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2002年10月20日(日) いよいよ次回が最終回。

たったいま、長女と次女とのショッピングから帰ってきたおやびんゆみなです。

原宿だからと侮ってはいけない。
安い安いと思って、つい買いすぎてしまった。
チリも積もればアニータである。
分からない人は置いていきます。
自分も置いていきます。意味分かってません。


さて、いよいよ『果てなき夢のために』も終盤に入ったが、
なんと「僕」の名前はヒロシだったんだね。
しかもヒロシは歌手志望だったんだね。
その上、オーディションに向かう途中だったんだね。
そしてドッチモドッチスキーを連れて帰ってきちゃったんだね。

って、おいっ!

るるよ!
いったい私にそれからどうやって繋げろっていうんだよ。
しかもあと二回で完結させるために、どう持っていけっていうんだよ。

ったく、このリレー小説。
始めるときは、いとも簡単に決まったが、
いざ始まってみると、やはり『りゃ!』だった。

3人とも好き勝手に書くわ書くわ、
もう次の人のことなんか全く考えてないのが一目瞭然だった。
書きたいことだけ書き並べて、行き詰まった時点で翌日の人にバトンタッチなのである。

「あとお願いね〜〜!」なのである。

お願いされてもなああ。
困るんだよなああ。


その上、るるの番は昨日で終了したのだが、
るるは最後の最後までタイトルを覚えていなかった。

前回は「果てしなき夢のために」だったし、
昨日は「果て無き夢のために」になってた。

正確には「果て無き」ではなく「果てなき」なのである。

るる。
もしリレー小説の第二作があったとしたら、
せめてタイトルだけは覚えようね。
一応原作者なのだからね。
第一回目に忠実にいこうね。

ってことで生みの苦しみで書いたプレ最終回。
僕ことヒロシの夢はどうなってしまうのか。

じっくり読んでおくんなさいまし。




◆◇◆◇◆◇◆

『果てなき夢のために』第10回

外に飛び出すと、さっきまでの雨が嘘のように空は澄みわたり、
木々から差す木洩れ日がキラキラ輝きながら僕に降り注いだ。

どうしてこんなことになったのだろう。

あの時、雨さえ降っていなければ。
あの時、るりことさえ出会わなければ。
あの時、るりこの傘に入ることさえしなければ。

今頃、僕はオーディション会場で夢に向かって一歩踏み外してるはずだったのに。
いや違った。踏み出してるはずだった。

運命の歯車が狂ったのはすべてあの雨のせいだった。
あげく酸性雨だったので、僕の頭はツルッパゲだった。

「ちっくしょぉぉぉぉ!」

その声に驚いたディバッグの中のドッチモドッチスキーが顔を出した。

「おおお!ツルッパゲアルか?」

ドッチモは、どこまでが名詞なのか分からないカタカナを並べてきた。
相変わらずロシア人なのか中国人なのか分からないヤツだ。
そして
「ワタシ。ツルッパゲは苦手アルよ。」と一人勝手にほざきながら、
バッグを飛び出し夜の闇へとさっさと消えていった。

そのドッチモの姿を呆気にとられながら見つめる僕は少しづつ気持ちを立て直した。

「ツルッパゲになったせいで、ドッチモが消えてくれた。
もしかしたら、まだ僕の運は残っているのかもしれない。
そうだ。諦めちゃいけない。まだ間に合うかもしれない。」

必死に自分に言い聞かせ、会場へと踵を返した。

ひたすら僕は走り続けた。
会場に向かって。
僕の夢に向かって。

しかし時すでに遅し。
会場に着くとオーディションは終了していた。

愕然とその場に座り込む僕に、背後から声をかけてきた男がいた。

「どうしたのかね?」

おもむろに振り向く僕の目に飛び込んできたのは、
今日の審査員である段田男(だんだだん)だった。

段田男。
樹木希林と同様、同じ文字の数が無駄に多い男。
『侍ジャイアンツ』の番場蛮(ばんばばん)と間違われやすい男。
香田晋が出てきたばっかりに消えた男。

「段田先生!」

僕は段田男に今日一日の出来事を堰を切ったように話した。
そして、段田は言い放った。

「だからなんなんだ?僕は段田男。」

冷たい段田の一言に明るい兆しが見えたと勘違いした僕は、
前より一層打ちのめされた。

しかし段田は

「いや〜すまない。ちょっと駄洒落を言いたくなっただけだ。
君の歌を聞いてあげようじゃないか。
だって、僕は段田男だから。」

わけわかんないことを言っていたが、今はそんなことはどうでも良かった。
僕の歌を聴いてくれる。
僕はそれだけで満足だった。


照明も消されたあとのたった一人のオーディション会場。

目の前には師匠と仰ぐ段田男先生が。

僕はるりこのこともドッチモドッチスキーのこともユキのことも
すべてを忘れて歌った。

僕の夢を叶えるために・・・


   〜次回、いよいよ感動の最終回へ つづく









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