ゼロの視点
DiaryINDEX|past|will
2003年12月13日(土) |
ちょっと変わった場所 |
日中は、ずうっと母と喋って過ごした。覚醒してきた母は、ほぼ普通に戻ってきていて、こうなってくると、お喋りが一段と楽しくなるものだ。
母にとっては、17年と半年一緒に過ごした愛犬マルチンの死があまりにも強烈だったため、その状況からいかに回復すると同時に、あたらしい生活習慣を築き上げていくか?、というのが今後の焦点になる。9月下旬にマルチンが天国へ旅立ち、喪に服すように鬱状態になり、このままじゃヤバイと母も思ったところで、「パリに来る?。」と誘ったところ、これに飛びついてきた母親。
落ち込むだけ落ち込んで、意識が混濁するだけ混濁したとしても、この旅行次第では、喪の終わりと、新しい生活のスターと地点にもなりえる訳で、こういった親子だけでの話し合いというのは、非常に重要。
こんなことをしていると、あっという間に日が暮れてしまった。このままただ一日をどこにも行かずに終えるのも惜しいので、ちょうど家に戻ってきた夫を誘って、3人でモンマルトルのサクレ・クール寺院へ行くことにした。雨が降っていたが、そんなことはお構いなし。
石畳の道を、夫に手を引かれ歩く母の姿が妙におかしかった。モンマルトルのレストランで食事したあと、バスにのり、ピガール界隈まで出る。このあたりをフラフラ散策していると、ふと、エロティズム美術館があることを夫と私が思い出す。
ここでイタズラ心がもう抑えきれなくなってきているわしら夫婦は、母には“夜でもあいている美術館があるから行ってみようっ!!”とだけ伝え、そこに母を連れ込む。とりあえず私達にくっついてきただけの母だったが、実際入場してみて、そこに飾られているものが、セックスオンリーであることにヤット気付き、大変ビックリしている。もう、私達はおかしくて笑いが止まらない。
ビックリして、こういうものを見るだけでも罪悪感を感じるなんぞほざいていた母だったが、とはいえ見るものはちゃんと見ていたりする(笑)。表情も妙に明るい。そんな様子を、夫が写真をパチリ。被写体となった母の背後には、おっぱい丸出しのオブジェなどが並んでいる。うーーーん、いい記念写真だ。
デジカメゆえ、さっそく撮った写真を母に見せると、「あんたたち、だましたわねっ!!」と文句いいつつも、笑っている。
色々な作品だとかを見ているうちに、母がふとこういった。
母「うちのお父さん(つまりは私の父)も、私にかくれてこういうところきてたのかしらねぇ?!?!?!」
私「・・・・(爆笑して答えられず)、夫に聞いてみなよ」と言いつつ、母の言い分を訳すと、夫が爆笑しながら、
夫「そりゃそうでしょうね。男なんてそんなもんです。」と答える。で一同大爆笑。
そんなわけで、本日は母到着当日には想像できなかったほど、色々と楽しく過ごせた一日だった。
|