ゼロの視点
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2004年01月20日(火) 女性心理

 午後8時過ぎ、アイリッシュ・パブで一杯呑んでから、映画『Nathalie (2003/Anne Fontaine監督)』を観る。

 ファニー・アルダン演じる中年ブルジョワ主婦とその夫、ドパルデュー。彼が出張先から戻ってくる日は、彼の誕生日でもあった。それにあわせて、夫をびっくりさせようと、妻は盛大な誕生パーティーを開いて、その帰りを待つのだが、結局夫は、飛行機に乗り遅れ戻ってこない・・・・・。

 翌日、妻は夫が家に置いていった携帯を目にする。聞かずにはいられず、留守電のメッセージを聞くと、昨日の夜、夫が他の女と過ごしていたことが発覚する。

 意を決した彼女は、売春バーへ行き、そこで働くエマニュエル・ベアールに自分の夫を誘惑することを頼む。そして、その詳細ないきさつをベアールがアルダンに語っていく・・・・・。

 ま、大雑把なあらすじではあるが、こんな感じの映画。セックスシーンはほとんどなく、ほとんどすべての“エロティック”なシーンは、エマニュエル・ベアールの口によって語られるだけ。だが、妙にすけべでいいのだ。ファニー・アルダンの声も非常によい(私は彼女のファン)。

 日常生活、仕事など、すべてに恵まれているように思われるアルダンと、若くてセクシー、プラス美しいとはいえ、社会的には決して恵まれているとはいえないベアールの間に、生まれていく奇妙な共犯意識・・・・、そしてそれが徐々に友情に変化するか?、という微妙なライン・・・。



 最後にどんでん返しがあるのだが、私はこの映画を観はじめてちょっとしたら、だいたいこうやって終わると気がついていたのだが、一緒に観ていた夫は見事に気付かず・・・・(笑)。

 ここに男と女の究極の差を見たような気がした。この映画の監督についても、どんな人が作ったか?、等ということはひとつも調べもしないで観に行ったのだが、観ているうちに、こりゃ、女がメガホンとったな・・・・、とすぐ気付いたものだ。

 夫の反応を書くと、ネタばれになるので今回は書けないが、爆笑してしまった。やはり、あいつは単純すぎる・・・・。

 映画『ラスト・サムライ』と比べたら、遥かに少ない予算で作られたであろうこの映画、とはいえ105分の間、まったく飽きることなく楽しむことができた。

 それにしても、もうすぐ55歳になるというファニー・アルダン。なんともいい女だ・・・・・・。


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