2008年02月07日(木) |
手ごわい自意識とニセモノの孤独を壊す本 |
孤独と不安のレッスン 鴻上尚史 2006年 大和書房
最近読んだ本たちは、全然関係ないようで、心と身体の不調を治す 方法、困難な人生を乗り切る知恵が書かれている。
般若心経・・宗教・信仰系 セロトニン・・科学系 直観医療・・スピリチュアル+科学
そして、この本は、実践的で日常から不調を治す方法が書かれていると思う。 (深刻な病の場合は医者にいくことが一番いいと率直にかいてあるのも好ましい) 病気になってしまったら、病院へ行く。 でも、その病気にならないための本としての4番目でしょうか。
私も「ニセモノの孤独」しか味わってないのかもしれないな〜とか 自意識のバランスが悪いんじゃないかな〜と思ったりしていたのですが これを読むかぎり、まずまずイイ線いってるんじゃない?と自信がもてました。
「美しいもの」「楽しいもの」など人間以外のささえをみつける、ということは 若い頃から、「好きなこと(美しいと思うもの、楽しいこと含む)」が沢山あること は幸せで生活できる近道だと知っていました。だから私は好きなことが沢山。 だから、というのはおかしいかも。好奇心旺盛なのは、意識・無意識どっちなのかわからない。
「若い頃に、孤独と不安のレッスンをしておくほうがいい」ということもそう思っていて、実践してきた。 それは年長者のありがたい助言のおかげでもある。
「友達100人できるかな」という例の歌の功罪もかいてあって、世の中の人みんなそろそろあの歌はアカンて気付いてるんじゃないの?と思ったり。
「今ある自分」と「ありたい自分」の差を縮めることも自然にこころがけてきまいた。 「自分のことばっかり意識してる自分は恥ずかしい」と書いてあるけど、本当だと思う。 私も「自分が思うほど他人は気にしてない」と思うことから初めて、自意識を抑えてきましたから。 現代は、すごく余裕と時間があるので、「自分さがし」なんてことに邁進できてしまうのだとわかっていたし 豊かなことが=幸せにならないこともそれでわかっていた。
自分のことばかり考えすぎると、自分のことを大事にするのは違うのね〜不思議。
と、実践できていることがほとんどで、納得できる話ばかりです。 でも、この本を読んで、不安と孤独にさいなまれている子がすぐに助かるとはやっぱり思えないな。 もし助かるのだとしたら、糸口が見え始めている子かもしれない。そして、大切な 「おみやげ」を持たないでもゆるしてくれる人を2人は持つ。
が1人でもいる場合かもしれないな、とも。
この「おみやげ」は以前に「男子のための恋愛検定」でも出てきた 恋愛における「資源交換」ともえいると思う。 やはり何も提供できない人に、惜しみなく与え続けるのは非常に辛い。 この本にも、1人だけに頼っていると、その1人とも破綻してしまうとあって 2人で分担、そしてずっと「おみやげ」なしでいいか、というとそんなことはないともある。
「他人との距離」この本に書かれていることで、私もまだまだ出来てないと思うことは この他人との距離のあり方。 うまくやってるつもりでも、「他者」「他人」の境目にいる人に対しては時々扱いに困るときもある。 でも、それはそれで間違ってないともこの本を読んでいてわかる。 人間関係で悩んでない人などいないからです。
この本を書いた人、鴻上尚史さんの舞台を残念ながら一度も見たこと無いのです。 時々出てくる演劇関連の話とか、友人の話を読んでいると 人間に関わって生きてきて、人間が好きだからこそ、こういう本を書けるのだな〜と 暖かい気持になりました。大学で教えていた時に学生さんにアドバイスした話とかも 若い人に対する視線とか生きていくことを応援している気持が溢れていていいです。 私も若い人が近くに沢山いるから、こういう本に出会って、人生をよりよく生きて欲しいな〜と ついつい願ってしまうから、こんな本にたどりつくのかもしれません。
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