2007年08月02日(木) |
本「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち」 |
内田 樹 講談社
下流〜て言葉が擦り切れるほどアチコチで使われているので、またか〜と思うかもしれないけど この内田樹さんが書いているのなら、それは別です。 雑誌やほかの本でも、常にマークしています。
そしてもう読みたい本が沢山すぎてこの本もご他聞に漏れず、斜め読みです。 でも、でも、その斜め読みですら「あ〜そうよね」と思える箇所がバンバン出てきます。
ここから私の最近思ったこと。++++++
メモなどを取ってないので、不確かな話になることをまず断っておきます。 先日、既婚者の男性が10代の女性と不倫したのだが、それは恋愛であるから罪に問われないという判決だったと思います。
恋愛だから、いいのか〜?と私は腑に落ちませんでした。 本人同士が恋愛といいはってるのだから、いいじゃないか、と思える部分もありますが 私の中では、恋愛を咎める気持ちではなく、 若い人の知識と経験の足りなさが問題で、恋愛だからいいと言い切れなくしているのでした。
既婚者と恋愛、つまり不倫をしたら、妻は不倫相手に慰謝料を請求できたと思いますが 成人もしてない女性は、その事を知っていて恋愛をしたのでしょうか。 もちろんそれだけじゃなくて、年も離れた既婚男性と不倫をすることのリスクとか、 全く無知なのではなかったのかと疑問が浮かびます。 愛があればお金なんて!とか若い時はいいますから(私は言わなかったけどw) リスクなんて全く問題無い!と思ってるんだろうな〜とも。
この私の疑問は、この事件の当人同士の気持ちとか、結果オーライだとかを問題にしてないです。
若いってすばらしい〜と思えることもあるけれど、 自分が年齢を経て思うことは、若いってすばらしいけど、その代わり危険もいっぱいだな〜ということ。
私のように用心深い人間ですら、10代から20代にかけて、無謀で危険なことが沢山でした。 よく無事に今まで生きてこれたよ、やっぱ運がいいんだな〜と思える。 親や周囲の大人の気持ちもやっとこさわかるようになってきたよ。忠告や心配を面倒だと思ってごめんとも。 (もちろん親ではないので、本当に親の気持ちはわからないとは思うけど)
だから、好きだから〜と妻も責任もあるいい大人が、ほとんど無知といっていい子どもを巻き込む。 そういう好きってなんだろう〜?その男性は、2人の女性の人生を台無しにするかもしれないのにお気楽でいいな〜と思えた。
もちろん、若くない人も無自覚で、無責任で、どうしようもない人は沢山いるので 恋愛したことを責められるのは不本意かもしれませんが・・・
でも、やはり「好き」という感情を美化して、何にも知らない子どもを巻き込むのは罪には問われなくても、罪深いな〜と思えたのでした。
くどいようですが、相手の女性が「私がいいっていってるんだから、いいのよ、ほっといてよ」と言うとしても無関係です。
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「これを勉強することにどんな意味があるのですか?」と問い、自らの判断で勉強を放棄する子どもがいるという話が載っていました。 自分で価値が認められないと、その子どもは判断して、ろくに計算もできない、字も読めないまま年だけ取っていくのです。 これが子どもに課せられた自己責任だとしたら、本当に恐ろしい。
若さのみに、絶対的な価値を置き、もてはやす。 そして個性的なこと、人と違うこともすばらしいと錯覚させること。
どこからそんな道筋ができてしまったのかと思う。
狭い世間しかしらない、なんの経験もないのに、子どもに選ばせる、判断させるって怖いことですよ。 何でも親が決める弊害もあるけど、なんでも子どもに決めさせる害もあるってことですよね。 もちろんまっとうな親なら、そんなことは言われるまでもなく知ってるはずですが。
子どもを育てる、教育すること。 これは本当に辛く地道で終りのない作業だと思います。 それは工場の製品でない、1つ1つ特別なものだからです。
子どもに選ばせない、子どもにまかせっきりというのは、その辛い作業から逃げていいのかと思います。 何でも子どもに決めさせる、何も子どもに決めさせない そんなことをしている大人は、その辛さから逃げて楽をしているのだと思います。
現代は、何もかも便利でで、子育てくらいしか、地道で我慢を強いられることは無いんじゃないでしょうか。 (何かを育てることをしている人は別です) 自分でも作らなくても、既製品があふれている世の中。 子どもは既製品ではないのです。
この本を(斜め読みですが)読んで、そんなことを思いました。
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