2007年09月13日(木) |
本「わが家は自閉率40%」 |
星空千手 中央法規出版 2007年
自閉症、アスペルガーとよく耳にし始めた、いくつかの本も読んでみた。 でもとてもでないけど、わかったといえるものではない。 それはしかし当然だと思う。 それはこの本を読んで改めてそう感じた。
著者の千手さんは自らを自閉だといい、長男さんもそうであるとこの本を書いているのだけれど。 しかし、この本を読むと私も自閉なのかな、と思えてくる。 別に判定テストとかついているわけでも、自閉とはこうだ!と書いてあるわけでもない。 ただ、人はそれぞれみんな違っていて、少しずついろんな特別なところがあるだけのこと。 それが一応この世界に合う癖とか体質とかであるかどうかということが浮かび上がってくるから。
一部の人間、大多数のこの世界に合う人たちが作った普通とルールにマッチしなかったら普通でなくなるのだ。 私の短くもなく長くも無い人生も、普通だと思いたいけど、案外そうでなかったと思う。 ただその普通でないかもしれない部分は、明らかに目立つことでもなく、普通に紛れやすく 多くの他人によって指摘される機会が少ないだけなのだ。
全てが著者の目から通して書いてあるので、一方的にしか周囲との関係はわからない。 でも、「終わりに代えて 愛だけのある場所」と「ぼくは、信じる」を読むと 著者の懸命さと冷静さがわかって、それだけで納得できる。
知識や技術はあるといい、でも一人の人間のそれはたいしたものではないだろう。 しかし愛と受容は絶対ないとダメだな。一人の人間のそれでも世界は変わることがあるから。 他人から受け入れられたという記憶は、その人にとって一番の土台になるのだということ。
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