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2002年10月21日(月) いよいよ最終回

こんばんは。最終回担当のあゆです。
題名読んで「りゃ!」が最終回かと思ってホっとしているあなた。このあとまだまだ「りゃ!」は続きます。番組終了間際にテレビでよく聞くセリフですね。やっぱり危ないんでしょうか。「りゃ!」は。いいえ、「りゃ!」は大丈夫です。それより書いてる人たち自体が「危ない」人たちだということが心配です。

リレー小説が始まって、
何を考えているのか。
脳の中身はどうなっているのか。
通常の家庭生活は送れているのか。
何を食って生きているのか。
トイレが詰まってしまったがどうすればいいのか。
等々
様々なお問い合わせをいただかなかったことを
ここに厚く御礼申し上げます。



しつこいようだが最終回。
こんなことをウダウダ書いているのも
この期に及んでまだ最終回のストーリーが決まってないからなのである。

何をトチ狂ったか鬼馬二を鬼母二と連呼してしまった私。
穴があったらほじくりたい気持ちだ。

いろいろな気持ちをこめて、いざ。



◆◇◆◇◆◇◆
花王愛の劇場
『果てし無なき夢のために』最終回



段田男先生は目を閉じて僕の歌を聞いていたが
僕が歌い終わるとゆっくりと目を開いて言った。


「君、今歌ったのは何という歌なんだ?」

「僕が作った『雨上がりの桟橋』という歌です。他にも『女のケモノ道』という歌も作りました。」

「なかなかいい歌だったよ。よかったらその『女のケモノ道』も歌ってくれないか」

僕は心を込めて歌った。

「うんうん。いいね」

段田男先生が僕の歌を誉めてくれた!

鬼馬ニに捕まって僕の夢も終わりかと思っていたけれど
もしかしたら・・・うまくいくかもしれない。

「君、事務所の人と相談して後から連絡するから連絡先を教えてくれないか」

「ありがとうございます!」
僕は電話番号を書いたメモを段田男先生に渡した。


その日、僕は眠れなかった。
今日一日起こった奇跡のような出来事。
不可解な鬼馬二一家。
段田男先生との出会い。
わけがわからなくて無茶苦茶で
まるで「りゃ!」のオフ会みたいだった。


しかし・・・

その後18年経っても段田男先生からの連絡はなかった。

そして今、僕は普通のサラリーマンだ。
隣には鬼馬ニがいる。

あのあと、鬼馬ニがウチに来て
子供ができたから結婚してほしいと言ってきたのだった。

僕は神に誓って鬼馬ニには指一本触れていなかった。
だが僕が気絶している間に鬼馬二がテクを使ったのだと主張したのだ。
もう僕の思考回路はその機能を果たすのをやめてしまっていた。
僕は鬼馬二家の婿養子に入った。
子供は鬼馬ニそっくりの女の子だった。
鬼馬ニは子供に「名前」という名前をつけた。
自分は読み仮名で苦労したからといって、そのまま「なまえ」と読ませることにした。今年17歳になる。
雨も降っていないのに、
毎日「名前」と書いた傘を持って出かけている。

生ける屍のような僕。
僕の夢、僕の人生はあの雨の日で終わってしまった。

今日もちゃぶ台に座って一人でチビチビとお酒を飲んでいると、
僕の聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきた。
テレビを見ると段田男先生が派手な衣装に身を包んで歌っていた。

「このメロディーは・・・」

間違いなく僕の作った『雨上がりの桟橋』だった。

「段田先生が僕の歌をパクった?」

しかし、よく聞いてみると歌詞が少し違っていた。
僕が書いた詞は、恋愛の歌だったのに
今段田先生が歌っている詞はなんだか様子が違うのだ。

やがて段田先生は歌い終わり笑顔で司会者に迎えられた。

「印田男さんで『雨上がりのさん橋』でした」

いんだだん?段田先生じゃないのか?
それに今司会者は確か
『雨あがりのさんきょう』と言ったぞ。
どういうことだ。

司会者が言った。
「しかし、印田さん、さん橋さんの落語家人生を見事に歌い上げていますね」

さんきょう?落語家?


無理やりすぎないか?
僕はあゆに問いたかった。


「それでは続いて印田さんに『女、のけもの道』を歌っていただきましょう。」

「女、のけもの道」・・・。
いくら今日が最終回っつっても、あまりにもひどい。

僕はテレビのスイッチを切った。

段田先生の偽者に自分の歌をパクられ、
僕は自分の人生のスイッチも切りたくなっていた。

その時、名前が外から帰って来るなり何かを玄関先で叫んでいる。
あわてて出てみると、名前は一人の男を肩にかついでいた。

あの日の僕と同じだった。

とりあえず、この男の目が覚めるのを待とう。

この男が僕と同じような人生をたどるのかと思うと
わくわくしてきた。

僕の新しい夢は、これから始まろうとしているのだ。

−完−






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