっぱり直前になって私にSOSメールを送ってくる。“Mは何時にくるんだってけ?”と・・・・・・・・・・・(汗)。

 また一方、M氏にも、私に予定を言うのではなく、夫自身にきちんとメールを打って事前に確認しておくように・・・、と伝えておいたにも関わらず、どうもそうではないらしい・・・・。

 M氏のパリ空港到着は17時ごろ。荷物引き取り作業時間などを含めてまっすぐわしらの家に来ても19時頃になるか否か・・・・。

 一方、夫のほうは19時からアパルトマンの住民の間での会議がある。これはあらかじめM氏のほうへは伝えておいたので、彼は空港で時間を潰しながら22時前後に夫のところへ到着するようにしたようだった。

 そしてそれを夫に伝える私・・・・。もうこの辺で少しイライラしてきていた私だった。というのも、なんでコイツらは自分達でダイレクトに連絡しあわないのか?!?!、ということ。

 案の定、きちんとM氏の予定を伝えておいたにも関わらず、勝手にM氏を待つというチョイスをする夫・・・・。それでいながら、突然“M氏がまだやってこないっ”と日本時間の午前3時前くらいに電話してくる・・・・・。


 いらいら、いらいら、いらいら・・・・・・・・・。


 で、どうやら夫は待ち切れなくなって、21時すぎぐらいにアパルトマンの会議に出席。が、自分の不在時でもM氏が家に入れるようにと、まず玄関のドアを半開きにし、アパルトマンのエントランスにはM氏あての張り紙をしておいたようだった。

 我がアパルトマンは、非常に何重にもアクセスするためのコード(暗証番号)があるので、確かにドアを半開きにしておいても泥棒に入られるリスクはまずない。

 エントランスには、インターフォンがあり、通常我が家を訪れた人はそれを押して、わしらのいずれかがロックを解除し、訪問客が中へ入る仕組みになっている。

 さて、M氏は22時過ぎに我が家のエントランスに到着したようだった。中へ入ろうと思っても、インターフォンに誰も答えない。夫としては、この年トランスを出入りする人に便乗して中へはいってしまえ・・・、ということだったが、折り目正しいM氏にはそんなことはできなかったようだった。

 そして、そこでひたすら夫の帰りを待つことにしたM氏。深夜まで長引きそうな会議に嫌気がさした夫が23時すぎに戻ってくると、そこにはスーツケースと一緒にM氏が・・・・。

 夫は激しく驚いたようだった。

 “どうして、誰かに便乗して中へ入らなかったのか?!?!?!”


 とはいえ、めでたし、めでたし、こうして二人は落ち合いました。まるで恋愛物語のようだ(笑)。

 その後は、会議で腹ペコな夫が冷蔵庫に残っていた、私が日本出発前日に購入したと思われる“野菜ハンバーグ”なるものを発見し、それを自分とM氏のために焼き始めたようだった。

 ちょうどその頃、私が彼らに日本から電話したのだった。M氏が、夫が何か自分の為に料理していると聞くや否や、“何作ってんの?”と不審に思ってたずねると、上記のシロモノだと言う。ヤバイ予感を感じつつも、どうやらこの二人は賞味期限をきちんと確認した上だと聞いて、ホッとする。

 さてさて、この異文化なオトコ二人の奇妙な共同生活はどうなることやら・・・・・(笑)?。


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