ゼロの視点
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2004年03月09日(火) フランス西部旅行パート4

 天気は良いが、非常に寒い朝。10時起床。

 P宅と同じ棟とはいえ、キッチン、バス、トイレなどがすべて独立した一区画で寝起きさせてもらっている私たち。非常に快適すぎて、あやうく昼までぶっ続けで寝るところだった。

 急いで身支度して、Pのいる居間へ。たらふく朝食を食べた後、Pの案内で近所のまだあまり人に知られていない“魅力的な場所”の観光。

 Pは、現代のシャルル・ペローとも言える人間。ここの地域での歴史や自然を研究し、あらたな“おとぎ話”を発信しているのがPなのだ。そして、私たちは、その21世紀のシャルル・ペローのガイドで、不思議で魅力的な自然を訪れてまわることができた。

 彼の存在なしには、ここまで堪能できなかっただろうと思える数々の秘境。わしらの性格だと、“なーんだただの石じゃん”とか“ただの木だろ”とか、そんな感じで通り過ぎることもありだったと思う。

 2002年にアイルランドまで行って、雨の中、色々なところを訪れた私たちだったが、Pのガイドでこの地方を観光したあとは、“なーんだ、あんなに遠くまで行く必要がなかった”とまで思わせるほど、充実したものだった。

 苔むす大きな奇岩、しっとりと空気の違う森の中、第二次世界大戦中のレジスタンスの逸話、週末の楽しみだけに城を購入するスノッブ&成金パリジャンの逸話、そして太古の逸話など、Pは私たちを色々な時代に導いてくれた。

 午後からは身を切るような寒さに見舞われたが、徐々に緑が増えている大地の中で、春の到来を感じた。


 夕方、部屋に戻ってきて少しだけ昼寝をした後、再びPとディナー。こんなことも、観光閑散期だからできる特権ともいえる。あと一ヶ月もすると、たくさんの観光客がPのペンションを賑わし、いくら友人だからとはいえ、Pも私たちだけの世話をしていられないはずだ。

 寒さの中で観光してすっかり風邪をひいた夫は、今晩は非常に無口。たまには無口な夫というのも、いいものだ(笑)。

 それに反して、すっかり旅行で元気な私は、Pとアペリティフからはじまり、ディナーが終わるまで、酒のんで、色々と議論することができた。今晩のお題は、“エマニュエル・レヴィナスについて”だった。ま、私がこのお題を振ったのだが・・・・。

 ディナー途中、Pの仲間の歌手S一家がフラッとやってきた。Sは30代後半の女性歌手で、Pと一緒に現代のおとぎ話などを含めるさまざまなイヴェントで活躍しているとのこと。彼らが作ったCDを聞かせてもらったが、アカペラで民族色の強い曲を歌う彼女の声に、うっとりとしてしまった。

 夏には、Pのところで、盛大な祭りがあるそうだ。もちろんSや彼女の仲間が集い、現地の人たちも大勢やってきて、歌い、踊り、飲んで、食べて、とパーフェクト。今年は、なんとか時間を作って、ここに参加したいと思ったゼロでした。



※Pのペンション&おとぎ話情報に興味のある方はどうぞ
http://www.place-forte.fr/index.html


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