ゼロの視点
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2004年01月14日(水) 告白

夜は、16区在住の友人夫妻宅にてディナー。16区といえば、高級住宅街としても知られており、個人的には決して住みたいと思えない所とはいえ、そこに住んでいる友人らの家に上がりこむのは好きな私。つまりは、“お宅訪問”ってわけ。

 今回のディナーは早めの設定で、午後7時〜7時半の間に来てくれと言われていたが、ついついダラダラしていたら、遅れてしまった。ま、いずれにせよ、時間より前に到着することが“必ずしもよくない”とされているフランスゆえ、ま、いいか・・・・。

 到着すると、すでに夫や、もう一組の夫婦などがアペリティフを始めていた。ホストであるPの妻Fの帰りを待つばかり。テーブルセッティングもすべて完璧・・・・。ってことは、少なくとも夫のPが一人でやったのだろう。スゴイ。わが夫はこんなことしてくれるか?!?!?!、などという考えが頭をよぎる。

 もう数年前からP&F夫妻とは付き合いがあるのだが、色々時間があわず、今回はじめて、彼らの家にいったわけだが、彼らのスタイルからして、絶対に恐ろしいほどブルジョワスタイルで、塵ひとつも落ちてないようなきれいなアパルトマンなのだろうと予想していたが、その通りだった。我が家とはあまりにも違うので、笑いが出てきてしまう。

 さて、Pの身のこなしは妙にかっこいい。というか、私にとって、気になるしぐさであったりする。決して彼は背が高いわけでもないのだが(身長が171cmあり、ハイヒール大好きな私にとって、大きいと感じさせていただける男性は意外と少ない)、時に退廃的、時にセクシー、それでいてキビキビと動く彼の仕草に、なぜか惹かれる私。

 そして彼の妻であるFの笑顔がすごく綺麗なことも付け加えておく。品があり、彼女がニコッとするだけで、その場がもっと明るくなるような感じ。おまけにかわいい声とその話し方が、またまたオリジナルだ。

 ゆえに、いつもこの夫婦と時を過ごすと、なにか非現実的な世界にいるような気がしてならない私。なんで、ここまで格好よく存在していられるんだろう、彼らは?!?!?!、と思わざるをえない。

 が、本日はFの笑顔があまり見られなかった。疲れてるのかな?、等と簡単に考えていた私だったが、実際はそうではなかった。ディナーの席上、私はPの隣に座り、私の前に座った、初対面のもう一人の女性などと話しまくっていたゆえ、あまり彼女と話す機会がなかったこともあったのだが・・・・・。

 選びに選び抜かれた、ワインをどんどんと開けてくれるPに対して、ついつい調子にのって、クイクイとグラスを空ける私。久々に飲みまくっているような気がする・・・・・。昨日まで体調不良で寝込んでいただけあって、病み上がりの酒はまわりが早い・・・・・。

 夫のほうは妻Fの隣に座っていたゆえ、色々と彼女と話した様子だった。食後、皆でソファーのあるサロンに移動して、今度はシャンパンのみながらデザートの時間になったわけだが、深々とソファーに座ると、一気に酔いが回ってくる私・・・・・“ああ、ギブアップ、帰りてえーーーー”という感じだ。

 ま、それでも“それじゃ、失礼”とそそくさと帰るわけにもいかないので、グルグルまわる頭ながら、色々と会話に参加する。この時点でも、妻Fの顔が暗いのを感じて、こんなに彼女が疲れているのだし、やっぱりそろそろ帰ったほうがいいのだろう、と解釈。そして、やっとのことで区切りを見つけて、彼らの家を後にする。

 すると、夫がエレベーターの中で「ボクたちも彼らのようにならないといいねぇ・・・」等と私に話し掛けてくる。

私「??????、何ソレ?」

夫「気がつかなかったの?、彼ら離婚寸前なんだよ・・・・。」

私「ゲッ、でも全然そんな話聞いてないよ?」

夫「あ、そうか、そういえばゼロは遅れてきたんだよな・・・」

 彼らの家に一番で到着してしまった夫は、ホストのPと一対一で、色々と話をする機会があったそうである。で、Pの衝撃的な告白“ボクたち夫婦はもうもとに戻れないところまできてしまった”、というのを聞いてしまったらしい。

 そして、ディナーの時に今度はPの妻Fの隣に座っていた夫は、Fからも「恐らく本日のディナーが、私達夫婦揃って友人を招くという最後の機会になるんだと思う」という告白を聞いたとのこと。

 私にとって、大好きな夫婦だったゆえ、ショックだった。彼らが一緒であってはじめて、あの形容もつかない優雅さを醸し出しているわけであり、もうあの雰囲気を味わせてもらえないとすると・・・・・。

 Pが昨年の初夏から6ヶ月間、外国で任務を果たしている間に、完全に夫婦間がおかしくなってしまったらしい。6ヵ月後にPがフランスに戻った頃には修復不可能、そして現在に至るとのこと。すでに家財や財産の分け方まで話しあっている段階らしい・・・・。

 

 信じられん・・・・・・。



 そんなわけで、さっきまでグルグル回っていた頭が、シャキッとしてしまったゼロでした。


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