ゼロの視点
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2004年03月13日(土) フランス西部旅行パート8

 ナントのM宅での起床。

 ランチにはMの妹夫妻も合流して5人で食事。アペリティフに始まり、食時中のワイン、食後酒と調子よく飲んでいたら、もう出かける時間。出かけるよりも昼寝したいところなのだが・・・・。

 午後からは、ナントから少し離れたCelierというところに住む、夫の従弟で彫刻家Jの家を訪問。この従弟Jは1月の下旬に亡くなったばかり。しかし、忙しくてわしらは葬式に出られなかったこともあり、今回の旅行の機会に彼の遺族を訪問したのだ。

 Jが身体の不調を訴え始めたのが昨年のクリスマスの頃。急いで病院へ行き、色々と検査をして、その検査結果が全部出る前に彼は亡くなってしまったので、病名は不明。

 が、本人は死を悟っていたらしく、突然毎晩のようにシャンパンを飲み始め、残り少ない時間を、徐々に動かなくなっていく身体でできるかぎり享受しようとしていたらしい。

 Jは10年前にナント市街からこのCelierに引っ越してきた。余生を都会の喧騒から離れ、ロワール河を一望する高台の城のような家に住み、彫刻に専念するつもりだったらしい。その補佐として支えてきた彼の妻Mは、今一家の主を失って余計大きく感じる家の中で、ヒッソリと喪に服していた。

 妻M曰く、まだ家のあちこちに夫Jの気配を感じるという。しかし、このまま家に篭っていても自分が駄目になるだけだから、徐々に前向きになって外出するようにせねば・・・・、とも語っていた。

 それならフラッとナントの街へ出かけていったらどうか?、と夫が提言すると、

妻M「ナントは、ガラの悪い人たちもいるから嫌なのよ・・・、やっぱり都会はね・・・・人も多いし・・・」

 私はビックリしてしまった。ナントがガラが悪い?!?!?!。だったらパリはどうなっちゃうんだ?!?!?。人の多さでいったら、東京から比べればパリなど地方都市のレベルになってしまうというのに・・・。

 夫は亡くなったJの彫刻が好きだったので、妻Mに頼んで、彼の作品をたくさん見せてもらった。我が家にもひとつといいたいところだが、予算が・・・。



 その後、彼らの家のすぐ近くにあるルイ・ド・フュネスの城や、Les Folies Siffaitなどを訪れた後、ナントに戻る。そこで夫の幼なじみMと合流して、今度はMの妹夫妻宅にてディナー。

 いつもは夫婦喧嘩ばかりして険悪なムードであることが多いMの妹夫妻だったが、今回はなぜかいい雰囲気。あとで事情をきいたら、昨年Mの妹はお気に入りの彼を見つけて、その彼と南国へ旅をして、それをきっかけに夫とのすったもんだを繰り返した後、夫婦愛を取り戻してしまったそうだ(笑)。

 夫婦というのは、色々あるのだな・・・・、とつくづく思ったゼロでした。

 


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