前世の記憶 |
私は、小さい頃に続き物で見た夢がある。 自分でお話を作る能力すらない年だし、 つじつま合わないあたり、TVでやってたようにも思えないので、 たぶん前世の記憶。 こんな夢。
私は、古い洋館から走って逃げている。 中世の人が着ているような 釣鐘ドレスを着ている。 洋館の庭はとても広く、 門までなかなかたどり着かない。 私は多分、20代半ば。 10歳くらいで、肩までの髪の男の子と 必死で門まで走る。 朝日が昇ってゆく。 やっとのことで門までたどりつくと、 男の子は門のポストのような箱に身を隠す。 朝日から身を守るために。 彼の父親から逃げている。 かれも、彼の父も、吸血鬼らしい。 私は彼に、一緒に行こうと言いたいが、 彼の身体を焼く朝日にどうする事も出来ず 門まで来て困り果てる。 彼は、僕はここで夜が来るのを待つから、 君はお逃げと言う。 私は、彼を置いて行くことが出来ず、 おろおろとしている。 すると彼は、その小さな木箱の中で、 三角座りで小さくなり、 うつむき加減で静かに泣きながら しっしっと私を追い払うようにして、 行け、と言う。 私は泣きながら、走ってその場を後にした。
数日後、その続きを夢見た。
私は誰かと船上結婚式をする。 苦労はしたが、今は幸せ一杯だ。 その船には、教会があって、 そこで永遠の愛を誓い合った。 その夜、 船は嵐に巻き込まれ、 暗い海のそこに今にも沈みそう。 遠くのほうで「あと一人だ!」 と言う声が聞こえる。救命ボートだろう。 昼間愛を誓い合った相手は見当たらない。 早く、ボートに乗り込まなくては、と、 走り出す。 教会の前を行き過ぎようとして、 人影に気づき、立ち止まる。 彼がいた。 あの時と同じように、身体を小さくして。 十字架を背に、とても小さく。 私はまたもや、走れずに、彼を見て、 立ちすくむ。 彼は、また、泣いていた。 そして、また、私を追い払うように、 行け、と手で合図する。 私はまた、泣きながら、 彼を見捨ててしまう。
そういう夢。 そういう前世の記憶。
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2002年07月03日(水)
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