ゼロの視点
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2004年03月14日(日) フランス西部旅行パート9

 本日もM宅にて起床。長いブランチのあと、M宅を後にして、一路、Tiffaugeにあるジル・ド・レ(Gilles de Rais)の城跡へ。もちろん私のリクエスト。

 1904年に生まれたジル・ド・レは、シャルル・ペローの“青髭”のモデルとも言われる人物。数々の女性を殺したとも言われているが、それは女性ではなく少年だったとも言われている。1440年10月26日にナントで絞首刑のあと、火あぶりにされた。享年36歳(←私と同い年ということに、今気付いたっ!)。

 彼は青鬚のモデルとして犯罪面ばかりが取りざたされやすいが、ジャンヌ・ダルクと共に百年戦争時代を闘っている英雄の一人でもあった。その後、ジャンヌ・ダルクが処刑されてからは、錬金術や黒魔術などにはまり込んでいき、その頃から殺人にも手を染めていったらしいということだ。

 (※興味のある方は『ジル・ド・レ論-悪の論理/ジョルジュ・バタイユ著』をどうぞ。)


 やっと到着したジル・ド・レの城だったが、一般公開は4月1日からとのことで中へは入れず・・・。が、様々な角度から眺めた彼の城跡の景観は、私を満たすに充分だった。

 次に場所を変えて、Machecoulにあるもう一つのジル・ド・レの城跡を訪れる。ここはたいして観光名所化しているわけでもなく、Tiffaugeのソレと比べたら小規模なのだろうが、妙に廃れた感じがまたまた私の琴線に触れてきた。

 日没寸前の景色の中に、ポツンと建つ、彼の城の入口に立つマリア像が妙にシュールだ。昔、テレビ東京で深夜に放送されていたイギリステレビドラマ『悪魔の異形』を、ふと思い出す。

 その後は、一路、小さな島Noirmoutiersへ。この島へ行くには2つの橋がある。ひとつは常時渡れる短い橋。もうひとつは、干潮時にしか渡れないという橋・・・・。ちなみに干潮時間はたったの数時間。それ以外の時間は常に海に沈んでいる橋なのだ。

 残念なことに私たちがここに到着した時は満潮時だったため、アウト。次回が期待される・・・・。

 しかし、もし、橋の上で渋滞になってしまい、潮が満ちてきてしまったらどうすればいいのだろうか?!?!。常に渡れる橋とは違って、4km以上ある・・。橋のふもとには、“潮の動きに注意”と書かれており、その下には海に無残にも沈んでいくクルマの写真もある。

 ひえぇっ→怖い→渡ってみたい、といろいろな思いが交錯する。


 確実で現代的な橋でNoirmoutiers入りした私たちは、ひたすら滑走路のような道を進む。そうしてようやくNoirmoutiersの街中心部に到着した頃には真っ暗になっていた。とりあえず営業してそうなホテルに飛び込み、寝場所を確保。さすがに日曜日の夜だけあって、このホテルの客は私たちだけだった。

 ホテル併設のレストランで食事をとり、その後近所のバーで一杯。バーの奥には、日本の温泉旅館で昔見られたような、古ぼけたゲーム機が置いてあり、ノスタルジーーーーーーーーー、という感じだった。


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