子供時代やり直し

ダーは私の事を娘のようにかわいがる。
実際、ダーは、「セックスしている時以外は、男女の愛を越えた、親子愛みたいなものを感じる。」と言っていた。

ダーといると、子供時代をやり直ししているような気分になる。
うちは、両親が離婚して、父親は家にいなかった。私は別にそれを周りが言うほどかわいそうな事だとは思わなかったし、父には時々会って、遊んでいたし、父の事は嫌いではなかったが、あの浮世離れした父が、家に家族としていた方が、私はきっとおかしくなっていただろうので、ぱっきり離婚してくれた母に大感謝である。

世間では、片親の家庭は、子供の情緒などに悪いとされているが、私から見れば、例えば暴力を振るう父親であったとして、でも母親が「子供の為に」と、我慢して離婚しなかったりしている家庭の方が子供に悪いと思うんだけど。

それに、私は、片親であっても、何不自由なく育った。お洋服だって、そこらへんのガキンチョよりいいものを着させられていたし(私は母の着せ替え人形だったから(笑))、おもちゃだっていっぱいあったし、遊園地や、行楽地だって、母は、そういうところが嫌いだったけど、周りの自称「リカの父・母」が、いろいろ連れていってくれた。ディズニーランドだってクラスで一番最初に行ったし、普通の子供が行けないところ(ディスコとか、クラブ(水商売の方の)とか。)にも行けたし。片親だからって、後ろめたい気持ちや、劣等感を感じた事なんて、一度もなかった。むしろ、楽しい我が家を誇りに思っていた。

なにせ、両親がいようと、片親だろうと、親が子供に、「あんたの為に我慢してるのよ」という所を見せてしまったら子供は、罪悪感を持って、情緒不安定になるような気がする。
そういう面でも、母に大感謝だ。
母は、確かに、女手一つで私を育てたのだから、いろいろ我慢したり、苦労もしただろうに、それを私に感じさせず、むしろ、とても自由奔放に生きてきたように見える。だから、私は変にひねずに育ったんだなぁと思う。

でも、ダーと付き合って、一緒に住みだしてから、毎日家に、愛する男の人が帰ってくるという事を初めて感じて、なんだかまいってしまう。

ダーを、お土産もちょっと期待しながら「おかえりなさい」と迎える気持ちや、休みの日、「よし、○○いこうか!」とダーが言った時の、あのすごく嬉しい気持ちは、子供の時にはあまりなかったように思う。大好きな父親が家にいると言うのは、こんな気持ちなのかなと、ふと考えて、ちょっぴり切なくなるけど、同時に温かいものがこみ上げてきて、鼻の奥がツンとする。

たぶんダーは、父親に、こんな風にかわいがられたんだろうな。
そして、同じ事を、「自分の娘」である私にしてくれているのだろうな。

私は愛されて育った。これは断言できる。母は、友人が多く、家には常に人が出入りしていたので、その人達からいろんな事を学んだし、貴重な経験もできた。
でも、それとはまた違う、「あたりまえの、普通の子供時代」を、今、ダーに満喫させて貰っている。
「いっそのこと、俺の養女になる?岡本太郎形式に」と、笑って話すダーリンに、とても感謝です。
2002年07月05日(金)

宝物 / リカ

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