ゼロの視点
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2004年03月24日(水) 散財

 突然用事が入って、昼にパリ郊外Noisy le Grandという町へ行くことになった。

 午後用事も終わり、RER駅併設のショッピングモールをブラブラ散策。嫌な予感がしてきた。いわゆる日本にある駅ビルのようなつくりで、色々なブティックがたくさん入っている。あちこち歩かず、疲れず、そしてたくさんの商品・・・・。消費者社会の典型。


ヤバイ・・・・、何か買ってしまいそうだ・・・・。

でも、今月はあまり散財したくないのだが・・・・。

“見るだけ”と何度も自分に言い聞かせながら、フラフラしているうちに、一軒の店のショーウインドーに、気になる洋服が展示されているのを発見してしまった。

 それにつられるように、店に入る私。“見るだけ”と決めているので、本当に目当ての商品をしばらく眺めていた私。幸い、店員も小金持ちそうなマダムの試着大会で多忙ゆえ、その隙を縫って、私の目当ての商品を“見るだけ”から“手にとるだけ”の作戦に変更して、吟味していた。

 すると、もう一人の店員が休憩時間からすでに戻ってきていたようで、私にスッと近寄ってきて、

「何かお手伝いしましょうか?。」

と尋ねてくるので、“とりあえず見せてください”と返事して、相変わらず、目当ての商品を眺めていた。見るだけみたら、帰ろうと思っていた私だったのだが・・・・。

 その店員は

「その服は見てるだけじゃ本当に自分に会うかどうかわからないわよ。」と私の不覚をついてくる発言をしてくる・・・。

“そんなこと百も承知だよ、店員”

“試着したら、もうおしまいなんだよ、店員”

と心の中で呟きながら、気がつくと店員にそそのかされて試着室に入っている自分がいた・・・・。マジでヤバイ。この服は、私にとって異様に高価。トルコ旅行より高価・・・・。どーーーーーしようっ。

 試着室の鏡にうつった、お気に入りの商品を羽織った私の姿・・・・。本当に危険なほど、私の好みの服・・・・。これを着て、あの機会に出席しようかな、とか色々な妄想のおまけつき。もう止められない・・・。

 しかし、まだこの時、試着するだけして家に帰ろうと頑張っていたのだが、とうとう、次の店員の言葉で心が激しくぐらついてしまった。

「支払いを2回にわけてもいいのよ」

 しぶとく、この服をまとったまま、長いこと2回払いで購入したあとの自分の生活について想像してみた。払えないことはない。が、もっと廉価で気に入ったものをいつか見つけるかもしれない、でも、見つからなかった時、一番のお気に入りさえもすでに売れてしまっていたら、くやしい、等と、ウダウダ・・・・。

 で、とうとうお買い上げ・・・。店員の巧妙な作戦にすっかりはまってしまったような気がしてならない。嬉しいけれど、散財にかなりの罪悪感・・・・。

 昔、日本で稼いでいた頃は、なんの躊躇もせずに大枚はたいていた自分は、もうはるか彼方になっていることを再認識したゼロでした。


 


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