ゼロの視点
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2004年04月18日(日) ばばあ

 姑こと、ばばあがパリにただ今上陸中。

 4月15日木曜日から、一週間ほどパリに居座るらしい・・・。

 
 で、今回のばばあ上陸は、ほんとうにアポなしゆえ、私としては実はかなりイライラしてたりする。

 今年の8月で81歳になるばばあ。確かに81歳という文字を目にすれば、お年寄りは大切に・・・・・、等と思い勝ちな方もいるだろうが、ばばあに限っては例外。絶対に、100歳以上まで生き残るような人種だ。

 しかし、だ・・・・。

 ばばあは、自分の“81歳という価値”を逆手にとって、“私はもうすぐ死んじゃうのよ”だの、“あぁ、こんなに私はみんなに親切なのに、誰も私には親切じゃない”だのと、四六時中文句垂れている・・。それも、すばらしく張りのある声で・・・。

 私からみると、“ばばあ、そうやって他人の同情を買って、他者から構われたいのだな・・・”と、その茶番劇を見抜けることができる。が、息子連中には、未だに効果があるから、もう笑うしかない。

 が、確かに彼らは親子なのだから、そういった“茶番劇”が未だに繰り返されていてもどーでもいい。だが、わしを巻き込むな、ばばあっ。これ以上巻き込むと、仏の顔も三度までで、徹底的にいじめるぞーーーーーーーっ。

 ばばあは、典型的なフランスの年寄り小ブルジョワ。つまりは、家族のモノだのなんだのを含め、美術品からゴミからすべてのものを捨てられずに、溜め込むタイプ。ゆえに、彼女の家のサロンこそ、キレイに飾り立てられているが、2階、3階は全く足の踏み場がないほど、モノで溢れかえっている。

 私が彼女の家にいくと、彼女の寝室には通常鍵がかけられる。その部屋にアクセスできるのは、2人の息子だけだ。が、ある日、彼女が鍵をかけ忘れていた隙をねらって、すかさずそこへ侵入して、デジカメで証拠写真を撮った私。

 つまり、ここまで私を駆り立てるほど、彼女の寝室はすざまじかったのだ。あふれかえる洋服、アクセサリー、寝る場所もないほど、ものが積み重なったベッド・・・等。彼女の部屋を前にしては、我が家はあまりにも整理整頓されているとも断言できるほど・・・。

 写真撮影は夫にも内緒で、私の独断でやったのだが、最近になってこのことを夫に告白してみた。すると、夫は、一瞬自分の母親のことをかばったものの、実は彼も母に怒り心頭だった時に、彼女の部屋の写真撮影していたと告白・・・・。

 なーーんだ、同じことしてるのね・・・・夫よ・・・・。


 おまけに、ばばあは毎日のようにチャリティーバザーなどに、一番のりして、色々とガラクタを大量に買い漁るゆえ、彼女の家はグチャグチャになる一方。

 溢れかえる家に一人でいることを極力避け、海外旅行だの、パリだのと飛び歩くばばあ・・・。現実逃避そのものだ。家を満足に整理できない自己嫌悪感と罪悪感からの涙ぐましい逃避。

 そして、チャリティーバザーで購入した二束三文にもならぬようなガラクタなどを、“私はなんて親切なんでしょう・・・”ってな調子で人にプレゼントしまくるばばあ。私もそれの被害者だ。いらないよ、こんなわけのわからぬモノ。

 そのわりには、本当に値打ちのあるものは、絶対人にあげないばばあ(笑)。でも、つまらない彼女のプレゼントに、もし我々が感謝しないと、怒り狂うばばあ・・・・・。

 要するに、彼女はあらゆる意味で他人を操作したがる、マニュピュレーターなのだ。ま、あくまで彼女がこういう人間でいたいのなら、それはそれで勝手だが、私を操ろうとは100年早い。絶対にそうはさせぬぞ、ばばあ。

 息子連中を取り入れて、嫁連中の悪口を好きなだけ言うがいい。でも、それで私が変わると思うなよ、ばばあ。いくらでも、息子をあなたの手元に差し出しましょうってな感じだ。

 が・・・・、

 こういう態度がばばあは面白くないらしい。夫が一人でばばあに会いにいくと、“ああ、やっぱり嫁と姑というのは永遠にうまくいかないのね”だの、“ゼロは私のことキライなのよ・・・”だのと、夫に茶番劇な泣き言を延々と述べる。

 すると、夫も夫で、“ああ、可哀想なママン・・・”となりかける。が、夫も夫で、自分の先祖の歴史など、未だかつてきちんと把握したことがない。これがばばあをイライラさせる。それに対して、いつも先祖の話ばかりしている姑の相手をしていた私は、すっかりその歴史を詳細にいたるまで暗記してしまったほど・・・(涙)。

 私とすれば、つまらん“親不孝な息子”という意味のない罪悪感に囚われれて右往左往するのであれば、ママンの言うことをきちんと聞いて、覚えてたうえで、意見するだけでも全然違うと思われて仕方がない。

 が、夫は、こんなこと全く覚えていず、それでいて、“ああ、ママンが哀しんでいる”ということだけに焦点を当てる。実にピーターパンな夫であったりする。



 本日は、予定では夕方からばばあを我が家に招待してのディナーだった。が、予定よりも数時間早く、“私は歳だから、夜は外出したくないの、だから、今から行くわ”と電話があった。

 歳だからだとぉ、ばばあっ。よく演劇だの、コンサートだのと夜に外出するばばあが、だ。

 もし、この時、“退屈なのよ・・・、だからもしよかったら数時間早く貴方達の家に行ってもいいかしら・・・”等というような問いかたが出来れば、私も喜んでばばあを迎え入れたであろう。

 が、あくまでも、自分を正当化して、他人が自分に従って当然という態度を崩さず、おまけに、もし他者が彼女の提案に“NON”と言った途端に、世界一かわいそうな人間ぶるのだけは、やめて欲しい。

“ほうら、みんな薄情なのよ” 
“私はこうやって、ひとりで死んでいくのよ・・・”等。

 そんなわけで、姑の気分屋に思いっきり“NON”といった私。そして、姑と妻との対立に、わけもなく慄く夫に嫌気がさしたので、夫を追い出し、本日はばばあの部屋で母と息子のラブラブディナーを演出したゼロでした。

 私も私で、こうやって親子を自分のテリトリーから追い出して、のんびりと我が家で好き勝手にいられる自由を同時に獲得して、イライラから解消されたような気がしている(笑)。おまけに、こうやってばばあも夫も理解できない日本語でサイトも更新できるし、ねっ。


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