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2005年06月11日(土) ■ |
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スワンプツアー |
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<第五日目>
9:00 起床 10:00 朝食(バーボン・カフェ) 11:00 セントルイス大聖堂 13:00 スワンプツアー出発(Dr. Wagner's Honey Island Swamp Tours) 17:00 ウォルマートで買物 20:00 夕食(ケイジャン・キャビン)
今日のスワンプツアーは午後からになったので、朝はゆっくり。朝食はまたしてもホテルのブッフェ。どこに旅行に行っても、ホテルの朝食が気にいれば、毎日そこで食べるのがうちの決まり。そして、午前中が空いたからといって、その時間にあえて行動しないのが「うち流」。しかし、セントルイス大聖堂で買いたいものがあり、夕方5時には閉まってしまうので、午前中に散歩がてら出かける。
セントルイス大聖堂は全米で最も古いカトリック教会。先日、中に入って見学したが、天井絵や緻密なステンドグラスが素晴らしい。そこで買うものといえば、十字架とおめだい(マリア様の像を浮き彫りにしたメダルのようなもの)である。私は無宗教だが、カトリックのミッションスクール出身なので、そういったものには親しみを覚える(キリスト教は偶像崇拝を認める)。
たまに行く目白のカテドラル教会(プロテスタント)では安物しか売っていないし、プロテスタントではなく、由緒あるカトリックの教会で、そうしたものを入手したかったのだ。信者というわけではないから、アクセサリーとしてではあるが。教会の人にミサに出るよう薦められたが、そこまでの時間がなかったのが残念。
実は部屋の窓から、小泉八雲の住んでいた家に重なって、セントルイス大聖堂の塔が見える。それが何ともいい感じの光景。夜明けや夕暮れ時はなお良い。しかし、アメリカに行くといつも感じるのだが、アメリカって日が長いなあと。ニューオーリンズでも、8時くらいまで明るい。もっとも、ニューオーリンズでは、朝6時に寝るのは当たり前ということだそうだから、非常に私に合っている街と言えるかも。(^^;
さて、午後になって、少々雲が出てきたので、スワンプツアーはだいじょうぶかと心配になった。というのも、雨天の場合、中止になることもあるからだ。しかし、その心配も無用であった。結局ひと粒の雨も降らなかった。ポンチャートレイン湖を渡って、ドクター・ワグナーのスワンプツアーにGO!
ドクター・ワグナーは、鳥類学者である。「ドクター」という肩書きは伊達ではない。そのため、他のツアーでは聞けないような詳しい説明を聞かせてくれる。スタッフも同様。さらに今日は、他の予約客が来なかったので、私たちだけで貸切のボートになった。ちなみに、私はアリゲーター・レスリングのスタッフと書いてあるTシャツを着ていたのだが、「そのTシャツはいいね!」と2回もほめられた。
それにしても、スワンプは最高!車から降りた途端に、これぞ南部!という感じ。今になって初めて、ああ、南部に来たんだ!という実感がわいた。暑さも湿気も目じゃない。大自然に感動したというのは、バハマの海とグランド・キャニオン以外あまりないのだが、スワンプには感動。本の中でしか知らないスワンプが、今ここにあるのだと思ったら、すごく感激した。
ボートは、最初はゆっくりと、すべるようにスワンプを進んでいく。幹の途中まで水中に沈んでいるサイプレス。そこからぶら下がるスパニッシュ・モス。淀んではいるが、静かな水面。途中でアリゲーターのお出迎え。マシュマロをあげると、大きな口をパックリと開いて食べる。ワニはマシュマロがお好き。
途中から、ボートは全速力で風を切って疾走し始める。なんて気持ちがいいのだろう!空気は湿り気を帯びてはいるが、けして不快ではなく、何とも心地いい。岸につり用のキャビンがいくつも並んでいるところでは、なるべく音を立てないように静かに進む。スワンプに棲む鳥や昆虫などを見ながら、ボートはさらに奥へと進む。
奥には絶景ポイント。サイプレスの緑が色濃く影を落とす、静寂に満ちた美しい場所がある。夢のような世界だ。しばし無言で見とれる。そして、細い水路を通って、さらに奥へ。そこまで進むには小さなボートでなくては行けないので、このツアーに申し込む場合には、大きなボートのツアーは避けたほうがいい。
そこでは、ふくろうの子どもが待っていた。ハリポタでおなじみのふくろうだが、本物を見たのはもしかして初めてかもしれない。私たちがいじめに来たと思ったのか、しきりに母鳥を呼んでいるが、動こうとはしない。なんとけなげでかわいいことか。しかし、同時に大自然で生きる強さも感じる。子どもなのに、すでに厳しい目つきをしている。ハリポタで、と書いたが、ハリーの白いヘドウィグではなく、ロンのピッグウィジョンがこんな感じかな?と。
奥の行き止まりに到着すると、そこでエンジンを止めて、スワンプに生えている植物の解説。何が何だったか忘れてしまったが、ヨーロッパ原産だという紫色の花がきれいだった。ウォーター・リリーという睡蓮の一種も美しい。
それと、メイフライ。小さなトンボのような虫だが、ちょっと変わった形だ。ちょうど孵化する時期だとかで、サイプレスにぶら下がっているスパニッシュ・モスつつくと、いっせいに飛び立つ。虫の嫌いな人には鳥肌ものだろう。
この光景を見て、映画「グリーンマイル」で、コーフィーが口から虫を吐き出すところを思い出してしまった。しかし、メイフライの形は興味深いなあ。ミニチュアのドラゴンのようだ。「メイフライ=五月蝿=うるさい?」たしかに、いっせいに飛び立つところは「うるさい」と形容してもいかも。
帰りのボートは、ほとんど全速力で疾走。途中、釣りをしている人がいて、どうやらナマズを釣り上げたようなので、見せてもらった。世間話を小耳にはさんだところによれば、ハリケーンくずれの熱帯低気圧が近づいているらしいとのこと。明日のニューヨーク行きの飛行機はだいじょうぶかな?
というわけで、大満足のスワンプツアーであった。いろいろ不安があったのだが、南部に来て本当に良かったと思えた1日だった。貸切というのもラッキーだったし。たまにスワンプで日がな1日釣りをするなんてのも、なかなかいいんじゃないかな、なんて。
ちなみに、ドクター・ワグナーのところのホット・アップル・サイダーが美味。私はまゆみさんに一口飲ませてもらっただけなのだが、そのおいしさは忘れられないだろうと思う。ドクター・ワグナーのスワンプツアーに行ったら、ホット・アップル・サイダーをお忘れなく!
ツアーの帰り、ビクターさんに寄り道をしてもらって、ウォルマートまで行く。大きめのスーツケースを買うためだ。実は、私のスーツケースはさほど大きくない。今まで、だいたい旅行をするのが夏ばかりで、しかも暖かいところというか、むしろ暑いところにばかり行っていたので、大きなスーツケースは必要なかったのだ。
しかし、今回はおそらく涼しいだろうという場所を含めて10日間だ。持ってくるだけで満杯。すでにおみやげが入らなくなっていたのだ。アポロ13号のスーツケースはさらに小さい。というわけで、仕方なく大きめのスーツケースを買おうということになった。
これが驚きの$29。しかも、付属のバッグが2個もついている。信じられない値段だ。ついでに、スーパーに行ったら必ずチェックするボールペンも購入し、ここでも満足。わざわざ回り道してくれたビクターさん、ありがとう!
ちなみにビクターさんは、昨日渡しておいた「USA TODAY」のシュワちゃんの記事を丹念に読んで、その概要をじっくり説明してくれた。「僕はもうシュワルツェネッガーのエキスパートだ」と言うほど。もっとも、英語の文章の概要を英語で説明されても、悲しいかなやっぱり全部は理解できないので、主要なところはまゆみさんが通訳してくれたのだが。
さて、今日の夕食は、ケイジャン・キャビン。ZYDECOのライブをやっているケイジャン料理の店だ。気が付けば、毎日ケイジャンかシーフード。ニューオーリンズにはクレオール料理ってのもあるんだよと思ったが、ホットソースを思いっきりかけられるケイジャンがお気に入りになってしまったのだ。
というか、実はバーダマン先生の本で紹介されていた店にも行ってみたかったのだが(アントワンズ、アーノルズ、ガラトアーズ、ブレナンズ、Kポールズ・ルイジアナ・キッチンなど、店の前までは全部行った)、正装でなくては入れない店とか、少なくとも半ズボンにサンダルはダメとか、そういう店ばかりだったので、入ることができなかったのだ。なにしろ荷物を少なくするために、ジーンズに半ズボン、Tシャツくらいしか持って行かなかったので、そういう店に入るような服がない。それでも私たちはグルメじゃないし、アメリカの高級料理店には特に興味もないので、大衆料理の店で十分なんである。と負け惜しみ?
ともあれ食前酒に、今日こそは元祖パット・オブライエンズの「ハリケーン」を飲もうと入ってみたはいいが、満員だったので飲むことはできず、断念。それでホテルの近くのケイジャン・キャビンへと足を向けた。毎朝起こされる「ジャンバラヤ」の曲は、ここから流れてくるのだ。
ケイジャン・キャビンでは、リベンジ!とばかりに、バーベキュー・シュリンプを頼む。それと、テイスト・オブ・ニューオーリンズ(ジャンバラヤ、シュリンプ・マリネーズ、レッド・ビーンズ&ライスのセット)にDIXIEビールである。
食べ物のほうは、まあそれなり(私はついにジャンバラヤが好きになれなかった)だったが、この時期、日本人は珍しいのか、どこに行っても注目されるようで、ZYDECOバンドに無理やり借り出されて、アポロ13号はウォッシュボード、私はタンバリンを演奏する羽目に陥った。恥ずかしかったけど、でも、これでこそニューオーリンズに来たということなんだろうな。何が楽しくて、数ある音楽の中でZYDECOを選ぶのだろう?などと思っていたが、やってみたら楽しかった。高級料理店では味わえない、スリルと冒険の一瞬だ。(^^;
食後、再度メゾン・バーボンでジャミール・シャリフの演奏を見て(今日は店内には入らず)、最後の名残を惜しむ。ニューヨークなんかどうでもいい、もっとニューオーリンズにいたいと思う。せめてもう一度、ビッグ・アルのゴスペルが聴きたい。ガンボ・ショップのザリガニが食べたい。しかし、無情にも時は止まってくれない。明日はニューヨークである。
【おまけ】:毎日ミネラル・ウォーターを買っていた、ホテル横の酒屋で買った、辛い辛い「ホット・ピクルス」が、実はすごくおいしいということに気づき、さらに追加を買う。長さ15センチ、太さ5〜6センチという不気味なきゅうりのピクルスなのだが、これがたまりません。すっぱい!辛い!でもおいしい!小さく切ってしまうより、このまま丸かじりが良い。あまりたくさん持って帰れないのが残念。日本でも売っていればいいのに。
※13135歩
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