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2005年06月10日(金)
プランテーションツアー

<第四日目>

6:30 起床
7:30 朝食(バーボン・カフェ)
9:00 プランテーションツアー出発
10:30 サンフランシスコ見学
12:00 オークアレイ・昼食
13:00 オークアレイ見学
17:30 ホテル着
19:30 夕食(ディーニーズ)
21:00〜ライブまわり(メゾン・バーボン、ファンキー・パイレーツ、クレイジー・コーナーほか)


朝食ブッフェが気に入ったので、何も言わなくても朝食はホテルのカフェ。で、例によってそこでたっぷりの朝食(もちろんグリッツ!&ベーコン、スクランブルエッグ、ハッシュド・ポテト、パンケーキ、コーヒー、トマトジュース)を食べていると、雨が降ってきた。雨の中のプランテーションツアーは嫌だなあと思っていたら、短時間でさっと上がった。その後は上天気。

食後にプールサイドでコーヒーを飲みながら新聞(USA TODAY)を読んでいたら、一面にシュワちゃんの写真。新聞は無料でもらえるので、2部もらってきた。一応読んだものの、辞書がなかったので意味不明のところがあり、1部をまゆみさんに渡して読んでもらおうという魂胆。

今日は私たちのほかに4人の日本人が一緒で、涼しい北海道から来たので、ニューオーリンズのこの暑さにはまいっているとか。にしては、それぞれカップルで、別の意味で熱かったですよ。将来、あまりうまくいきそうにもないカップル同士だったけど。(^^;

というわけで、今日は車もいつものセダンではなく、マリアさんという女性が運転するバン。まずはバトン・ルージュに行く途中にある、ミシシッピ川沿いのサンフランシスコというプランテーションへ。プランテーションと言ってはいるものの、今ではその建物と広い庭だけで、農園はない。庭は大きな木々と青々とした芝生だけというシンプルなもの。ヨーロッパのように装飾を施した庭ではない。

サンフランシスコ邸は、19世紀に若いマーミリオン夫婦が建てたというもので、奥さんのルイーズはドイツ人。そのため、他のプランテーションとはちょっと違う趣があるようだ。外観も、たしかに想像していた荘園とは違う。とはいえ、これが最初に見る建物だから、どこがどう違うのか定かでないのだが、絵心のあった妻ルイーズの趣味を存分に取り入れた装飾が施されている。使用されている木材は、このあたりの湿地帯に生えているサイプレス(イトスギ)なのだが、それをオーク(樫)に見せようとして細工するなど、けなげな工夫の跡も見られる。

さて、そのルイーズ夫人だが、こんな田舎は嫌!とばかりに、年中にぎやかなニューオーリンズの街に出かけていたらしい。最後には行ったまま帰ってこなくなってしまい、夫は一人寂しく死んでいったそうだ。なんと気の毒な!愛する妻のために、豪華な屋敷を建ててやったというのに。(^^;

この屋敷の横には、奴隷小屋があった。個人的には豪華な屋敷よりも、こちらのほうが興味深かった。何の家具もない。ただ寝るだけの木造の粗末な小屋である。

サンフランシスコ邸のおみやげ店で、ルイジアナの州花マグノリアの香りのロウソク(蓋つきの瓶に入ったもの)を購入。マグノリアは日本にもある木蓮の一種だが、こちらは大輪の白い花。それをイメージするかのような乳白色のロクソク。

【後日談】:その場では、すごくいい匂いだと思ったが、帰国後、実際に火をつけてみると、ちょっとトイレっぽい匂いかも?と。やはりその土地だからこそいいのだというもののひとつだったかもしれない。

サンフランシスコを後にして15分ほどだろうか。次は映画「長く熱い夜」でも観たオークアレイへ。写真では、あの有名な樫の並木を嫌というほど見ているが、実際にそこに着いてみたら、その素晴らしさにため息が出た。強い日差しを遮る樫の大木の並木は、何百年という年月に渡り、そこを歩く人々に緑の涼しさを与えてきたのだろう。

ところで脱線するが、オークアレイに入る前に、ミシシッピ川の堤防に上って、川を見渡した。実は蒸気船デルタ・クイーン号が入っていると、ここに車を止めることはできないそうで、「今日は運良く入っていないので、ここからミシシッピ川が見れますよ」ということだったが、私としては、歴史的記念物であるデルタ・クイーン号をぜひ見てみたかったなと残念に思った。私にとっては運が悪かったことになる。

さてオークアレイでは、まず昼食をとった。すでに用意されているので、好みも何もないわけだが、メニューはサラダ、シュリンプ・クレオール、ブレッド・プディング、アイスティーである。これがまたレストランで食べるといった雰囲気ではなく、いかにも家庭料理を味わっているかのような暖かな感じのおいしいお料理だった。私の中では、ガンボ・ショップのクロウフィッシュ・エトゥフェと甲乙つけがたい。

デザートのブレッド・プディングは、甘いし量が多いせいもあったが、皆残していた。でも実のところ、甘いものの嫌いな私でもおいしいと感じ、できれば全部食べたかったくらい。でも、「こんなに甘いもの、食べられない!」と、北海道の人たちが言い出し、無言のうちに「だから太るんだよ」と言われている気がして、残さざるを得なかったのだ。悔しい!でも、暑かったし、アイスティーは何杯もお代わりをした。

昼食が終わってから、いよいよお屋敷の中を見学。サンフランシスコでもそうだったが、ここでも長くてふんわりしたフープスカートをはいた女性が説明をしてくれる。

ここで不思議だと思ったのは、ベッドや椅子などのサイズが小さいこと、テーブルの高さが異常に低いことだ。そして建物全体もこじんまりしたサイズである。これはサンフランシスコも同様。なぜなのかと尋ねたところ、昔のアメリカ人は小さかったのだと言う。たぶん私にはちょうどいいくらいのサイズだが、現在のアメリカ人には、まるでおもちゃのように見えるのではないだろうか。

映画「長く熱い夜」で使用された部屋も見た。全くあのままである。しかし、あとでおみやげ店に行ってみると、その部屋で撮られた幽霊の写真のポストカードが売っていた。さもありなん。この屋敷に入った時から、私は何か奇妙な感じがしていたのだ。

とある部屋の前の椅子にじっと座っていた、古びた黒いスーツを着たおじいさん。あれは本物だったのか?この暑いのに、黒いスーツというのも奇妙だが、家具には触ってはいけないということになっているのだから、座るなんてもってのほかじゃないの?

さらに、この屋敷の2代目の持ち主のお墓を見に行き、その正面に立った時、体にビビっと電流が走り、これはなんなの?と思っていたのだ。けして不気味ではないのだが、何とも奇妙な感じがした。たぶん、あそこにはいるだろうな。ゴーストが。

屋敷の中の見学のあと、自由に庭を散策。年月を経た樫の大木は、それだけで賞賛に値する。初代の持ち主が結婚するにあたり、妻が気にいるだろうと思って、この樫の並木のある土地を購入したそうだ。ということは、ここの樫の木は、屋敷よりも古いということである。何ともロマンチック。その一方で、奴隷売買の跡があり、当時売買されていた奴隷の値段が書いてあったりして、そうした多くの魂が、その木々に宿っているのではないかとさえ思えた。

帰り道は特になにもないので省略。

ホテルに戻ったところで、まゆみさんが部屋に来た。その時、窓の外を見たまゆみさんが、「正面の建物は小泉八雲が住んでいた家ですよ」と教えてくれた。八雲がこのホテルの近くに住んでいたことは知っていたのだが、まさに私たちの部屋の真向かいの建物だったとは!

しかし、今やそこはストリップ劇場である。夜になるとけばけばしいネオンがつき、イカした半裸のオネイチャンが店の前に立っている。場合によっては、ステージまで見えるときがあったりして・・・。にしても、八雲が住んでいた時と同じなのだろうから、あの窓から八雲もこちらを見ていたんだろうかなどと思うと、ちょっとドキドキ。熱狂的な八雲ファンでなくて残念。

さて、本日の夕食だが、まゆみさんに薦められたディーニーズに行った。ここもケイジャン料理、シーフード料理である。生カキ、クロウフィッシュ・エトゥフェ、スタッフド・クラブ、DIXIEビールと、私ったら毎日ザリガニかエビを食べてない?ってくらい、同じようなものを食べている。昼食もエビだったわけだし。レパートリー増えなくてすみませんて感じだけど、エビ類が好きなので、仕方がない。

しかし、ここはあまりおいしくなったのでがっかり。ガンボ・ショップも、特においしいということではないのだが、この手の料理のジャンルで、ニューオーリンズ中では一番おいしいということになるんだろうなと思った。しかし、まゆみさんの名誉のために言い添えておくと、ディーニーズは「バーベキュー・シュリンプ」がお薦めだと彼女は言ったのだ。それをすっかり忘れていた。

生カキと付け合せのサラダ、ゆでた皮の赤いジャガイモはおいしかったのだが、メインの料理が今いち。しかも量が多い。クロウフィッシュ・エトゥフェなんて、食べても食べても減らない。ザリガニ何匹使ってるんだろう?と思うほど。やっと深さにして1センチほど減ったところでギブアップ。

思えば、隣の老夫婦が食べていたのがバーベキュー・シュリンプだったに違いない。アポロ13号は、「あれが食べたい」と言っていた。あれ、食べればよかったね・・・。

食後、今日こそは音楽を聴きに行こうと、街を歩き出す。ニューオーリンズでは店のドアは開放されているので、外からでも十分聴けるのだが、せっかくここまで来て、そういう店に一度も入らないというのも何だよねと。それも、ロック系やZYDECO(ザイデコとかザディコとかいう)は毎日聴いているが(なんたって、毎朝「ジャンバラヤ」で起こされるのだから)、そもそもイメージしているジャズやブルース、ラグタイム、デキシーなんかを聴いてない。

というわけで、まずはジャズを聴きにメゾン・バーボンへ。出演中のジャミール・シャリフは、映画「RAY」で、レイ・チャールズのバックでトランペットを吹いていた人。ちょっとエディ・マーフィーっぽくて、スマートでカッコいい黒人だ。歌も上手い!かなり気に入った。ジャミールに、「どこから来た?」と聞かれたのが嬉しかった。

次はファンキー・パイレーツで、巨大なハリケーンのグラスを抱えながら、R&Bを聴く。ここはすごかった!ビッグ・アル・カーソンというニューオーリンズでは有名なR&Bの歌手が出ていたのだが、小錦の倍くらいありそうな巨漢。しかし、その巨体に響く歌声は素晴らしく、しかもぜひ聴きたいと思っていたゴスペルまで歌ってくれたので、大感激。ゴスペルは、日曜日に教会に行かなくては聴けないと言われており、なのに日曜日にはニューヨークに移動するので、だめかと諦めていたところだったのだ。

クレイジー・コーナーというロックの店に入った時は、時間もかなり遅くなっていたが、街の中はまだ人がいっぱい。皆朝まで楽しもうという魂胆なのだろう。そのおかげで、私たちのホテルの部屋は騒音が鳴り止まないということになるのだが。

※17412歩


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