ゼロの視点
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2004年01月16日(金) 干物と映画

 昨日、フラッと立ち寄った近所の魚屋でみつけたアジ。アジをこの店で見かけるのは、本当に珍しい。何度かアジの前を行ったり来たりしているうちに、どうしても“干物”を食べたいという激しい欲求にかられてきて、とうとう買ってしまった。

 しかし、だ。干物を食べたいと思ったとはいえ、作り方なんぞ知らん・・・。

 ゆえに、ネットで色々と作り方を検索して、本日の早朝から干物作り。意外と簡単でだった。我が家にはテラスがないので、窓のところに仕掛けをして、アジをヒラヒラと干してみた。きっと向かいの住人などが、奇妙に思ったことだろう。

 洗濯モノは外に干してはいけない、というフランスとはいえ、魚を外に干してはいけない、とは聞いてないので、ま、いいか。風が少し強い日だったので、アジが窓辺でヒラヒラ舞っている。なかなか風情がある。

 ヒラヒラと舞うアジを見ているうちに、アジの南蛮漬けも食べたくなってきたので、いそいで魚屋へ飛んでいってみたが、すでにアジは売れきれ。それでも南蛮漬けと一度頭にインプットされてしまっている私は、諦めきれずイワシを大量購入して、これで南蛮漬けを作ることにした。

 これで週末は、嬉しい魚づくしになりそうだっ!!

 アジを干したまま、夕方レ・アールに映画『ザ・ラスト・サムライ』を夫と一緒に観に行く。14日から封切りとは全く知らずに行ってしまったおかげで、物凄い人。特に、パリ郊外のアラブ人や黒人のちょっとワルぶってみたい盛りの少年らがたくさん。

 ゆえに、当然、会場はワイワイと賑やか(言葉を変えればウルセー)。時間ギリギリに映画館に到着したわしらは、ほぼ満席状態に近く、すでに二人一緒に並んで座れる席はなし。

 この映画は、以前別の映画を観に行った時に見た宣伝で、思わず真田広之の剣さばきに惚れ惚れして、ただそれだけで観たいっ!!、と思ったものだ。あとは、トム・クルーズだし、たいしたことないのだろうと思っていたら・・・・・、予想を裏切って楽しめた。

 確かに、色々と突込みどころは満載なので、それを言い出すときりがないのだが、でも、3時間飽きることはなかった。

 とにかく、私の第一の目的は前述したように、真田の殺陣。うーーん、美しかったぁ・・・・。

 日本映画業界で働く、幼なじみM嬢。以前から彼女とは、どの俳優が一番熱心に役に入れ込んで、素晴らしいか?、等という話をしているのだが、彼女がいつも挙げる人間は同じ。それは、真田広之と佐藤浩一だったりする。とにかく、撮影前の準備、撮影後の編集までをすべて考慮した上で、演技にいどむ彼らのプロフェッショナルな姿には、M嬢感動しまくり。

 そのような背景もあり、この映画で真田広之(別にファンじゃないが)の演技をみながら、出番が少ないとはいえ、確実に存在感を感じさせるところに魅入ってしまった。

 彼の役どころは、非日本人にはちょっとわかりにくかったのではないだろうか?!?!?!。

 さて、夫のほうは、もちろん渡辺謙に注目してたらしい(ま、注目せざるをえないが)。また、昔たった一人で、西洋人もいないような中国の田舎で太極拳を覚えたという人間だけあって、映画を見ているうちに、彼はトム・クルーズに激しく感情移入していた模様。そう、もう気分はすっかりトムな夫・・・・(汗)。

 夫曰く、この映画ではトムは、何度も何度も日本人にやられても、どんどん武士道のよさに魅入られていき、自分の傲慢などを捨て去っていくところが、素晴らしい、とのこと。だからこそ、渡辺謙に役者として完全に食われてしまっていても、それはそれでこの映画のネライなのだ、ということらしい。

 ふーーーーーん、そうなの?!?!?!。

 悪ぶった少年達が埋め尽くしている映画館は、各場面で笑いが起こったり、拍手が起こったり、それはそれで別な意味で楽しめた(ま、楽しめたと言い聞かせてないと、イライラするほど)。明治天皇の英語に、もんどりうって笑う彼ら。おまけでラストは、爆笑のうちに終わってしまい、個人的には物足りないが、ま、彼らの考え方というのもわかったので、よしとする。

 また小雪がトムの着物を脱がせているところで、となりのカップルが“俺だったら、こんな風に脱がされたら、絶対アソコが勃っちゃって、なかなか鎧をつけられないだろうな・・・”など、リアルなご感想を述べている。

 会場を出ながら、つくづく思ったのだが、反乱武士側について戦いつづけた外国人って、実はフランス人じゃなかったっけ?、ということ。そう、ブリュネ氏じゃないかっ?!?!?!。

 そんなこともあり、すっかりトムになりきっている夫に、本来ならこの映画はフランスが作るべきだったんじゃ、と延べてみたが、じゃ、誰がトムの役をやるか?、ということで意味不明に盛り上がった。

 もし、トムのように小さい俳優である、クリスチャン・クラヴィエがやったら、合戦の最中にギャグやってコメディになってしまうことだろう。
 


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