ゼロの視点
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2004年03月05日(金) 秘密

モンパルナス界隈で、Sとランチ。11年ぶりの再会と、ようやくまともに会話できるようになったわしらは、話しまくり。時間が経つのが強烈に早い。

 その後、パリ郊外で行われる友人Aの母の葬儀へ、すっ飛んで行く。ようやく教会に到着すると、すでに葬儀は始まっていた。先に、やってきていた夫のを探し、静かに彼の横に座る。

 彼の隣には、友人Aの従妹という人が座っていた。そして、神父が荘厳なミサを進めているのに、ベラベラと彼女は私たちに話しかける。どんな家族にも一人は存在する、お喋り好きな人間なのだと思う。そして、こういう人間の口から家族の秘密が外部に漏れていくものだ。

 彼女は、私たちにAとどんな関係なのか尋ねてくる。なので、ここ数年来の友人ですと返答。そして、彼女はAの家族について色々と話し始めた。

彼女「Aは一人息子だから、さぞかしツライと思うわ。みんなで支えてあげないと・・・・」

わしら「そうですねぇ・・・・。本当に大変でしょうね」

彼女「Aのお母さんには、お会いになったことがあって?」

わしら「ええ、一度だけですが、Aと彼女と一緒に中華レストランで食事したことがあります」

彼女「彼女って?」

わしら「彼女って、彼女ですよ・・・・」

といいながら、なんか彼女の名前を特定してはいけないような予感がしたので、逃げ切ってみた。

彼女「彼女って、彼の奥さんのことよね?。」

わしら「・・・・、そうだったと思うんだけれど・・・・」


 なんとなく気まずくなって、ここで一度話が途切れた。そして、夫と私は顔を見合わせる・・・・・。そして、夫と非常に小さい声で、

『Aが既婚者・・・・?!?!?!?!』と衝撃を確認し合う。




 Aが本日の主役でもある実母と、その妹と一緒に暮らしていたことは知っていた。今までAのことを独身者だと思っていた私たち。それも独身のプレイボーイ。そのくらい、Aはかわるがわる新しい彼女を私たちに紹介してくれたものだった。

 さすがに、実母と叔母をかかえる生活だとストレスも溜まるから、あんなにたくさんの女に手を出しちゃうんだろう・・・・、等と思っていた私たち。この説を信じて疑っていなかったから、Aが既婚者であるということ聞いて、本当に驚いた。

 Aの女の好みは、外見がものすごくキレイで中身がカラッポというタイプが多かったのだが、本日このスクープを聞いた後、もう一度注意してAの周りを見渡すと、外見はあまりキレイじゃないけれど、中身はカラッポじゃなさそうな女性がAの隣に座っている・・・・。



 もしかして、彼女がAの妻・・・・・?!?!?!?!。


 
 墓地へ同行して、棺を埋葬中にさりげなくAが既婚者だということを、さも知っていたように色々な人と話してみる。そして、事実を確認。Aは長いこと既婚者で、教会でAの隣に座っていた女性が彼の妻であり、彼女が専業主婦としてAの実母と叔母の世話をしてきた・・・・、ということだった。


 夫婦やカップルと知り合いで、あとになって“あの人に実は愛人がいた・・・”等というシチュエーションには何度もでくわしてきたが、てっきり独身プレイボーイと信じ込んでいた人が、妻帯者だったとわかる経験ははじめての私・・・・・・。



 Aの親族が教会で話し掛けてきたときに、Aの彼女の名前を特定しなくて本当によかった・・・・、と思ったゼロでした。



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