ゼロの視点
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2004年02月27日(金) 再会

 それは突然のことだった・・・・・。

 電話が鳴った・・・。

 いつものように、受話器を取る・・・・。


相手「日本大使館のものですが・・・・・・、ゼロさんですか?。」

私「(一瞬ギョッとして)はい、私ですが・・・・・」

相手「とあるフランス人からの問い合わせで、ゼロさんと連絡を取りたいとのことなんですが、こちらとしてはゼロさんご本人と確認をとったうえでと思いまして・・・・」

私「(何も悪いことしてないのに、妙に焦りながら)はあ、で、それは誰なんですか?。」

相手「○○○さんと申します・・・・。」

私「(少し考えてから)、ああっ、それは昔の友人ですっ!!」



 そんなわけで、大使館の方には丁重にお礼をいい、私と連絡を取りたいというSの携帯にさっそく電話してみる。

 Sと出会ったのは、1993年秋。パリ旅行の際、バスの乗り方を彼に尋ねたのが縁だった。彼は当時、哲学専攻の学生で、大のバッハ好き。私も哲学にのめり込んでいて、当時からバッハ狂だったため、あっという間に意気投合。

 とはいえ、当時はフランス語なんぞ今ほど話せるわけもなく・・・・。筆談と限りなく頼りない英語でなんとかのりきっていたものだった・・・・(涙)。 

 電話に出た彼は、まず、日本大使館の迅速で確実な連絡の取り方に激しく驚愕。こんな即座に返答が戻ってくるとは思っていなかったようだ。なので、これが日本なのだ、と自慢してみる。

 ま、とにかく、これはわしらにとって、11年ぶりの再会。電話に出たSの声が妙に懐かしいのと同時に、不思議な感覚にとらわれる。というのも、前述したように、当時の私は、彼とはまともに会話できなかったため、いまひとつ彼の格が把握しきれなかったような気がしてならなかった。が、こうやって共通の言語で対等に話せるようになると、あらためてSという人間像が違って伝わってくる・・・・。

 面白いことに、ブランクを感じさせないほど、Sとは話しやすいことに気付く。むこうはむこうで、11年ぶりに私のコンタクトを取ってみようとトライした結果、私が電話でベラベラとフランス語を話してくるので、ビックリしている(笑)。なので、思わず

私「ねえ、ちょっと、私さあ、これでもフランス語上達したでしょっ(ちょっと自慢げに)」

S「うん、ちょっとどころじゃなくて、こうやって話すことができるのって、おもしろいねぇ」


 そんな彼は、現在南仏在住。ところが来週いっぱいパリに滞在しているという。それじゃ、さっそく会おうっ、ということになり、我が家にやってくることになった。




今から4年ほど前、暇つぶしにミニテルで遊んでいる時に、ふとSのことを思い出して住所を探してみたことがあった。そして、見事に彼の名前がヒットしたので、自分の近況報告もかねてハガキを出してみた。

 が、そのハガキが一ヵ月後に我が家に返送されてきた。私は、なんだかよく事体を理解することなく、それ以後Sのことを忘れていったのだった。が、実は、今になってそのことをSが説明してきた。

 実はSは6年一緒に暮らしてきた妻同然の女性と別れたばかり。で、この女性が見ず知らずの日本人女性からのハガキをみて、嫉妬に狂い、私のハガキは一度ゴミ箱へ行ってしまった挙句、なんらかの方法で私のところへ舞い戻ってきたらしい、ということ。

 個人的には、どうしてSの彼女が私の絵葉書に嫉妬するのかサッパリわからないが(夫と一緒に住んでいることなど、きちんと書いたわけであり、やましいことなぞなにもないっ!!)、その時のことをSがしっかり覚えていたので、もしかしたらまだ私がパリに在住している確率があるかもしれない・・・、と思ってふと大使館に問い合わせてみた、というわけだった。




 おりしも、我が家には一足早く、美しいY嬢がクラリネットを持ってやってきていた。Sに“かわいい日本人女性がきてるわよん”と言うと、全力疾走でやってくるという(←典型的なフランス男)。

 Sが来るまで、Y嬢がクラリネット、私がピアノでブラームスのアンサンブルを練習してみたのだが、2人とも練習不足のためアウト。Y嬢が持ってきたこの曲のCDを聴いて、それにあわせて弾いたフリをするのがやっと(汗)。

 2人でこりゃ、ヤバイねえ・・・・、なんて言っているときに、Sが登場。以後、3人でおしゃべり。本当に久しぶりに再会するSは、昔よりちょっと太ったようにも見えるが、性格は相変わらずガキくさいので、つっこみどころ満載。とはいえ、2人の日本女性に囲まれて、気分がよさそうだった。

 Sは、現在は哲学の先生をやりながら、画家としても活躍しはじめたようで、現在パリ郊外でやっている自分の個展の宣伝を、ちゃっかり私たちにして帰っていった。

 その後、夫のことも知っているY嬢曰く、「なんかゼロの周りって、似たような人が多いよね」とのことだった。ま、つまりは男でも女でも、非常にお喋りでガキが多いってことだろうか?!?!?!。確かに・・・・・あたっている(笑)。



 機会があったら、今度はSを夫に紹介してみようと思っている。きっと私を超えて、コイツらは妙に意気投合しそうな予感がしたゼロでした。


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