英国留学生活

2002年05月23日(木) チョムスキー、続き

セミナーの時間に
「Tom, you know Tom.」と聞かれて、思わず
「Ah, yes, his imaginary friend.」と、
脊髄反射で答えそうになった、あぶない、あぶない。
「Tom and Thomas」のトレイラーの見過ぎか。

今日は学食で久しぶりにとんでもないものを引き当てた。
あれはなんと言えばいいのだろう、小麦粉にフェンネルを加えて
お酢で練ったものを、カレイの切り身で巻いて、
塩と砂糖を間違えたような微妙に甘いトマトソースをかけたものというか、
そう、そんな感じだ。

チョムスキーの続きを読んでみて、ネットでMITの講演を拾って
疑問に思っていたことが解決した。
私は、グローバリゼーションに対して結構ネガティブなイメージを
いだいているので、アメリカが推進するグローバリゼーション≒
ポスト・コロニアリズムという認識の元で考えていたが、
チョムスキーはそうではないようだ。マクルーエンの言うような
世界規模での相互扶助の社会という認識に近いようだ。

だから、「彼らは我々を憎んでいる。
なぜなら我々が世界中で基準になるべき資本主義、個人主義、
世俗主義、民主主義の新世界秩序を擁護しているからだ。」
という認識は自分たちへの慰めであり、
「テロ撲滅のための戦争」とか「自由世界の擁護」という詭弁を止め、
「国家テロ」対「国家テロ」に過ぎないということを自覚しろ、
ということらしい、多分。
その意味において、「文明の衝突」ではない、と言っている。
ただ、新しい搾取の形態としてのグローバリゼーションも
アメリカ文明を形作る要素の一つだから、自分たちの枠組みを押し付ける
文明に対する反発と言う意味では「文明の衝突」なのではないかという
気がするけど、日本語でも説明しがたいのにどうやって英文で書くか。

このチョムスキーの著作、インタビュー形式のせいもあるだろうが、
怜悧な印象を受けた。
講演の内容はかなり辛辣で面白い。

アンとのチュートリアルで、彼女が予測していた結論と違うことを
私は言ったらしい。
「もう少し洗練させれば、独自の意見として面白いわね。」
そしてお得意の台詞が続く。
「そう主張してもよくってよ、私を納得させられるならね」
むー、それが問題だ。


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